ソをいくつもついています。一級建築士の水谷和子氏は、そのな
かでも、最も許せない、犯罪性の高いウソをいくつか指摘してい
ますが、そのウソを取り上げることにします。
2006年11月10日のことです。その日、東京都は、不動
産鑑定士らでつくる財産価格審議会(財価審)に対して、豊洲市
場予定地の売買価格が適正であるかどうかを審議してもらうため
の議案書を提出しています。その議案書には、次のように記述さ
れていたのです。
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土壌汚染が発見された場合には、従前の所有者(仮換地前の所
有者:東京ガス[株])が処理対策を実施することになっている
ため、土壌汚染は存しない更地として評価する。なお、土壌汚染
調査の結果、(中略)汚染物質(シアン化合物、ベンゼンなど)
の存在が判明したが、既に条例に基づく適切な処理対策が実施さ
れ、その作業は完了しており、現在汚染物質は存在しない。
──永尾俊彦著/岩波ブックレット/968
「ルポどうなる?どうする?築地市場/みんなの市場をつくる」
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土地の売買の場合、売却前はもちろんのこと、売却後であって
も、土地から汚染物質などが出た場合は、売り主が責任を持って
処置をすることはすべての不動産取引の常識になっています。
豊洲の土地の場合、売主の東京ガスは、都の環境確保条例にし
たがって土壌汚染除去の処理を行い、完了届を提出しています。
したがって、現在汚染物質は存在しない状態なので、時価で購入
したものであると議案書には記述されています。この議案書につ
いて都の財産価格審議会は、豊洲の土地の売買価格は適正なもの
として承認しています。
しかし、既に述べているように、都の環境確保条例は、土壌汚
染に対して厳格な処置を求める土壌汚染対策法(土対法)に先ん
じて都が制定した条例であり、土対法よりもゆるい土壌汚染対策
になっています。まるで、東京ガスのために制定した条約のよう
なものです。なぜなら、土対法の少し前に、都の環境確保条例は
制定されているからです。
この議案書については、2010年11月16日の都議会経済
・港湾委員会で、民主党の伊藤ゆう都議が塩見清仁中央卸売市場
監理部長に質問しています。
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伊藤:土壌汚染については、「土壌汚染物質が発見された場
合には」ですから、新たに発見された場合には東京ガ
スが処理対策を実施することになっていますと、普通
の人はこう読むんじゃないですか。
塩見:この評価条件を読む限りにおいては、そういったこと
を一概にいえるということでも、いえないということ
でもない。つまりこれからそういうことが読めない。
(速記録) ──永尾俊彦著の前掲書より
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上記の塩見中央卸売市場管理部長の答弁は、何をいっているの
かさっぱりわかりません。いかにも尻尾をつかませない官僚答弁
の典型であるといえます。
2007年6月21日の都議会経済・港湾委員会で、民主党の
大沢昇都議は、後藤正新市場建設調整担当部長に次の質問をして
います。やり取りを再現します。
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大沢:もし都の調査で新たな汚染が見つかったら、誰が処理
し、費用を負担するのか。
後藤:豊洲新市場予定地における汚染物質の処理等につきま
しては、汚染原因者(東ガス)の負担でございます。
したがいまして、東京都は平成17(2005)年5
月、東京ガス株式会社との間で処理基準(環境基準)
を超える操業由来の汚染土壌について、同社が適切に
処理を行うという内容の確認書を取り交わしておりま
す。(速記録) ──永尾俊彦著の前掲書より
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しかし、東京都と東京ガスの契約書には「瑕疵担保条項」はな
く、契約後に土地から新たな汚染物質が出てきても──実際に何
回も出てきているが──東京ガスはいっさい負担する義務はない
のです。そうであるとすると、東京都は民主党の大沢都議の質問
に対して、明白なウソをついたことになります。
東京中央卸売市場労働組合委員長の中澤誠氏は、「土壌ロンダ
リング」という言葉を使っています。汚い土地が東京都が制定し
た条例を通過させると、キレイな土地に変身するマジックのよう
だと皮肉っているのです。中澤誠氏の主張です。
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東中労の中澤誠委員長は、汚染された土地が条例を通せば、法
令上はキレイな土地になる手品のような手法を「土壌ロンダリン
グ」と呼ぶ。麻薬売買など犯罪で得た金を、口座に移し替えて資
金の出所や受取人を分からなくするマネーロンダリング(資金洗
浄)になぞらえた造語だ。「市場が汚したんじゃない。東ガスが
汚したのに、何で市場がキレイにしなきゃなんないの」。
2013年9月7日、東中労などが呼びかけて、久しぶりに移
転反対のデモが行われ、約400人が参加した。「ええじゃない
か。ええじゃないか。築地市場がええじゃないか。豊洲市場はダ
メじゃないか」。ドラムのリズムにあわせ、口々に唱和しながら
銀座周辺を練り歩いた。かつて水産仲卸が中心だった移転反対運
動は、水谷さんら市民有志や東中労の他、食の安全を心配する消
費者団体や女性団体がになうようになっていく。
──永尾俊彦著の前掲書より
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──[中央卸売市場論/036]
≪画像および関連情報≫
●豊洲新市場の土地売却の真相/ジャーナリスト松崎隆司氏
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東京都議会の議会運営委員会は2月20日の理事会で、築
地市場の移転先としている豊洲新市場(江東区、東京ガス工
場跡地)をめぐる問題を解明するため、地方自治法100条
にもとづく調査特別委員会(百条委員会)を設置することで
合意。石原慎太郎元都知事や岡本毅東京ガス会長ら19人の
証人喚問を決めた。筆者は1月18日に東京ガスに対して、
都への土地売却の経緯について公開質問状を提出していた。
その内容について公開する。
――豊洲用地について、いつ頃にどういう経緯で東京都に売
却したのか。
東京ガス:もともと弊社は、弊社豊洲用地について独自に同
用地の開発計画(商業、オフィス、住居等を念頭に置いた開
発プラン)を立案し、開発案件の誘致に着手するとともに、
具体的な取組みを推進しておりました。そのような中、東京
都は、当初の築地市場における現在地再整備計画を方針転換
し、1999年11月、弊社に対して、築地市場の豊洲地区
(埠頭先端部)への移転、すなわち弊社豊洲用地の東京都へ
の譲渡を打診してきました。弊社は東京都に対し、独自の開
発計画が先行していることを説明し、市場移転先を東京都所
有地のある埠頭根元とする事への再考のお願いと、併せて東
京都に対し、後記の弊社が独自に実施した弊社豊洲用地の土
壌汚染調査の結果を報告しております。
http://bit.ly/2wbBcx5
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中澤誠東中労委員長


