する必要があります。「STEM」とは何でしょうか。
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S ・・・・・ サイエンス Science 科学
T ・・・・・ テクノロジー Technology 技術
E ・・・・・ エンジニアリング Engineering 工学
M ・・・・・ マセマティクス Mathematics 数学
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最近では「T」と「E」の間に「A」(芸術)を加えて、「S
TEAM」ともいわれますが、これについては後で述べます。
さて、「STEAM」、すなわち「スティーム/蒸気」にちな
んで、蒸気エンジンを使って「STEM」を説明します。科学教
育ライターの金子茂氏の説明です。
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水を熱すれば蒸気になります。これはサイエンス。どのくらい
の水にどのくらいの熱を加えるとどのくらいの蒸気が発生し、蒸
気圧として数値化できるかはマセマティクス。その蒸気圧をエネ
ルギーとして取り出せるかどうかはテクノロジー。エネルギーと
して取り出す具体的な装置として蒸気エンジンを作るのがエンジ
ニアリング。蒸気エンジンひとつをとってみても、4領域が密接
に関連していることが分かります。 http://bit.ly/2nW4c4w
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なぜ、STEM教育が必要なのかというと、2045年に人工
知能が人間の能力を超えるといわれているからです。これは、シ
ンギュラリティといわれています。
これに関して、文部科学大臣補佐官で、東大教授の鈴木寛氏は
投資コンサルティング会社インスパイア代表の成毛真氏との対談
で次のように述べています。
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成毛:日本人の大人にはSTEM教育が足りていなかったという
のが私の結論なのですが、では、子供はどうなのか、文部
科学大臣補佐官のすずかん先生に、それをうかがいたいと
思って今日はやって参りました。
鈴木:今の高校生の大半と中学生以下は2000年以降に生まれ
ており、2100年すぎ、つまり、22世紀まで生きる可
能性が大いにあります。
成毛:22世紀まで生きる人たちにとっては、AIの「シンギュ
ラリティ」(2045年頃にAIが人類を超す技術的特異
点)を迎えるといわれる年は、まだ人生の折り返し地点で
あったり、もっと手前の地点だったりするわけですね。
鈴木:その頃の大人はSTEMを理解していないとなりません。
わかっている人だけがAIを使う側に回り、わかっていな
い人はAIに使われる側に回ります。このことは、その頃
の大人、つまり今の子供たちはよく理解しています。
──成毛真著/SB新書375
『AI時代の人生戦略/「STEAM」が最強の武器である』
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AIを使う側に回るか、それとも使われる側に回るか──それ
を決めるのは、STEMを理解しているかどうかにかかっている
と鈴木寛氏はいうのです。
「分数の計算ができない大学生がいる」ことが話題になったこ
とがあります。私は、あるIT企業の新入社員にICT知識と技
術を教えており、若い人に簡単な計算問題を与えて解かせていま
すが、何でもない計算ができない人が多いのは事実です。分数の
計算どころか、普通の割り算ができない人もいます。
さらに鈴木寛氏は次のことも指摘しています。現在、日本では
一学年は約100万人いて、進学率は50%なので、50万人が
大学に進学します。そのうち約30万人は、一生懸命勉強して大
学に入りますが、残りの20万人は、AO入試とか推薦入試とか
競争のないかたちで進学します。
現在、受験生の最も多い大学のベスト3は、第1位は早稲田大
学、第2位は明治大学、第3位は近畿大学だそうです。どの年も
平均して11万人ぐらいが受験するそうです。これらの大学の受
験料収入は、約11万人が3万5000円を支払うので、38億
5000万円が入ってきます。
その一方で、この3大学のなかには、私学の雄といわれる慶応
義塾大学が入っていません。受験者は約4万人ぐらいなので、順
位が低いのです。どうしてかというと、慶応義塾大学の場合、文
系学部の入試に数学と小論文が出題されるので、多くの受験者か
ら敬遠されています。もちろん国立大学の場合、文系学部にも数
学が出題されることはいうまでありません。数学は、論理的思考
を強くするため不可欠です。そのうち、国が入試に数学を出す私
立大学の助成金を増やす可能性もあります。これからは、数学教
育がとくに不可欠だからです。
同じ文系学部といっても、国立大学の文系学生と数学が出題さ
れない私立大学の文系学生では、正答率に大きな格差が生じてい
ます。なお、成毛氏と鈴木氏は、「STEAM」について、次の
ように話しています。
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鈴木:すでに教育界では、STEMだけでは不十分と考えていて
シンギュラリティ以降は、善と美が人間の仕事として残る
ことを前提とした話をしています。
成毛:つまり、AIに使われるだけの人間にならないためにST
EMは必須だし、AIを利用した仕事をするためには善と
美が理解できないといけない。
鈴木:ですから、「STEM+アートデザイン」が欠かせないの
です。これを「STEAM」と呼ぶ人もいますが、まだ呼
称として確立はしていません。──成毛真著の前掲書より
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──[次世代テクノロジー論/02]
≪画像および関連情報≫
●今から始める科学技術教育/STEM/STEAM
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2015年12月に、株式会社野村総合研究所が発表した
ニュースリリースによると、日本の労働人口の約49%は、
10〜20年後に、人工知能やロボットに取って代わられる
ことになることが明らかになりました。野村総研の他にも人
間の労働がロボットに取って代わられるという指摘は世界中
で多く、今の教育で未来に役立つスキルが本当に身につくの
か、疑問視する声も上がっています。
また近年の技術革新は“第4次産業革命”と呼ばれるほど
めざましく、日々大量のデータが生みだされ、それらを蓄積
・分析し、次の行動に移すための施策が、世界中でとられて
います。今後は私たちの身の回りにあるモノすべてに、イン
ターネットがつながるIoT、仮想空間を体験できるVRな
どの普及が進むとされていて、ビジネスの進み方も、ビッグ
データやロボット、AIを前提としたものに変化していきま
す。こうした時代に、テクノロジーにまつわる教育を行うべ
きと言われるのは必然の流れですね。
しかし、こうしたテクノロジーを重視した時代に「アート+
デザイン(芸術)」を加えた「STEAM」が注目されてき
ています。さまざまな業界で革新的な取組を行うためには、
科学だけではなく、人間の感情や感覚についても学ぶべきと
いう流れが生まれてきたからです。高度な技術開発と、未だ
不確実な要素を多くもつ人間についての研究が、これからま
すます進められていくでしょう。 http://bit.ly/2fJym92
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鈴木寛文部科学大臣補佐官