能性」は、30日に終了し、7月3日からのEJは、新しいスタ
イルでお届けする予定です。
6月29日〜30日、韓国の文在寅大統領はホワイトハウスを
訪れ、トランプ大統領と会談します。しかし、この米韓首脳会談
は難問山積であり、決裂することはないと思われますが、結果し
だいでは、米韓関係に亀裂が入る恐れがあります。これは日本に
も大きな影響があります。
韓国についての辛口評論家として知られる室谷克実氏は、文在
寅大統領について次のようにいったことがあります。
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文在寅大統領は、表向きに発言していることと、実際にやっ
ていることとは違うことが多い。 ──室谷克実氏
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実際に大統領に当選してからの43日、文在寅大統領の言動に
は、室谷克実氏のいう通りのことが起きています。それは米韓関
係に影響を与えることが多いのです。現在、韓国の文在寅政権と
米国のトランプ政権との間には次の2つの問題があります。
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1.THAAD配備トラブル
2.韓国高官による問題発言
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1は「THAAD配備トラブル」です。
THAADの在韓米軍配備地に関しては、前政権との約定に基
づいて、小規模な環境影響評価が進められ、今月中に終了する予
定だったのです。
ところが、文在寅政権は、法令に基づいて環境影響評価を出す
べきであり、それには1年程度かかると主張したのです。これに
対してトランプ政権は強く反発します。これを受けて6月8日、
トランプ政権は、マティス国防長官やティラーソン国務長官を集
めて緊急会議を行っています。米メディアのなかにはこの動きを
「米韓同盟の危機」と報じたところもあります。そこで何が議論
されたかについては明らかになっていませんが、今後の米韓関係
について、真剣に話し合われたと考えられます。
この会議について国際政治学者の藤井厳喜氏は、次のように述
べています。
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このままいくと、北朝鮮に「超太陽政策」を取っている文氏の
望む通り、THAADが配備されない事態となりかねない。米韓
同盟は存亡の危機に立っており、トランプ氏は米韓首脳会談に向
けた対応策を協議したのだろう。トランプ政権は、今後「在韓米
軍削減」や「THAADの韓国外での配備を含めた厳しい処置を
文政権に突きつけるのではないか。
──2017年6月9日発行「夕刊フジ」
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ただ、トランプ政権は、この問題に関して、トーマス・シャノ
ン国務次官を6月13日〜15日に韓国に派遣したのです。その
交渉結果についても公表されていませんが、米韓首脳会談で話し
合われることになるはずです。
米国の政府関係者は「文政権についてトランプ政権は愛想を尽
かしつつある」といい、次のように述べています。
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韓国が北朝鮮制裁の「抜け穴」となるようであれば、トランプ
政権は看過できず、米韓関係は取り返しがつかないことになるだ
ろう。米韓関係が冷え込めば、在韓米軍関係者や韓国滞在の米国
人は脱出を急ぐ。これは、米軍による北朝鮮攻撃のハードルを一
気に下げるだろう。──2017年6月12日発行「夕刊フジ」
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2は「韓国高官による問題発言」です。
「THAAD配備トラブル」で米トランプ政権の怒りというか
緊張が伝わっているはずの文在寅大統領の外交・安全保障特別補
佐官/文正仁氏は、6月20日訪米し、そこでの発言が波紋を広
げています。韓国聯合ニュースの報道です。
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韓国・聯合ニュースによると、朝鮮半島の南北統一と外交・安
全保障を担当している文正仁(ムン・ジョンイン)特別補佐官は
16日、ワシントンにおいて、北朝鮮が核開発や弾道ミサイルの
実験を中止すれば、韓国は米国と協議し、在韓米軍の戦略兵器の
削減や米韓合同軍事訓練の規模を縮小させてもいいと発言した。
韓国大統領府は「文特別補佐官の個人的な見方による発言」だ
とし、政府の公式見解ではないとコメントしたが、文特別補佐官
の発言は米国の「核放棄が絶対的な前提条件」とする主張とは明
らかに食い違うものであり、韓国国内では米韓同盟の今後にマイ
ナス影響が生じることを懸念する声が上がっている。また、文特
別補佐官は米国通とされる人物ではあるが、「在韓米軍だろうと
韓国大統領だろうと、韓国の法律を上回ることはできない。もし
文在寅大統領が法を犯せば、弾劾の対象になり得る」と語るなど
問題発言をたびたび行っている。韓国の専門家の中には、こうし
た発言は米韓首脳会談を見込んだ高度な交渉戦略ではないかとの
見方もあるという。 http://bit.ly/2tUZBCd
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この特別補佐官の発言は、個人的見解では済まないものであり
確信犯的発言です。上記の「米韓首脳会談を見込んだ高度な交渉
戦略」の可能性も十分あります。それほど、韓国の文政権は北朝
鮮一辺倒の政権なのです。
この発言が原因で、米韓関係が崩れたとしたら、北朝鮮や中国
は、拍手喝采するでしよう。心配なのは、これによって、北朝鮮
への攻撃のハードルが一気に下がることです。米軍はソウルを気
にせず、一気に攻撃に移る可能性があります。
──[米中戦争の可能性/119]
≪画像および関連情報≫
●THAADに続いて文正仁大統領補佐官/冷めたワシントン
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首脳会談を10日後に控えて韓米関係が前例がないほどの
異常気流に包まれている。核心は韓国新政権に対する米国の
「不信感」だ。16日(現地時間)に文正仁(ムン・ジョン
イン)大統領統一・外交・安保特別補佐官がワシントンでし
た発言が大きな波紋を呼んだ。文特別補佐官は「文在寅(ム
ン・ジェイン)大統領が2つのことを提案したが、一つは北
が核・ミサイル活動を中断すれば米国との議論を通じて韓米
合同軍事訓練を縮小できるということだ。私の考えでは、文
大統領は韓半島(朝鮮半島)への米国の戦略武器展開を縮小
することも念頭に置いている」と述べた。東アジア財団と、
ウッドロー・ウィルソンセンターが共同で主催したセミナー
でだ。セミナーでの発言後、文特別補佐官は特派員懇談会で
文大統領の条件のない南北対話提案に対する米国の反対に言
及しながら、「北が非核化しなければ対話をしないというの
を我々がどのように受け入れるのか」とし「南北対話は朝米
対話と条件を合わせる必要はない」とも述べた。
米国の反応は冷たかった。国務省のエドワーズ報道官(東
アジア・太平洋担当)は17日(現地時間)、文特別補佐官
の発言に対する中央日報側の質問に「私たちはミスター文の
個人の見解と見ている」とし「韓国政府の公式政策が反映さ
れていないはずだ。韓国政府に確かめてほしい」と答えた。
http://bit.ly/2sXjQlH
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韓国/文在寅大統領