の、急減圧が起きたことは確かです。問題は、その急減圧の原因
が何かです。これに関して、「R5ドア説」というものがありま
す。それは、8月27日に発表されたボイスレコーダー筆記録の
なかにみられます。客室内のスチュワーデスかパーサーと航空機
関士との対話です。
─────────────────────────────
◎18時33分12秒
チャイム(インターフォンの呼び出し)
スチュワーデス:アール・・・(聞き取り不能)
航空機関士:アールファイブ(R5)の窓ですか。はい了解し
ました。わかりました。
◎18時34分06秒
副操縦士:カンパニーでお願いします。
航空機関士:はい、了解しました。
◎18時35分34秒
航空機関士:ええとですね。いま、あのー。アールファイブの
ドアがあのー。ブロークンしました。えー
◎18時35分53秒
カンパニー:キャプテンのインテンションとしては、リターン
・トゥー・東京でしょうか?
航空機関士:はい、なんですか?
カンパニー:羽田に戻ってこれますか。
航空機関士:えーっと。ちょっと待って下さい。今エマージェ
ンシー・ディセント(緊急降下)してますので・・・
◎18時36分04秒
航空機関士:もう少ししたら再びコンタクトします。このまま
モニター(監視)しておいてください。
──角田四郎著『疑惑/JAL123便墜落事故
/このままでは520柱は瞑れない』/早稲田出版
─────────────────────────────
ボイスレコーダーは、コックピット内の機長、副操縦士、航空
機関士同士の会話やその他の音、客室乗務員からのインターフォ
ンでの連絡などを30分間録音します。上記の対話は、客室乗務
員が、アールファイブの窓かドアについて、航空機関士に情報を
伝えています。なお、客室乗務員は次の順番で昇進します。
─────────────────────────────
スチュワーデス → アシスタント・パーサー →
チーフ・パーサー
─────────────────────────────
ボーイング747において当時の日本航空では、2階席を含め
客席内を6区画に分け、さらに左右にそれぞれ客室乗務員を配置
してサービスを行っています。「R5」というのは1階席の一番
後ろの区域の右側をあらわしています。JAL123便の客室乗
務員の配置図を添付ファイルにしています。
上記の対話は、R5担当のスチュワーデス(大野美紀子氏が担
当)が、自分の持ち場のR5の「窓」の異常を発見し、インター
フォンでコックピットの航空機関士に連絡を入れたのではないか
と思われます。
しかし、コックピットでは、例の「ドドーン」の衝撃音が起き
た直後であり、混乱しており、よく聞き取れなかったようです。
そのためか、航空機関士は「R5の『ドア』がブロークンして」
と機長に伝えています。「窓」と「ドア」を間違えています。そ
して、対話に入っていませんが、降下とコックピッドでの酸素マ
スクの使用を提言しています。
この対話から推測されることは、R5の「窓」が何らかの原因
で壊れ、それによって客室内の急減圧が起きたのではないかと思
われます。
その後の副操縦士の「カンパニーでお願いします」は、日航社
内の無線交信とつないでくれという意味です。したがって、18
時35分34秒以降の対話は日航の社内無線とのやりとりです。
この部分は、後日日航側から提供されてわかったのです。ここで
も「アールファイブの『ドア』が・・・」になっています。
この「R5ドア破壊」について、角田四郎氏は次のように述べ
ています。
─────────────────────────────
日航が事故機との交信で伝えた「R5ドア、ブロークン」で、
当初事故原因がこのR5ドア(最後部右側ドア)にあると思われ
たが、墜落現場からR5ドアが無キズ(窓ガラスは破損)で発見
され、落合証言でR5ドアには触れられていない(R5の異常が
あれば落合さんも気付くはず)ことに加え、13、14日には相
模湾から垂直尾翼の一部や胴体最後部の補助動力装置(APU)
の一部が回収されたことでR5ドアの原因説は否定された。
──角田四郎著の前掲書より
─────────────────────────────
しかし、実際にはドアではなく、ドアの「窓」だった場合は、
落合氏が気づかなかった可能性があります。実際にドアには異常
がなく、窓は壊れていたのです。墜落の衝撃で壊れたと思われま
すが、落ちる前から壊れていたとも考えられるからです。窓の破
壊であれば、それによるある程度の急減圧は起きるし、そのレベ
ルは生存者の証言とも一致します。また、それにより、酸素マス
クも下がってきているのです。
それでも、「R5ドアの『窓』の破壊」が、なぜ、取り上げら
れなかったかについては、内部説を主張するには、ドアならとも
