2017年04月05日

●「2・28/中国は何を仕掛けたか」(EJ第4494号)

 中国研究家の遠藤誉氏が奇妙な一致を指摘しています。具体的
にいうと、2017年2月28日に中国を中心に起きた出来事に
ついてです。どのような出来事なのでしょうか。
 この日、韓国の政変によって配備が前倒しされたTHAADの
配備予定地の契約を韓国国防部とロッテ側が行ったのです。これ
によって、中国にあるロッテのスーパーに対して、政府主導の大
規模な不買運動が起きていることは既に述べた通りです。
 同じ2月28日、北朝鮮の李吉成外務次官を団長とする北朝鮮
の外務省代表団が北京に到着しています。王毅外相や劉振民外務
次官らと会談を行うためです。中国が招いたのです。
 金正男殺害事件があってからというもの、中国は表面上は北朝
鮮側にも、マレーシア側にも中立の立場を取り続けていたのです
が、どうしてこの時期に北朝鮮代表団を受け入れたのか、遠藤氏
は疑問があるといっています。
 さらにその同じ28日に、別の北朝鮮外交団がマレーシアにも
行っているのです。なぜ、同じ28日に行ったのかについて、遠
藤誉氏は、次のように述べています。
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 北朝鮮は同じ日に中国とマレーシアを同時訪問することによっ
て、マレーシアに圧力を掛けているものと、解釈することができ
る。中国のTHAADに対する強烈な抗議という「弱みにつけ込
んだ」実に巧みな外交攻勢だ。
 マレーシア訪問の目的を、北朝鮮代表団は「遺体の引き渡し」
「朝鮮籍公民の身柄引き渡し」および「北朝鮮・マレーシア両国
の友好発展」と述べているが、マレーシアが北朝鮮と国交断絶を
するかもしれないという危機への警戒感が最優先しているものと
言っていいだろう。そのためにマレーシアよりは「大国」とみな
されるであろう「中国」を選び、同時訪問を果たしたものと解釈
する。         ──遠藤誉氏 http://bit.ly/2oK9pN8
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 不気味な一致はまだあります。同じ2月28日に、中国のヤン
・チェーチー国務委員が米国を訪問し、トランプ大統領と会談し
ています。トランプ大統領としては、初めての中国の要人との会
談です。一体何を話したのでしょうか。
 遠藤氏によると、「互いの核心的利益の尊重」を前提とし、米
中が国際問題で協力を拡大したいとして、習近平国家主席の訪米
の日程の調整をしたといいます。
 まだあります。同じ2月28日、6ヶ国協議のロシア主席代表
であるモルグロフ外務次官も北京入りしているのです。中国外交
部の孔鉉佑外務次官補と会談するためです。テーマは朝鮮半島情
勢についての意見交換であるとしていますが、THAAD配備問
題であることは明らかです。これも中国の招きです。
 遠藤氏によると、これによってTHAAD配備賛成国である米
国、韓国、日本の3ヶ国と、反対国である中国、北朝鮮、ロシア
の3ヶ国に分かれ、反対国が同じ日に中国に集まって協議したと
いうことになります。それほどTHAAD配備は、中北露にとっ
て深刻な脅威なのです。
 このように、2月28日にいくつもの協議が行われたのでしょ
うか。なぜ、2月28日だったのでしょうか。それは、次の2つ
の理由によるものです。
─────────────────────────────
 1.THAADの配備場所がロッテ所有星州ゴルフ場に決ま
   り、配備が大幅に前倒しされたこと
 2.翌日の3月1日から4月末日までの2ヶ月間にわたって
   米韓合同軍事演習が開始されること
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 これが2月28日に起きた出来事です。翌日から始まる米韓合
同軍事演習の期間中に何が起きても不思議ではないからです。中
北露の協議は、そのための打ち合わせであるとも考えられます。
 昨日のEJで、中国とマレーシアの関係について述べましたの
で、次に北朝鮮と中国の関係について考えます。韓国の中央日報
日本語版は、次のように述べています。
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 中国は北朝鮮の戦略的価値を重視する。韓半島は大陸と海洋勢
力の交差地点だ。北朝鮮は米軍事力の大陸接近を遮断する。尖兵
と防御の緩衝の役割である。北朝鮮も自らの地政学的資産を活用
する。中国はその分を支払う。北朝鮮に石油と食糧を供給する。
相互扶助の特殊関係だ。中国は北朝鮮を放棄しない。
                   http://bit.ly/2oKvI53
─────────────────────────────
 金正恩政権になってから、中国は北朝鮮を上手にコントロール
できなくなっています。金正恩氏は伯父の張成沢をはじめ、多く
の中国系幹部を処刑しています。そういうこともあって、中朝は
首脳会談すら行っていないのです。しかし、それでも中国にとっ
て北朝鮮は戦略上重要な国なのです。
 中国では、「北朝鮮屏風論」とか「北朝鮮番犬論」という考え
方があります。つまり、中国にとって北朝鮮は、米軍を鴨緑江へ
の進出を食い止めるための「屏風」であり、中国に代わって米国
に吠えてくれて、絶対に裏切らない「番犬」という考え方です。
 北朝鮮は中国にとって便利な存在でもあります。中国には立場
上、絶対にできないことでも北朝鮮ならやることができます。そ
れによって米国を追い込むことも可能です。
 もちろんそのツケは中国に回ってきます。「北朝鮮の暴走は中
国にも責任がある。きちんと制裁せよ」と。実際に北朝鮮の無謀
な核やミサイル実験のたびに国連安保理は、北朝鮮に対して制裁
決議を行い、中国に厳しく制裁するよう迫っています。
 しかし、中国は絶対に北朝鮮を守っています。それは、北朝鮮
の存在は、中国にとってプラスだからです。しかし、トランプ政
権では、中国はこれまで通り北朝鮮を守れるかどうかはわからな
くなっています。     ──[米中戦争の可能性/064]

≪画像および関連情報≫
 ●朝鮮半島有事の危機はすぐそこに来ている!
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   米国のトランプ政権にとって北朝鮮の脅威は当面、安全保
  障上の最大の危機として迫ってきたようだ。北朝鮮が核兵器
  と各種ミサイルの開発へとひた走り、無法な実験を重ねてき
  た歴史は長い。この数ヶ月、その好戦的な言動はとくにエス
  カレートしてきた。
   ではトランプ政権はどう対応するのか。政権内外で「予防
  攻撃」という名の下での軍事手段が、頻繁に語られるように
  なった。ティラーソン国務長官は軍事行動を含む「あらゆる
  選択肢の考慮」を明言した。
   上院外交委員長のボブ・コーカー議員(共和党)が、「米
  国は北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を予防的に攻
  撃する準備をすべきだ」と述べた。
   上院軍事委員会の有力メンバー、リンゼイ・グラハム議員
  (共和党)は北朝鮮のICBM開発阻止のため大統領に予防
  的軍事攻撃の権限を与える法案を出すと言明。ウォルター・
  シャープ元在韓米軍司令官は、北朝鮮がICBMを発射台に
  載せる動きをみせれば攻撃をかけることを提唱した。199
  0年代から米側の対応策では軍事手段は断続して語られてき
  た。だがいまほど現実味を帯びたことはない。トランプ政権
  は歴代政権よりも確実に強固な姿勢を固めたようなのだ。
                   http://bit.ly/2nWcSLn
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遠藤 誉氏.jpg
遠藤 誉氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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