2018年03月07日

●「報道の自由度/日本は世界72位」(EJ第4718号)

 「国境なき記者団」という組織があります。言論の自由(報道
の自由を含む)の擁護を目的とする非政府組織です。1985年
に、フランスの元ラジオ局記者、ロベール・メナールによってパ
リで設立されています。
 具体的に何をやっているのかというと、世界中で拘束されてい
るジャーナリストの救出、死亡した場合の家族の支援、各国のメ
ディア規制の動きへの監視・警告を主な活動としています。20
02年からは、毎年14の団体と130人の特派員、ジャーナリ
スト、調査員、法律専門家、人権活動家たちが、それぞれの国の
「報道の自由レベル」を評価し、ランキングしています。「世界
報道自由ランキング」です。最新の2017年度のランキングベ
スト10をご紹介します。
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   ≪世界報道自由ランキングベスト10/2017≫
    1位:ノルウェー     6位:コスタリカ
    2位:スウェーデン    7位:スイス
    3位:フィンランド    8位:ジャマイカ
    4位:デンマーク     9位:ベルギー
    5位:オランダ     10位:アイスランド
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 どのような基準でランキングを判定しているかですが、180
ヶ国のメディア専門家、弁護士、社会学者からの、87の質問を
問うアンケートが配られ、その結果を数学的に計算し、評価を決
めるのです。
 第1位のノルウェーは、ここ15年間をとっても10回が第1
位であり、一番下がったランクは2006年の6位だけという素
晴らしいものです。第2位のスウェーデンは、平均すると10位
〜12位の国ですが、2015年から上昇しています。2015
年は第5位、2016年は第8位、そして2017年は第2位と
ランクアップしています。
 第3位のフィンランドは、今年こそ3位に甘んじていますが、
ノルウェーと1位争いをしてきた国です。過去15年をとっても
1位が11回とノルウェーを上回っています。15年間で、ノル
ウェーと同列1位が4回もあるのです。
 それでは、2017年ワースト10にはどういう国がはいって
いるでしょうか。おおよそ見当はつきますが、ワースト10は次
の通りです。
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 ≪世界報道自由ランキングワースト10/2017≫
  171位:赤道ギニア   176位:中華人民共和国
  172位:ジブチ     177位:シリア
  173位:キューバ    178位:トルクメニスタン
  174位:スーダン    179位:エリトリア
  175位:ベトナム    180位:北朝鮮
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 注目すべきは、176位に中華人民共和国(中国)がランクさ
れていることです。中国は、2002年には138位というこの
国としては上位のランクにあったのですが、習近平氏が総書記に
就任した2012年の174位から、さらに3ランク下がって、
現在では176位に定着しています。そして、最下位の180位
は北朝鮮です。この国については、もはや何もいうべきことはな
いし、コメントしたくもありません。
 重要なことは、ここにG7(日本、アメリカ、イギリス、ドイ
ツ、フランス、カナダ、イタリー)の国は、一国も入っていない
ことです。2017年度のG7の順位を以下に示します。
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          16位:ドイツ
          22位:カナダ
          39位:フランス
          40位:イギリス
          43位:アメリカ
          52位:イタリア
          72位:日本
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 情けない話ですが、日本は順位を下げて、52位のイタリアよ
りも20ランクも下の72位です。それも、2013年の安倍政
権の発足以降、急速にランクを下げているのです。
 そこで、世界報道自由ランキングと内閣との関係を調べてみる
と、次のようになります。
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   2006年/37位 ・・・ 小泉内閣/安倍内閣
   2007年/51位 ・・・ 安倍内閣/福田内閣
   2008年/37位 ・・・ 福田内閣/麻生内閣
   2009年/29位 ・・・ 麻生内閣/鳩山内閣
   2010年/17位 ・・・ 菅 内閣
   2011年/11位 ・・・ 菅 内閣/野田内閣
   2012年/22位 ・・・ 野田内閣/安倍内閣
   2013年/53位 ・・・ 安倍内閣
   2014年/59位 ・・・ 安倍内閣
   2015年/61位 ・・・ 安倍内閣
   2016年/72位 ・・・ 安倍内閣
   2017年/72位 ・・・ 安倍内閣
                   http://bit.ly/2FR9J6v
─────────────────────────────
 安倍政権、とくに第2次政権になってからの順位の落下は明確
です。2013年の53位から年々落下し、72位になっていま
す。これに対して、民主党政権ではランクは大幅に上昇し、20
11年には11位になっています。とくに、岡田、亀井両大臣は
記者クラブに関係なく、多くの記者を受け入れていたのです。
            ──[メディア規制の実態/042]

≪画像および関連情報≫
 ●日本は「報道の自由」を失っていくのか(安倍政権)
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   国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF,本
  部パリ)は、2017年4月26日,2017年の世界各国
  の報道自由度ランキングを発表し,日本は72位だった。日
  本はG7=主要7か国で最低の順位で、推移を見ると、20
  10年は11位,2012年は22位,2013年は53位
  2014年は59位,2015年は61位,2016年は、
  72位と年々順位を下げている(あのトランプ政権で揺れる
  米国ですら43位である)。
   特に2012年から2013年にかけて大きく順位を下げ
  ているが,これは第2次安倍政権の影響も否定できないだろ
  う。以後,毎年順位を下げ続けており,前述のように主要先
  進国の中で最下位になってしまった。
   順位を下げた理由について,「国境なき記者団」は,東日
  本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故の際に報道
  が規制されたり,情報の開示が限られたりしたと指摘してい
  るほか特定秘密保護法が施行されたことなどを挙げている。
  私は,上述のように2011年に起きた東日本大震災の際の
  報道姿勢から潮目が変わったと思っている。当時は民主党政
  権であったが,官邸からかなり報道規制があったと聞く。未
  曾有の大震災であるから「パニックを防ぐ」名目で情報を出
  さないのではなく,未曾有であるからこそ何もかも明らかに
  して,国民共々対応するべきであると思う。
                   http://bit.ly/2oOfBVK
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オープン公開の岡田外相(当時)の記者会見.jpg
オープン公開の岡田外相(当時)の記者会見
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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