2018年03月02日

●「国谷裕子MCはなぜ降板したのか」(EJ第4715)

 安倍政権の発足後、テレビ界において、実力も実績もある3人
のMC(メインキャスター)が降板させられています。いずれも
時期は2016年3月末です。表向きの理由は「番組の再編」で
すが、いずれも安倍政権が深く絡んでいるのです。
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  1.古館伊知郎氏/テレビ朝日「報道ステーション」
  2.岸井 成格氏/    TBS「ニュース23」
  3.国谷 裕子氏/ NHK「クローズアップ現代」
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 私は、上記の番組のうち、「1」と「3」は、時間のある限り
いつも見ていた番組です。とくに「3」の国谷裕子氏は、MCと
しては、素晴らしいキャスターであったと思います。家にいて、
午後9時のNHKのニュースを見たときは、そのまま国谷MCの
「クローズアップ現代」を視聴したものです。さらに30分見る
価値があると判断したからです。しかし、どうして、国谷氏は、
MCを辞めることになったのでしょうか。
 国谷裕子氏が「クローズアップ現代」のMCを始めたのは19
93年4月5日からです。もちろん初代のキャスターです。した
がって、23年間この番組を担当していたことになります。月曜
日から木曜日の午後9時30分から10時までの30分間、金曜
日は休みではあるものの、ほぼ毎日、いつも新しいニュースの話
題を届けるのですから、テーマを理解するだけでも大変です。
 テーマは、政治、経済、文化、医療、安全保障、ICTなど、
あらゆる分野に及ぶので、覚えるだけで大変です。国谷氏はそれ
を23年間続けたのですから、凄いことです。しかし、かなりき
つい仕事であるので、いずれ体力上の理由で、自分の方から辞め
ることを申し出ることはあっても、番組再編などの局側の理由で
降ろされるとは、考えてもいなかったと国谷氏はいっています。
 ところが、2015年12月26日、国谷裕子氏は、2016
年度の契約は更新しないことをNHKから告げられたのです。理
由は「番組の再編」。国谷氏にとっては考えてもいなかった理由
です。まさに青天の霹靂であったといえます。
 このときの国谷氏の心中について、「本と雑誌のニュースサイ
ト/リテラ」は、次のように書いています。
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 国谷氏の降板は「上層部からのキャスター交代の指示」によっ
て決定した──。国谷氏は降板を告げられたとき、こんなことを
考えたという。「ここ一、二年の〈クローズアップ現代〉のいく
つかが浮かんできた。ケネディ大使へのインタビュー、菅官房長
官へのインタビュー、沖縄の基地問題、出家詐欺報道・・。国谷
氏が頭に浮かべたこれらのうち、最大の原因として考えられてい
るのが、いわずもがな菅義偉官房長官への集団的自衛権にかんす
るインタビューだ。この14年7月3日の放送で、国谷氏は舌鋒
鋭く集団的自衛権の行使にかかわる問題点を次々に質したが、放
送終了後に菅官房長官が立腹し、官邸サイドはNHK上層部に猛
抗議をしたと「FRIDAY」(講談社)が報じたほどに問題と
なった。               http://bit.ly/2ESok48
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 なぜ、降板させられたのか──国谷MCがこれしかないと考え
たのが、2014年7月3日放送の菅官房長官へのインタビュー
です。このインタビューの何がいけなかったのか──国谷氏は振
り返って考えてみても、自分としては国民を代表して菅官房長官
に聞いたまでであり、問題があったと思えないといっています。
このときの映像をネット上で見つけました。約22分です。
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   ◎2014年7月3日/「クローズアップ現代」
    「集団的自衛権/菅官房長官に問う」/22分
               http://bit.ly/2BQCvnK
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 見ていただくとわかりますが、国谷氏の質問はMCとしては、
至極真っ当なものです。問題となると思われるやりとり次に示し
ますが、菅官房長官はどこがアタマにきたのでしょうか。
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国谷:憲法の解釈を変えるということは、ある意味では、日本の
   国の形の在り方を変えるということにも、つながるような
   変更だと思うんですけれども、その外的な要因が変わった
   国際的な状況が変わったということだけで、解釈を本当に
   変更してもいいんだろうかという声もありますよね。
菅 :それはですね、逆に42年間、そのままで本当によかった
   かどうかですよね。今、大きく国際化という中で、変わっ
   てることは、これ、事実じゃないでしょうか。そういう中
   で、憲法9条というものを、私たちは大事にする中で、従
   来の政府見解、そうしたものの基本的論理の枠内で、今回
   新たにわが国と密接な関係がある他国に対する武力攻撃が
   発生して、わが国の存立そのものが脅かされ、国民の生命
   自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険とい
   う、そういうことを形の中に入れて、今回、閣議決定をし
   たということです。
国谷:その密接な国というのが、どういう国なのか。当然、同盟
   国であるアメリカっていうのは、想像できるんですけれど
   も、それはあらかじめ決めておくのか、それともその時々
   の政権が、これは密接な関係のある国だと決めるのか、こ
   れ、限定的な行使ということをきちっと守っていくうえで
   も、影響がある問題だと思うんですけれども。
菅 :そこについては、同盟国でありますから、アメリカは当然
   であります。そのほかのことについては、そこは政府の判
   断、時々のこれは状況によって判断していくということに
   これはなってくるというふうに思います。
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            ──[メディア規制の実態/039]

≪画像および関連情報≫
 ●クロ現・国谷裕子氏降板 「官邸の意向」説は本当か?
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   夜の報道番組の「顔」がまた1人変わる。NHKは4月の
  番組改編で『クローズアップ現代』を一新、22年間キャス
  ターを務めた国谷裕子氏を降板させる。
   「制作現場は『国谷さんを降板させれば、官邸の意向に屈
  したと邪推される』と懸念したが、最後は上層部に押し切ら
  れたそうです」(NHK社会部記者)
   確かに菅官房長官と国谷氏には浅からぬ「因縁」がある。
  同番組が1年半前に放映した『集団的自衛権/菅官房長官に
  問う』で、国谷氏は「国際的な状況が変わったということだ
  けで、解釈を変更していいのか」と厳しく突っ込み、菅氏が
  たじたじになる場面があった。それに対して官邸がNHKに
  抗議したという報道もあったが、菅氏は否定した。
   その後、番組に「やらせ問題」が発覚すると、政府・自民
  党は異常とも思える“介入”に出た。自民党はNHK副会長
  を呼んで事情聴取し、高市早苗・総務相がNHKに厳重注意
  した。そうした安倍政権のやり方を放送倫理・番組向上機構
  (BPO)が政治の「圧力」「介入」と批判すると、菅官房
  長官は「圧力との指摘はあたらない」(昨年11月)と反論
  し、言論圧力問題論争へと発展した経緯がある。もっとも、
  NHK内部には以前から「国谷氏が長くなりすぎたので交代
  させたい」という声があったので、官邸の意向がうまく利用
  されたという見方もある。     http://bit.ly/2sWRtFS
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国谷裕子元「クローズアップ現代」MC.jpg
国谷 裕子元「クローズアップ現代」MC
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | メディア規制の実態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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