2017年04月20日

●「イプシロンは弾道ミサイル化可能」(EJ第4505号)

 4月16日に北朝鮮はミサイルを発射しましたが、数秒後に落
下しています。米軍が朝鮮半島付近に艦艇を集結させるなかでの
まさかのミサイル発射であり、金正恩委員長の大胆なチキンゲー
ムの一環です。
 この北朝鮮の行動に対して、マクマスター大統領補佐官は次の
ようなメッセージを出しています。
─────────────────────────────
 今回の弾道ミサイル発射は、挑発的で脅迫的な北朝鮮の行動パ
ターンの一環である。アメリカは今こそ武力行使に至らないよう
あらゆる行動を取り、平和的解決に努める。
               ──マクマスター大統領補佐官
                   http://bit.ly/2oOITFA
─────────────────────────────
 あれほど強気なトランプ大統領の発言からすると、このマクマ
スター大統領補佐官の発言は、何となく米国は一歩引いた感じが
します。やはり、核兵器を保有していると、米国といえども慎重
にならざるを得ないのでしょうか。
 トランプ政権は、中国に圧力をかけて北朝鮮問題を解決しよう
としていますが、この方法では、北朝鮮問題は解決しないと考え
ます。なぜなら、中国にとって北朝鮮は地政学上必要な国である
からです。平和的解決などと称して、手ぬるい解決を図ろうとす
ると、今度こそ米国に確実に届くICBMが完成し、結局北朝鮮
を核保有国として認めることになってしまいます。もし、そうい
う方向に行くのであれば、日本も安全保障上核兵器の保有を検討
せざるを得なくなります。
 日本の核武装問題の検討を続けます。日本はその気になれば、
短時間で核兵器が作れることは既に説明しましたが、さらに一歩
進めて考えてみます。
 米国は、日本が核兵器を持つことを絶対に許さないでしょうし
ニュークリアシェアリングも認めないと思います。米国にとって
日本の核武装は最大の脅威であると考えているからです。それに
日本は、世界唯一の被爆国であり、国民に核アレルギーが強いの
で、たとえそれが専守防衛の安全保障のためであっても、核保有
が実現するハードルは高いのです。
 それでは、どうすればよいでしょうか。解決のヒントになるの
は、木走正水氏のレポートです。木走氏のレポートをまとめると
次のようになります。
─────────────────────────────
 1.日本の持てる技術を結集して、一朝ことがあったときは
   短時間で核兵器を持てるようにする。
 2.プルトニュウム抜きの核弾頭を300発以上製造してお
   き、必要なとき一挙に核兵器化する。
 3.日本独自の固体燃料ロケット「イプシロン」の技術を向
   上させ、弾道ミサイル化し量産する。
─────────────────────────────
 日本が「一朝ことがあったときは短時間で核兵器を持てる」の
であれば、それは一定の抑止力になります。中国の楊承軍教授の
論文はそのことを警戒して書いています。そうであるとしたら、
それを意識的にもっと対外的に強調し、PRすればよいのです。
そうであれば、核兵器を持っていなくても、持っていることとあ
まり変わらなくなります。これが「1」です。
 核兵器を持つには、核を小型化し、弾頭化することが必要にな
ることと、それを運ぶロケット技術が必要です。このうち核の小
型化に関しては日本は十分な技術を有しています。木走正水氏は
これについて、次のように述べています。
─────────────────────────────
 いずれにしても日本の有する技術力をもってすれば、核爆弾を
持つという国民の総意・意思が固まれば、それは早期に実現可能
であろうと思われます。
 さてエントリーして思いついたのですが、安全保障上のカード
として、また現憲法に抵触しない範囲で何か可能なことはないの
かという意味でこんなのはいかがでしょうか。
 製造技術を確立してプルトニウム抜きの核爆弾を300発ほど
保有する。そしてイプシロンを改良して弾道ミサイルも同数量産
しておく。プルトニウムが入っていませんから、爆発もしないし
兵器ではないことになります。で、日本を怒らしたら、いつでも
瞬時にプルトニウムを挿入できるぞ、という脅しになります。
 「日本がその気になれば核ミサイルはすぐに保有できる」、こ
の事実だけでも安全保障上の有効なカードとなると思います。読
者の皆さんはどうお考えでしょうか。  http://bit.ly/2aXNY4y
─────────────────────────────
 「プルトニウム抜きの核爆弾」が技術的には可能でも、許され
るかどうかはわかりませんが、不可能ではないと思います。これ
が「2」です。
 「3」は「イプシロン」についてです。これは、国産の固体燃
料用のロケットで、世界に冠たる技術を持つロケットです。その
1号機は、2013年9月に打ち上げられましたが、あくまで試
験機で、ロケット自体よりも打ち上げシステムの改革に重点が置
かれたのです。そして、3年後の2016年12月に2号機の打
ち上げに成功します。日刊工業新聞の記事です。
─────────────────────────────
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月20日に小型固体
燃料ロケット「イプシロン」2号機を内之浦宇宙空間観測所(鹿
児島県肝付町)から打ち上げる。機体と運用、設備からなる打ち
上げシステム全体を1号機より効率化した。ただ、機能を強化し
ても打ち上げコストは同等に抑えることに成功した。効率的で低
コストなロケット技術の開発が進むことで国際競争力の向上が期
待される。(冨井哲雄)        http://bit.ly/2oOTyQi
─────────────────────────────
             ──[米中戦争の可能性/075]

≪画像および関連情報≫
 ●イプシロン2号機の成功と「国防上のブラフ」効果
  ───────────────────────────
   宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12月20日午後
  8時、ジオスペース探査衛星「ERG」を搭載したイプシロ
  ンロケット2号機を打ち上げた。打ち上げは成功し、打ち上
  げ後13分27秒でERGを予定の軌道に投入した。成功後
  ERGは「あらせ」と命名された。
   イプシロン2号機は「強化型イプシロン」という名称を持
  つ。2013年9月14日に打ち上げた初号機と比較すると
  第2段の強化により、地球を南北に回る太陽同期極軌道への
  打ち上げ能力が、450キログラムから590キログラムに
  増強されている。打ち上げ後の記者会見でプロジェクト・マ
  ネージャーを務める森田泰弘JAXA・宇宙科学研究所教授
  は「試験機であったイプシロン初号機の段階では、自分の抱
  く自信には精神論的な部分が大きかった。が、今回の強化型
  イプシロンを予定日に打ち上げできたことで、精神論ではな
  く、物理的に『確実に打ち上げることができる』という自信
  を持った」と述べた。
   2号機の後もイプシロンの開発は続く。3号機では衛星を
  より正確な軌道に投入する「ポスト・ブースト・ステージ」
  という液体エンジンの小推力の段と、分離時に衛星に与える
  衝撃が小さい衛星分離機構が搭載される。この3号機で強化
  型イプシロンの開発は終了し、当面は完成した強化型イプシ
  ロンの打ち上げが続く事になる。 http://nkbp.jp/2ohT2Yg
  ───────────────────────────

「イプシロン」2号機打ち上げ成功.jpg
「イプシロン」2号機打ち上げ成功
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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