ことです。しかし、2進数については、小学校の算数の授業で、
あまり多くの時間をとって教えていないそうです。これひとつと
っても、日本のコンピュータ教育は間違っていると思います。コ
ンピュータを構造的に理解するには、2進数の理解は避けて通れ
ないからです。そういうわけで、ノイマン型コンピュータの6つ
の特徴の6番目も「2進数」になっていたはずです。
ところが、世界初のコンピュータといわれるENIACの演算
方式は10進数です。しかし、ENIAC完成後、フォン・ノイ
マンのアドバイスによって1951年に完成したEDVACの演
算方式は2進数で再構築されています。
ところでわれわれ人類は、なぜ、当たり前のように10進数を
使っているのでしょうか。これに対するネット上の解説の一つを
ご紹介します。
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10進数が定着した理由には諸説あるのですが、その1つに、
「人間の指が両手で10本あるから」というものがあります。も
ともと数字は物を数えるためのものとして誕生し、誕生したばか
りの数字は、自然数(1,2,3,4・・・)だったと言われて
います。ちなみに、その後0やマイナスの数が誕生し、整数が生
まれたと言われています。
物を数えるために身近に使えるものはやはり手の指です。両手
の指10本を1つの単位として、10本で一区切り、11からは
2人目の人の指を使う、10人の人の指を使いきったら、またそ
れを一区切りにして101からは11人目の人の指を使うといっ
た感じで物を数えていき、10進数が定着したのでしょう。
もし、人間に指がなく、2本の腕しかなければ、2進数が採用
されていたかもしれませんし、ブタのヒヅメのように、2本の指
しかなかったら、4進数が採用されていたのかもしれません。さ
てさて、この指が10本だから10進数が定着したという仮説は
あくまで仮説です。指が6本ある宇宙人の星に行って、そこで、
12進数が定着していればこの仮説の信ぴょう性も増しますね!
http://bit.ly/2Ag2ReY
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10進数に慣れている人にとって、2進数はかなり扱いにくい
ものです。仮に2進数で「110」が示されたとすると、うっか
り「ひゃくじゅう」と呼んでしまうものです。しかし、2進数の
「110」(いちいちれい)は、次のことを意味しています。2
進数の「110」は10進数の「6」なのです。
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1×2の2乗+1×2の1乗+0×2の0乗=6
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念のため、10進数のことを知らない宇宙人と地球人の567
をめぐる会話をご覧ください。
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宇宙人:567とは何ですか。
地球人:「ごひゃく・ろくじゅう・なな」です。
宇宙人:???..5+6+7=18という意味ですか。
地球人:いえいえ。567の5は「100が5個」、6は「10
が6個」、7は「1が7個」を表しています。567全
体で、5×100+6×10+7×1を表しています。
宇宙人:なるほど、一番右が1、その次が10、その次が100
というように、数字を書く位置がひとつ左にずれると、
10倍になるのですね!
地球人:そうです。地球では、数字を書く位置のことを「桁」も
しくは「位」と呼んでいます。
宇宙人:なかなか面白い表し方ですね!
http://nkbp.jp/2AvulBy
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この原理がわかっていれば、2進数を10進数にすることなど
簡単なのですが、どうも2進数が苦手の人が多いのです。しかし
コンピュータに強くなるには、2進数を縦横無尽に使いこなせる
必要があります。
ところで、コンピュータは、なぜ2進数を使うのでしょうか。
何か特別な理由があるのでしょうか。
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1.ハードウェアが簡単に作れる
2.演算処理が極めて簡単である
3.論理回路で全てを演算できる
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第1の理由は「ハードウェアが簡単に作れる」ことです。
コンピュータの内部には、単純な動作をする同じような回路や
部品がたくさんあります。2進数であれば、入力も出力も「0」
と「1」であり、回路や部品の構成がシンプルであるというメリ
ットがあります。
第2の理由は「演算処理が極めて簡単である」ことです。
10進数だと、0〜9までの掛け算で合計100通りになりま
すが、2進数ならたった4通りで済みます。演算処理が簡単なら
故障も少ないのです。10進数を採用したENIACは、演算処
理が複雑で、毎日故障の連続だったといいます。
第3の理由は「論理回路で全てを演算できる」ことです。
2進数であれば、簡単に「論理回路」が作れるので、あらゆる
計算が可能になります。これは、19世紀の数学者であるジョー
ジ・ブ―ルが提唱した「ブール代数」に基づいています。0また
は1の2つの値だけを持つ変数を用いる論理です。論理回路は、
論理演算を実現する電子回路のことですが、これについては、改
めて述べます。
フォン・ノイマンがコンピュータの演算方式に2進数を採用し
たことは、その後のコンピュータ開発に受け継がれていき、現在
にいたっているのです。 ──[次世代テクノロジー論/56]
≪画像および関連情報≫
●パソコン世界の5不思議
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(その1)男と女の物語
男性名詞か女性名詞かに誠にうるさいドイツ語やフランス
語では、パソコンと云う言葉は男性名詞である。だから、パ
ソコンは歴とした男性である。しかるにその中に入っている
のがマザーボード。 男の中に母を宿す。 男の中に女がいる
と云う不思議。そう言うと、キーボードと云う言葉は男性名
詞。マウスと云う言葉は女性名詞。男は常に叩かれて、女は
やさしく掌に包まれるべきなのか。
(その2)アツカマシイ奴たち
パソコンの凄さはメモリーに入れられたプログラムにある
のに、CPU(中央処理装置)は、自ら「コンピューターの
頭脳」と称し、あたかも自分が総てやっているかのように、
偉そうに振る舞う。本当は指令に基づいて動いている足軽に
過ぎないのに、大将軍か参謀長のような顔をするアツカマシ
サ。そう言うと、OS(オペレーティングシステム)なんて
云うのも何だ。大型コンピューターと違って、パソコンには
オペレーターは存在しないのに、オペレーティングシステム
と称する誇大さは何だ。パソコンよ、もっと謙虚になれ。
http://bit.ly/2B8e6JN
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2進数の世界