2018年06月25日

●「GPUとディープラーニング演算」(EJ第4792号)

 「GPU」の話を続けます。GPUは、AI(人工知能)を理
解するには不可欠なものです。GPUがわからないと、AIは抽
象的にしか理解できません。それにGPUを知るには、CPUを
理解する必要があります。
 まず、「CPU」と「コア」という言葉の違いについて知る必
要があります。かつては、PCには1個のCPUしか装着されて
いなかったので「CPU=コア」だったのです。しかし、現代で
は、PCに複数のCPUがつく「マルチコア」の時代になってい
るので、CPUとコアを分けて考える必要があります。インテル
の最新チップで考えてみます。
 添付ファイルをご覧ください。左上は、インテルの最新のチッ
プ「コア・アイ・セブン/Core i7」をの上から見たものです。一
般的にはこれをもって「CPU」であるとしています。それは間
違いないことですが、このチップには、2個か4個の「コア」が
装着されています。
 この場合、「コア」とはCPUの核にあたる部分であり、かつ
てのCPUと同じものと考えればよいのです。左上の図はコアお
よびその他の部分をパッケージにしたもので、正確には「ダイ」
というべきです。
 ダイは、薄いシリコン基板の上に数千万〜1億個のトランジス
タが集積され、回路を形成していますが、その回路がコアです。
チップの名称が印刷されているフタように見えるものは、「ヒー
トスプレッダ」といいます。ただのフタではなく、ダイの保護と
放熱を助ける働きをします。そして、この上には、動作時の高熱
を冷やす冷却装置を取り付けます。ファンが主流ですが、水冷方
式のヒートシンクもあります。
 右上と右下の図はダイの拡大図とその裏面です。ダイはそれぞ
れの機能によって、複数のユニットに区分けされています。ダイ
の裏面には「パッケージ」といわれるものがあります。これは、
ダイを保護し、内部はピンとダイを接続するための回路配線が組
み込まれています。
 左下の図はダイの裏面です。中心部は「コンデンサ」、周囲は
「ピン」です。コンデンサは、電気を蓄えて信号や電源を安定さ
せる役割をします。ピンは、マザーボードのCPUソケットに接
続するための端子です。ピンの本数はパッケージの種類によって
異なります。
 コンピュータでやれることが増えてくると、コアの数も増えて
きます。1コアから10コアまでの名称をご紹介します。
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         1コア:シングルコア
         2コア:デュアルコア
         3コア:トリプルコア
         4コア:クアッドコア
         6コア: ヘキサコア
         8コア: オクタコア
        10コア:  デカコア
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 これに対して「GPU」とは何でしょうか。
 GPUという言葉は、NVIDIA(エヌビティア)という米
国のチップメーカーが作った言葉です。GPUを一言でいうと、
次のようになります。
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   GPUは並列処理を行うことで高速に回す装置である
─────────────────────────────
 これだけではわからないと思うので、GPUというチップが何
をするものかについて、NVIDIAの井崎ディープラーニング
部長のインタビューでの話をご紹介します。
─────────────────────────────
 3Dグラフィックのことからお話ししますね。3Dグラフィッ
クを表現するためには、ポリゴン三角形の頂点の座標位置の計算
と、そこにのせるピクセルデータの計算が必要です。
 それぞれの計算に専用エンジンがあったんですが、片方が暇で
片方が忙しいみたいなことが課題としてありました。効率よくな
いんです。そこで効率よく、かつ汎用的な計算を行えるように、
ハードをズラーッと並べて、プログラムで制御できるようにした
のです。この技術が2000年以降の3Dグラフィックのアーキ
テクチャを大きく変えたとのことでした。
 つまり、GPUというモノでそれぞれの専用エンジンをひとつ
にまとめたってことのようです。これって計算が高速で行えるっ
てことなので、べつに3Dグラフィックだけに限った話ではない
んです。GPUはアクセラレータとして動作するため、CPUと
相まって使われることになります。  https://bit.ly/2K4m8sU
─────────────────────────────
 グラフィックスの計算は、単純な計算の繰り返し処理なのです
が、とにかく量が多いのです。CPUでもできますが、量が多い
ので時間がかかる。そこで、多くのPCをずらっと並列につない
て、処理をやらせたところ、やっと満足できる計算レベルに達し
たというのです。井崎部長によると、それをひとつのチップにし
たものがGPUであるといっています。
 結局、高速にするには、コアの数を増やすことが必要なので、
GPUはコア数が多いのです。CPUの最大は24個だそうです
が、GPUは3000〜4000個も入っています。このコアの
違いが並列処理を加速させているのです。
 ディ―プラーニングの計算量はとても凄いのです。10層ぐら
いのディープラーニングでも10億個ぐらいのパラメータのチュ
ーニングが必要になるといわれます。これをCPUでやると丸1
年かかるが、GPUを使うと30日で終るといいます。企業では
30日は待てないので、GPUを複数使って時間を短縮します。
このように、ディープラーニングにはGPUは不可欠な存在なの
です。       ──[次世代テクノロジー論U/036]

≪画像および関連情報≫
 ●なぜ人工知能研究でNVIDIAのGPUが使われるのか
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   自作PC派にとってなじみ深い「NVIDIA」のロゴ。
  ビデオカード(GPU)のドライバをインストールする際に
  目にした人は多いはずだ。そんなNVIDIAの名前を意外
  なところで見掛ける機会が増えた。2017年5月、日本経
  済新聞は、「トヨタの自動運転、米エヌビディア提携で開発
  加速」と報じた。GPUのメーカーが、「なぜ、トヨタと提
  携?」と不思議だった。
   調べてみると、フォード・モーター、ボルボ、メルセデス
  ベンツ、アウディ、テスラなど、名だたる自動車メーカーと
  自動運転研究の分野で提携済みであり、その後においても、
  Robert Bosch、ZF Friedrichshafen、Continental といった
  大手自動車部品メーカーと提携を加速させている。エヌビィ
  ディアのパートナー紹介サイトには、多くのグローバル企業
  のロゴが誇らしげに並んでいる。筆者は、恥ずかしながら、
  “ある分野”におけるNVIDIAの活躍をそれまで知らな
  かった。
   その“ある分野”とは、人工知能(AI)の研究開発にお
  ける「計算」である。グラフィックの表示を行うGPUが、
  なぜAI研究の計算で活躍するのかを、AIについてズブの
  素人である筆者が、超初心者目線で取材し、調べ、まとめた
  のが本コラムである。      https://bit.ly/2yCjWnc
  ───────────────────────────

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posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 次世代テクノロージ論U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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