あらゆる機器やシステムのなかにセンサーは組み込まれ、データ
を発信し、IoTを実現しています。
ところで、センサーとは何でしょうか。
ごく身近なところににあります。「iPhone 7 Plus」 には10
種類15個のセンサーが搭載されています。これらのセンサーか
ら取り込むデータをいくつか上げると、操作用ジェスチャー、映
像、音声、指紋、加速度、角速度、地磁気、気圧、近接物、環境
光と多岐にわたります。
これに加えて、位置を測っているGPSも、センサーとして使
われています。その内部に組み込まれた半導体チップのなかにも
温度や電流、電圧を測るセンサーが組み込まれているからです。
アイフォーンに限らず、およそスマホというものは、センサーの
集合体のようなものです。
このセンサーのお蔭で息を吹き返した企業があります。ソニー
です。証券業界がみるソニーの2017年の予想営業利益は50
70億円。これは20年来の高水準になります。2017年5月
29日、ブルームバークはソニーついて次の報道をしています。
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ソニーが今年の業績向上を壮語する理由は、スマートフォンな
どに使われるイメージセンサー市場の好況のおかげだ。イメージ
センサーは、コンソールゲーム機の「プレイステーション4」と
ともにソニーの業績を牽引する見通しだ。スマートフォン用カメ
ラに使われるイメージセンサーは人の表情など被写体の動きを感
知して撮影できるように助ける。光信号を電子信号に変える技術
だ。微笑を浮かべれば、自動で写真を撮影するのがイメージセン
サー技術の一例だ。 ──ブルームバークの報道より
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ソニーは、アップルのアイフォーンに使われるセンサーを納品
しています。ソニーの2016年の世界市場でのシェアは、売上
額基準で45%。2位のサムスン電子のシェアは18%ですから
圧倒しています。ソニーは、今年ドル当たり円相場が110円水
準を継続するなら、イメージセンサー事業だけで1000億円の
営業利益を出せると見込んでいます。ソニーは、センサーで復活
したといえるでしょう。
センサーそのものについて考えます。工場などにあるセンサー
をその検出方法で分けると、次の5つになります。いささか専門
的な説明になりますが、その特徴を簡単にご紹介します。
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1. 「光」で検出する方式
2.「渦電流」で検出する方式
3. 「接触」で検出する方式
4.「超音波」で検出する方式
5. 「画像」で検出する方式
http://bit.ly/2zmANH4
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1は「光」で検出する方式です。
このタイプのセンサーは「光電センサー」と呼ばれます。光電
センサは、可視光線、赤外線などの「光」を、投光部から発射し
検出物体によって反射する光や、遮光される光量の変化を受光部
で検出し、出力信号を得るのです。
2は「渦電流」で検出する方式です。
このタイプのセンサーは「近接センサー」と呼ばれます。近接
センサーは、リミットスイッチやマイクロスイッチなどの機械式
スイッチにかわるもので、非接触で検出物体が近づいたことを検
出するセンサです。
3は「接触」で検出するセンサーです。
このタイプのセンサーは、「接触式変位センサー」と呼ばれま
す。名前が示す通り、検出体に接触子が直接触れることで位置な
どを測定するセンサです。
4は「超音波」で検出するセンサーです。
このタイプのセンサーは「超音波センサー」と呼ばれます。こ
のセンサーは超音波を使用して距離などを測定するセンサです。
センサヘッドから超音波を発信し、対象物から反射してくる超音
波を再度センサヘッドで受信します。超音波式センサは、発信か
ら受信までの「時間」を計測することで、対象物までの距離を測
定しています。
5は「画像」で検出するセンサーです。
このタイプのセンサーは「画像判別センサー」と呼ばれます。
このセンサーは、カメラで撮影した画像を使用して対象物の有無
や違いを判別するセンサーです。画像検査「システム」と違い、
カメラ/照明/コントローラが一体型であったり、構成や操作が
シンプルです。また、画像という「面」で広くとらえる原理のた
め、対象物の動きが一定でなくても検出可能です。
センサーが注目されるようになったのは、各種センサーから得
られる膨大なデータを解析できるようになったからです。これに
はAI(人工知能)の発達が大きく貢献しています。
これまで家電メーカーは、販売した製品については、サポート
や修理の依頼がない限り、かかわることはなかったのですが、製
品にセンサーを組み込むことによって、それがどのように使われ
現在どのような状態にあるかをリアルタイムで把握できるように
なったのです。これは、あたかも、ユーザーのそばに、アドバイ
ザー、保守要員、セールスパーソン、マーケッターが常駐してい
る状態と同じであるといえます。
このセンサーを活用したビジネスモデルの転換の必要性にいち
早く気づき、事業の転換に成功した企業の代表例として、日本で
は建設建機のコマツ、米国ではGEが上げられます。この変化は
単にメーカーだけでなく、保険業などの金融業にも大きな影響を
もたらしつつあります。EJでは、引き続き、センサーについて
考えていきます。 ──[次世代テクノロジー論/15]
≪画像および関連情報≫
●IoT保守・メンテナンス事例/センサーデータで見える化
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道路、橋梁、トンネル、上下水道などの社会インフラは、
1960年代の高度経済成長期以降に急ピッチで建設されて
きた施設が多く、耐用年数とされる50年を超え、建て替え
の時期を迎えつつあります。国土交通省の試算によると、こ
うした社会インフラの維持管理・更新費用は2030年度に
18兆円に達するとされており、厳しい財政状況の中で、施
設の長寿命化と維持管理コストの低減を実現する新たな施策
の確立が求められています。
企業の抱える生産設備も同様です。グローバルな厳しい企
業間競争に勝つためには、生産ラインを停止させないよう各
種設備の稼働率の向上が重要なテーマとなっています。それ
だけでなく出荷済み製品の継続的な維持管理のための遠隔監
視やオペレーションコストの削減、熟練工のノウハウ伝承な
ども重要性を増してきています。保守・メンテナンス業務に
関わる課題は日本特有のものではなく、海外においても同様
の課題を抱えているのです。
こうした課題解決に向けたアプローチに不可欠なこと。そ
れは、高齢化と、人材不足が懸念される現場管理で熟練者の
「暗黙知」を、いかに「形式知」にしていくかです。という
のも、社会インフラでも生産設備でも、その保守・メンテナ
ンスの現場では、経験を積み重ねた熟練者の知識や技術をも
とにした判断が、リスク回避の意思決定を大きく左右してい
るからです。 http://bit.ly/2xFMhZ5
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CCDイメージセンサー