かく窓の破壊では、垂直尾翼の破壊の説明ができなくなるからで
はないかと考えられます。何か内部説にとって都合の悪い情報は
意図的に外されている操作がそこに感じられます。実は生存者の
落合証言についても何らかの操作が加えられているフシが多々あ
るのです。落合氏がいってもいないことが早い段階で流布されて
いるのです。 ──[日航機123便墜落の真相/008]
≪画像および関連情報≫
●明石家さんまが日航機墜落事故を免れた訳
───────────────────────────
1985年(昭和60年)8月12日月曜日18時56分
東京(羽田)発大阪(伊丹)行JAL定期123便ボーイン
グ747SR−46が群馬県多野郡上野村の高天原山の尾根
に墜落した単独機では世界最大の飛行機事故。
当時生まれてない方でも、テレビなどでこの事故のことを
知ってる方は多いと思います。この事故では乗員乗客524
名が搭乗していたが墜落によりその内の520名が犠牲とな
りました。
犠牲者の中には歌手の坂本九さん、阪神タイガース球団社
長中埜肇さん、元宝塚歌劇団の北原瑤子さん、ハウス食品社
長の浦上郁夫さん、コピーライターの藤島克彦さんら数名の
著名人や、甲子園球場で行われていた夏の高校野球を見に、
1人で搭乗していた小学生なども含まれていました。
そんな事故ですが実はこの事故の起きた便にさんまさんも
搭乗する予定だったんです。当時さんまさんは人気生ラジオ
番組「MBSヤングタウン」にレギュラー出演しており大阪
へ生放送に行く際は以前から日本航空JAL123便を使用
しておりました。そして、その事故当日もその123便を使
用する予定だったそうです。が、大阪への移動の前に収録し
ていた「オレたちひょうきん族」が予定よりも早く終了した
ため123便をキャンセルして、ひとつ前のANA35便で
大阪に向かったと言われています。そして、あの事故が起き
ました。 https://bit.ly/2BNiDmR
───────────────────────────
●図出所/──青山透子著/河出書房新社/『日航123便/
撃墜の新事実/目撃証言から真相に迫る』
JAL123便客室乗務員配置図
CVRの33分23秒の箇所の聞き取り結果を、
事故調報告書(P320)では、「アールファイブのはまだですか?」としています。
「米田憲司著・御巣鷹の謎を追う」(P156)によると、複数の現役パイロットの意見として、「アールファイブの前ですか」または「アールファイブの真上ですか」です。
この前後のやり取りから、酸素マスクに関する何かのトラブルか、天井に何かの異常が見つかったものと推測されます。
墜落現場からR5ドアは無傷で発見され、その窓ガラスも壊れていたけれど発見されています。
従って、飛行中にR5の窓ガラスが壊れた可能性はありません。
CVRの35分34秒の箇所を事故調報告書は、
「いま、あのー、アールファイブのドアがあのーブロークンしました・・・・・・・・・」、
と聞き取っていますが、聞き取りの誤りです。
ここは、「いま、アッパーフロアのドアがオープンしました」と聞き取るのが正しいと推定されます。
「アッパーフロアのドア」は、操縦室の後ろ側にあり、2階の客席へ通じるドアです。操縦室のクルー(この場合はF/E)が直接確認できるドアです。
事故調報告書・別冊の付録ー4(P55)に、操縦室の気圧が客室の気圧より1.52キロパスカル以上高くなると、このドアの止め具が外れてドアが開くと説明しています。
1.52キロパスカルは、地上の通常の気圧が1000ヘクトパスカルだから、その約60分の1です。
異常事態発生後10分余経過して、緩やかに客室の気圧が下がっていった結果、このドアが開いた可能性があります。
見方を変えると、仮に客室に急減圧があったらもっと早くこのドアが開いたはずですから、急減圧は無かったという傍証になります。
事故調報告書・別冊の付録ー4のシミュレーション結果を示す図(P73)には、事故調が想定する隔壁破壊=急減圧があった場合、操縦室と客室の気圧差は、異常発生の1秒後に、2キロパスカルを超えることが示されています。
CVRによると、異常発生直後(ドドーンドンドンの後)、「なんか爆発したぞ」の声が録音されていますが、ドアに関する言葉はありません。
従って、急減圧はなかったことが明らかです。
2023,10,3ー1 鷹富士成夢
ドアが実際に壊れたなら、「壊れました」または「ブレイクしました」と言うはずで、「ブロークンしました」は不自然な表現です。
ドアの大きさを1m×2mとすれば、1.52キロパスカルの差圧により約300kgfの力がドアに生じているから、止め具が外れたらドアは一気に開きます。
これを見てF/Eが「フルオープンしました」と言ったのを、「ブロークンしました」に聞こえたということです。
2023,10,25