時23分頃です。そのときの高度は約20000フィート、メー
トルに直すと、約6000メートルです。そのような高度を飛ぶ
飛行物体は当然限られてきます。飛行物体に気が付いて、123
便は高度を23000フィート(約7000メートル)に上げま
すが、それでもその飛行物体は追尾してきたのです。
この飛行物体の正体は何でしょうか。
当時考えられるのは、海上自衛隊の「無人標的機」しかないと
いわれます。標的機というのは、ミサイルの射撃訓練をするさい
に標的として使われる飛翔体のことです。ミサイルの相手をする
のですから、航空機に接近することは十分可能です。標的機には
次の3種類があります。
─────────────────────────────
1.高速標的機 ・・・ 「ファイア・ビー」
2.高速標的機 ・・・ 「チャカ」
3.対空標的機 ・・・「ターゲット・ドロ−ン」
─────────────────────────────
1は「ファイア・ビー」です。
どんな形をしているのでしょうか。
「自衛隊装備年鑑」によると、全長7メートル、全幅3・93
メートル、全高2・05メートル、自重686・3キロ、最大速
度0・96マッハ、実用上昇限度1万7000メートル、航続時
間約60分とあります。
何の標的として使用されるのでしょうか。
海上自衛隊が護衛艦に装備している5インチ速射砲や、護衛艦
の艦対空ミサイル「ターター」などの標的機として使用されてい
るのです。
どのようにして操縦されるのでしょうか。
操縦方式は、無線コマンド・コントロールであり、回収装置は
二段パラシュート。米国ライアン社製であるが、富士重工がライ
センス生産をしています。
2は「チャカ」です。
ファイアビーを小型化したもので、ミサイル用の標的機として
使用されています。全長3・87メートル、全幅1・76メート
ル、全高0・71メートル、速力は時速350〜900キロメー
トル。高度150〜9000メートル、航続時間約80分。総飛
行重量182キロ。訓練支援艦「あずま」の管制システムである
陸上追尾管制装置によって飛行管理をします。米国ノースロップ
社製で、日本電気がライセンス生産。1982年11月から運用
開始しています。
3は「ターゲット・ドロ−ン」です。
全長3・8メートル、全幅4・03メートル、全高0・79メ
ートル、重量162キロ、航続時間90分。海上自衛隊艦艇の対
空射撃訓練用の標的機です。これは、プロペラ機であり、UHF
FM方式の電波でリモコンされて飛行する。現代でいうところの
ドローンです。
JAL123便にぶつかった標的機は、これらの3種類のうち
のどれでしょうか。
まず、プロペラ機の「ターゲット・ドローン」でないことは確
かです。そうすると、ジェット機に接近できる「ファイアビー」
か「チャカ」ということになります。当時、それ以外のもので、
飛行中のJAL123便に衝突できる飛翔体は考えられないので
す。しかし、なぜ、自衛隊が日本航空機を標的にしなければなら
ないのでしょうか。これに関して、池田昌昭氏は、次のように述
べています。
─────────────────────────────
8月12日午後6時24分35秒ごろ、相模湾上空でこの無人
標的機が、JAL123便の垂直尾翼に衝突した可能性がある。
どこから発射され、何故JAL123便に衝突したのか。発射し
たものはJAL123便をレーダーで監視していたはず。リモコ
ン操縦が仮に海上でなされたとすれば、海上自衛隊のしかるべき
艦艇群は、充分にJAL123便の飛行を捕捉していて、標的機
の行方も監視していたはずである。なのに何故標的械は、JAL
123便に衝突したのか。それとも、衝突させたのか。事故なの
か。故意なのか。まさか故意ではあるまい。考えられるのは事故
である。海上からのコントロールを誤り、JAL123便に衝突
させてしまった。標的とされる標的機が逆に民間機を標的にした
のか。
しかし、問題はこの後である。衝突の事実を隠蔽し、未だにそ
の真相が解らないというこの事実である。自衛隊の標的機が民間
機に衝突し、民間機が操縦不能に陥り、ダッチロールを繰り返し
最後は山に激突してしまったこの事実を隠蔽しようというのであ
る。自衛隊の過失を国民に知られたくない。自衛隊に国民の批判
が向けられ、さらには現機構自身に批判が噴出することを恐れて
いるのである。 ──池田昌昭著/文芸社刊
『JAL123便は自衛隊が撃墜した/御巣鷹山ファイル』
─────────────────────────────
もし、自衛隊が、標的機を間違ってJAL123便に衝突させ
てしまったとすると、当然自衛隊はそのことを正直に申し出るに
決まっている。「自衛隊=日本国」と同じであり、国がそんな隠
蔽をするはずがない──多くの人が考えるはずです。そして、多
くの国民がそう思うと、自衛隊標的機のJAL123便衝突事件
は陰謀論になってしまいます。
しかし、当時と現在の国民の意識は相当違ってきていると思い
ます。昨今の財務省による公文書改ざん事件、自衛隊日報隠蔽事
件などが続々と起きているからです。さらに1971年7月に岩
手県雫石町上空で起きた自衛隊機と全日空727機との衝突事件
の真相を知ると、そういうことがあってもおかしくないと納得す
るはずです。この事件については、改めてその驚愕の真相を明ら
かにします。 ──[日航機123便墜落の真相/017]
≪画像および関連情報≫
●護衛艦の対空防護、陰の立て役者/高速標的機
───────────────────────────
高速標的機は訓練を終えたらパラシュートを開いて海上に
着水する。それを回収するのも訓練支援艦の仕事だが、何キ
ロも先まで航行して探すことになり、特に複数機を飛ばした
場合は手間がかかるという。
船体の大きさは、くろべが基準排水量2200トン、全長
101メートル、幅16・5メートル。てんりゅうは少しだ
け大きくて基準排水量2450トン、長さ106メートル、
幅16・5メートルだ。太平洋などの訓練海域まで往復する
と何日もかかるので、艦内には寝室や食堂、風呂といった居
住区画が備わっており、「乗り心地は悪くない」(元くろべ
乗組員)という。最高速度はくろべの20ノットに対して、
てんりゅうは22ノット。乗員数はくろべの約155人に対
し、てんりゅうは省力化が進んで約140人に減っている。
2隻はあくまで訓練用なので、有事に前線へ出ることはま
ずない。しかし、いずれも速射砲1門を備えている。海上自
衛隊関係者によると、高速標的機が何らかの理由で、コント
ロールを失った場合に撃墜するための装備だという。その高
速標的機には、いずれも無線誘導の「高速標的機BQM−3
4AJ改」(ファイアー・ビー)と「高速無人標的機チャカ
BQM−74E」(チャカ3)の2種類がある。
https://bit.ly/2wWTws8
───────────────────────────
ファイアビー
冒頭に「・・・クルーが飛行物体に気が付いたのは18時23分頃です。そのときの高度は約20000フィート・・・・」と記されていますが、根拠不明。
続いて、「・・・飛行物体に気が付いて、・・・・・・・・、それでもその飛行物体は追尾してきたのです。」も同様に根拠不明。
操縦席からは前方ないし真横しか見えないのに、どのようにして追尾に気が付くのでしょうか?
DFDRを正しく解析すると、何らかの飛翔体が日航機の垂直尾翼の上端に前方から衝突した、という結果が得られ、重量および大きさから、該当するのは自衛隊の「無人標的曳航機」しかありませんが、衝突の仕方やその進路については、角田説および池田説ではDFDRのデータやその他の情報と合致しません。
2023,10,7−2 鷹富士成夢