2017年06月01日

●「ラガルド理事はなぜ親中国なのか」(EJ第4532号)

 そもそもIMF(国際通貨基金)は、なぜ中国をSDRに加え
たのでしょうか。人民元がSDRの構成通貨になると、人民元は
自由な市場で取引され、価格が自由に変動する変動相場制へ移行
するのが前提とならなければならないはずです。なぜなら、そう
でなければ、とても国際通貨とはいえないからです。
 しかし、そうではないのです。中国は変動相場制には移行せず
中国の事情による「管理された変動相場制」のままです。人民元
がSDRに採用された直後の2015年12月1日、中国人民銀
行(中央銀行)の易網副総裁は、記者会見で、記者からの「為替
レートは市場に任せるのか」の問いに次のように答えています。
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 われわれの長期にわたる目標は、変動相場制への移行である。
その目標が実現する頃には、為替介入はほとんどなくなっている
だろう。ただし、われわれが現在採用しているのは、管理された
変動相場制であり、市場の安定化のためには、ある程度の介入は
行う。IMFは、われわれの為替レート形成のメカニズムを変え
ることまでは求めていない。  ──中国人民銀行・易網副総裁
      ──高橋洋一著/『中国GDPの大嘘』/講談社刊
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 誰が考えても人民元のSDRの構成通貨入りは時期尚早です。
しかし、それを主導したのはIMFのラガルド専務理事です。ラ
ガルド氏は、2007年6月からフランスのフィヨン内閣の財務
相を務めていたのですが、2011年6月28日、前任者ストロ
スカーン氏の不祥事による辞任を受けて、IMF専務理事に就任
したのです。女性としてはじめてのIMFの専務理事です。
 ラガルド専務理事はその後中国への傾斜を一層強めます。中国
としては、SDR入りを目指しているので、ラガルド専務理事に
に接近し、取り入ったことは確かです。それは近藤大介氏の本の
次の一節でもよくわかります。
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 2015年10月1日から一週間の国慶節(建国記念日)の連
休中、中国メディアは連日、「入籠/ルーラン」の吉報を大々的
に伝えた。「入籠」とは、文字通り「籠」(通貨バスケット)に
入る」、すなわち中国が、IMF(国際通貨基金)でSDR(特
別引出権)を獲得し、国際通貨となったことを意味する。人民元
を国際通貨にすることは、中国の長年の悲願だった。
 9月30日、IMFのラガルド専務理事は、わざわざチャイナ
ドレスを身にまとって会見。「入籠」について、「世界にとって
歴史的な日であり祝福したい」と述べた。(中国中央電視台)
                  ──近藤大介著/講談社
     『活中論/巨大化&混迷化の中国と日本のチャンス』
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 しかし、中国人民元はSDR入りした後、まるで坂から転げ落
ちるように下落を続けたのです。2016年の人民元の対ドルの
下落率は6%超となり、これは、大規模な切り下げのあった19
94年以来の大きさになったのです。これについて、近藤大介氏
は、次のように述べています。
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 人民元の下落も止まらない。2016年の為替レートは1ドル
6・4895元か6・9429元まで下落し、2017年は「1
ドル7元時代」を迎える可能性が出てきた。日本では円安になる
と、輸出産業が伸びる上、株高になって景気が回復すると思いが
ちだが、新興国の中国では、元安は資金流出と、それに伴う経済
の「底抜け」を意味する。    ──近藤大介著の前掲書より
─────────────────────────────
 この人民元の下落は中国が一番恐れていたことです。そこで中
国は人民元の流出を防ぐために、資本規制を強めたのです。その
資本規制は現在でも続いており、中国進出企業に大きなダメージ
を与えています。
 それは、中国に進出している日本をはじめとする外国の企業が
人民元で得た利益を自国に持ち出すことができないからです。こ
れでは人民元はとても国際通貨といえないのです。経済の専門家
であるはずのラガルド氏が、そのようなことがわからないはずは
ないのです。それにもかかわらず、ラガルド専務理事は、なぜ中
国に肩入れしたのでしょうか。
 それは、ラガルド氏には政治的な思惑があったからです。ラガ
ルド氏はフィヨン内閣の財務相時代のことで、裁判沙汰を抱えて
いたからです。裁判はラガルド氏にとって不利な状況であり、裁
判結果によっては、IMF専務理事のポストの再任も難しくなる
可能性があったのです。
 ラガルド専務理事の任期は、2016年7月までであり、次期
専務理事のポストを確保するためには、中国の協力は不可欠だっ
たのです。中国は人民元のSDR入りの尽力者であるラガルド氏
の支持を早くから表明しており、ラガルド氏は問題なく専務理事
に再任されたのです。
 しかし、裁判については、2016年12月19日に次の判決
が出たのです。有罪なのに刑罰免除の判決です。
─────────────────────────────
【パリ時事】国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が、フ
ランス財務相時代に担当した損害賠償訴訟の調停が職務怠慢に当
たるかが争われた公判で、パリの共和国法院(閣僚の事件を扱う
裁判所)は2016年12月19日、専務理事を有罪とする一方
刑罰は免除する判決を言い渡した。専務理事は財務相当時の20
08年、仏実業家が政府系金融機関に対して起こした損害賠償訴
訟で、政府側代表として調停に参加。捜査当局は、国庫から実業
家に支払われた約4億ユーロ(約490億円)の和解金が過度に
高額だったと判断し、専務理事の怠慢によって支払額が膨らんだ
と主張した。             http://bit.ly/2rn3uSp
─────────────────────────────
             ──[米中戦争の可能性/102]

