場の食品を扱うすべての建物の地下が「地下空間」になっている
事実を東京都がはじめて認めた日です。
事態を重大視した日本共産党都議団は、東京都に対し、現地視
察を申し入れ、9月7日に豊洲7街区の水産卸売棟地下の視察が
認められます。そのとき共産党都議団が目にしたのは、建物の地
下に広がる空間と、床一面に相当量の水が溜まっている光景だっ
たのです。その敷地は2メートルの新しい土の上に2・5メート
ルの盛り土で固められているはずだっのです。
小池知事は、9月10日の土曜日に緊急記者会見を開き、衝撃
の事実を明らかにします。このときの記者会見のニュースのひと
つを再現します。
─────────────────────────────
9月10日午後5時から開かれたの緊急会見の中で小池知事は
東京都が、敷地全体に行ったと説明してきた盛り土について、実
際には水産卸売場など主要な建物の地下では、行われていなかっ
たことを明らかにした。その上で「青果棟、水産棟などにおいて
4・5メートルの盛り土が、行われていなかったのではないかと
いった疑問が出てきた」とした上で、建物の下が空間になってい
て盛り土がない状態になっていたと説明した。「『全てが盛り土
がされている』というのは、現状において正しくないということ
で、ここで訂正したい」と表明。都のこれまでの説明に、問題が
あったという認識を示した。 http://bit.ly/2fEQ5Bs
─────────────────────────────
翌日から各テレビ局のワイドショーはこのニュースを大々的に
取り上げ、豊洲新市場の地下がどのようになっているかについて
模型などを使って、連日報道が行われたのです。
そもそも「盛り土」とは、どのような目的で、行われることに
なっていたかについて、8月10日のEJ第4581号で説明し
た専門家会議の結論を再現します。
─────────────────────────────
1.東京ガスの工場のあった旧地盤面から2メートルの土を
入れ替え、その上に2・5メートルの盛り土をする。
2.地下水管理システムを設計・構築し、汚染地下水が上昇
して盛り土を再汚染しないようにコントロールする。
─────────────────────────────
このとき石原都政では、石原知事自身の考え方なのか、知事の
スタッフの知恵なのかはわかりませんが、実に巧妙な「科学的根
拠」づくりの仕組みをつくっていたのです。それは、専門家会議
の解散直後に「技術会議」を設置したことです。この会議の目的
は、専門家会議で提言されたものを具体化することです。
しかし、この技術会議は、座長はロボット工学の権威である原
島文雄東京電機大学教授であることはわかっていますが、他のス
タッフは一切非公開です。したがって、誰がどのように発言し、
何を決定し、何をしなかったかは明らかにされないのです。
そのため、専門家会議で提言されたことでも、その具体化が行
われるプロセスで技術会議で変更されてしまうことは十分あり得
ることです。仮に専門家会議の提言をそのまま実行すると膨大な
資金がかかるので、一部を実施しないで、価格を下げるようなこ
ともやっています。このように、スタッフも内容も非公開であれ
ば、何をされても都民にはわからないのです。
さて、専門家会議の豊洲新市場の土壌汚染対策は、東京ガス工
場時代の地表面から2メートルの地下の土はすべてきれいな土に
入れ替え、その上に2・5メートルの盛り土をする──すなわち
4・5メートルの土を盛るというのが1つ目の柱です。
それに加えて、汚染地下水が上昇して盛り土を再汚染させない
ため、地下水をAP(水位基準)2メートル以下に制御し、管理
する地下水管理システムを設置します。これが2つ目の柱です。
この2つがうまく機能すれば、土壌汚染は防げるというのが、専
門家会議の提言です。
問題は、その提言を技術会議がどのようにして具体化したのか
についてはまったく不明なことです。しかし、これら2つの柱の
うち、建物の下にあるべきはずの盛り土はなく、地下空間がポカ
リと空いて、水がたまっていたのです。どうしてこのようになっ
てしまったのでしょうか。
地下水管理システムの設計を請け負ったのは、日水コン(本社
東京/野村喜一社長)ですが、東京都に次の2つの設計報告書を
提出しています。
─────────────────────────────
1.詳細設計報告書/2014年3月
2.修正設計報告書/2015年3月
─────────────────────────────
これら2つの報告書には「地下水管理システムの概要」と題し
た概念図が掲載されているのですが、この図には盛り土がなく、
地下空間が描かれています。なお、このシステムに関しては、東
京都の中央卸売市場の土壌汚染を所管する土木部門、システムの
設計監理を行う建設部門の担当になっています。
したがって、これら2つの部門の担当者は、報告書を見ている
はずであり、盛り土のないことは最初から知っていたはずです。
しかし、小池知事に提出するためにまとめた「第1次自己検証報
告書」では、建設部門は知っていたが、土木部門は知らなかった
と記述しています。明らかに土木部門はウソをついています。
もうひとつ不可解なことがあります。「土壌汚染対策工事と地
下水管理に関する協議会」という卸や仲卸など市場関係者と情報
交換する協議会があります。こ協議会にも「詳細設計報告書」は
配付されていますが、概念図に関しては盛り土がちゃんと載って
いるのです。つまり、東京都は市場関係者に関しては、盛り土が
あることにしていたのです。東京都の担当部署は、市場関係者に
対し、明らかにウソをついてきたことになります。
──[中央卸売市場論/032]
≪画像および関連情報≫
●豊洲問題で都が技術会議録の改竄疑惑?
───────────────────────────
今朝、たまたま『モーニングバード』という、羽鳥さんの
やってるモーニングショーを見てたら、スクープということ
で、都がHP上の会議録を9月16日になって追加資料を掲
載していた、ということが明らかになったそうだ。また、毎
日新聞も同様の改竄疑惑を報じている。
東京都が盛り土問題発覚後の9月16日に、盛り土の工法
を検討した「技術会議」の会議録に「『建物下に作業空間を
確保する必要がある』と提言を受けた」との資料を追加し、
公表していたことが分かった。技術会議の複数の元委員は、
毎日新聞の取材に「作業空間をつくる認識はなかった」と証
言しており、都が会議録を改ざんした可能性もある。
都が追加したのはホームページ(HP)上に掲載されてい
る第9回技術会議(2008年12月25日開催)の「技術
会議が独自に提案した事項」との資料。資料では汚染物質の
除去・地下水浄化の確認方法として「地下水から基準値を超
える汚染物質が検出された場合、浄化できるように建物下に
作業空間を確保する必要がある」と記載されている。
追加掲載に当たって、都は一部の委員に「会議録に詳細な
資料を追加する」と連絡したが、資料の内容は説明しなかっ
たという。毎日新聞のこれまでの取材に、委員を務めた根本
祐二氏や川田誠一氏は「盛り土をするという前提で議論して
いた。技術会議では、空洞をつくるという話にはなっていな
い」と証言している。 http://bit.ly/2uCs84x
───────────────────────────
●図形出典/赤旗編集局著/日本共産党東京都議団監修「徹底
追及【築地市場の】豊洲移転」/新日本出版社
豊洲新市場の地下の状況