≪画像および関連情報≫
 ●「人民元、SDR入り」で何が変わるのか/福島香織氏
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   IMFの加盟国に対し、出資額に比して配られ、通貨危機
  に陥った際には外貨に交換できる仮想通貨「SDR」。従来
  は米ドル、ユーロ、円、英ポンドが構成通貨であったが、こ
  こに5番目の通貨として人民元が加わることになった。構成
  比率はドル、ユーロに続く10・92%で日本の8・33%
  を上回る。現実にはSDR入りしたからといって、各国中央
  銀行がすぐ外貨準備高として人民元保有を増やすようになる
  とか、人民元に対する信用が一気に上昇するというわけでは
  ないだろう。なぜなら、人民元は今なお、制限なく自由に外
  貨と兌換できる通貨ではないし、その相場は市場原理ではな
  く政府の介入によってなんとか安定しているからだ。
   米国はこれまでも、たびたび、中国を為替操作国と批判し
  てきた。大統領選共和党候補のトランプ氏は、当選の暁には
  中国を為替操作国認定する、と言明している。SDR通貨は
  5年に一度見直され、その時、もし資格がないと判断されれ
  ば、SDRから外される可能性もある。今後5年の間で、人
  民元が市場化されるのか。本当に自由化されるのかによって
  も、影響力は変わってくる。一方、自由化市場についてあま
  り肯定的な姿勢ではない習近平政権にとっては、政治的な意
  味が大きい。人民元の国際通貨の仲間入りを政権として実現
  させた。ちなみに中国が長年、人民元のSDR入りに拘り続
  けてきたのは、米ドル基軸体制を切り崩し、人民元こそが国
  際基軸通貨として世界金融を支配するという遠大な野望の第
  一歩という位置づけだからだ。  http://nkbp.jp/2rmXhWU
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有罪判決を受けたラガルドIMF専務理事.jpg
有罪判決を受けたラガルドIMF専務理事
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
厚生労働省『自殺対策白書』(2017年)によれば、G7各国の若者の死因を比べると、日本国の若年層(15〜34歳)の死因の第1位は自殺で、事故等を含む死亡率も、他国の2〜4倍と高い。 

そして、誰一人として明確に指摘しないが、自殺の原因は「日本国籍朝鮮人」の社会的影響力の増大にある。 

社会的影響力の増大は、ブラック企業・朝鮮総連・韓国民団・朝鮮大学校・中国NPO・朝日新聞・・・など、反日左翼の諸活動を通じて行われ、また、政府・与党内の野田毅(1941〜)のごとく、超緊縮財政を行い、消費税増税を進め、アベノミクスを後退させ、「反アベノミクスの会」を立ち上げた親中派の「日本国籍朝鮮人」議員の働きによる。 

議員・公務員・メディア関係者の反国家的・反政府的・反社会的な言動の動機を調べ、『日本人に成り済ました「日本国籍朝鮮人」であるか否か』を識別し、生きる希望に満ち溢れた、善良な日本社会の構築を急ぎましょう!

TBSニュース
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3066211.html?from_newsr

ダイヤモンド
http://diamond.jp/articles/-/29315
Posted by 中韓=日本人の自殺原因 at 2017年06月01日 14:16
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