2017年03月28日

●「朴大統領の弾劾は憲法違反である」(EJ第4488号)

 韓国が大変なことになっています。5月9日の大統領選の投開
票の結果によっては、民主主義国家である韓国が消滅してしまう
可能性があるからです。
 日本でテレビ報道を見ると、朴大統領の不祥事をめぐり、市民
による大規模な大統領反対デモが連日のように起こり、その影響
というか勢いによって国会は拙速に大統領の弾劾訴追を決めてい
ます。弾劾訴追の可否を裁く憲法裁判所も、世論の動向を無視で
きず、朴大統領の弾劾は妥当であるとの判断を下したのです。
 しかし、西岡力麗澤大学客員教授によると、デモに関してはか
なり状況が異なるのです。確かに昨年12月のはじめまでは、左
派のロウソクデモの参加者の方が多く、その勢いで、弾劾訴追が
決まっています。左派は「民労総」という過激な労働組合が強力
な組織動員を掛けています。そこに北朝鮮の勢力が加わって、大
規模なデモになっています。日本の大使館や領事館に少女像を置
く運動をしているのもそういう連中です。
 しかし、1月の最初の土曜日からは、保守派の太極旗デモが動
員で左派デモを逆転しているのです。この保守派のデモこそ、子
供も含むごく普通の一般市民たちのデモであり、左派のデモの人
数を圧倒するようになったのです。そうすると、左派が警察に圧
力をかけて、「デモ参加者数を警察発表するな」と要求し、それ
によって警察発表はなくなっています。これによって、どちらの
デモだかわからなくなっています。
 問題はそれを報道するテレビ局が、左派のデモも朴支持派のデ
モも一緒にして「名誉革命」と煽って、報道していることです。
このように、テレビも左派勢力に加担したフシがあります。だか
ら、朴氏の罷免が決まったとたん、朴大統領支持派の存在が急に
目立つようになったのです。目標を達成した左派はデモの動員を
やめたからです。「朴さんを支持する勢力もあったんだ」と、は
じめてわかった人も多かったと思います。
 このような状況ですから、今回の韓国の政変は、親北勢力によ
る周到な朴政権潰しの疑いが濃厚です。発端になったタブレット
PCの発見からして、真実であるかどうは疑わしいのです。これ
は「JTBC」というケーブルテレビ局が関わっているのですが
このタブレットPCの入手が極めて疑わしいのです。この疑惑に
ついては、いずれ情報を集めて、EJのテーマとして取り上げた
いと思います。
 日本は大統領制ではありませんが、日本には内閣不信任制度が
あり、これが成立すると、総理大臣は総辞職するか、国会を解散
します。しかし、韓国には国会解散権がないのです。大統領は国
民から直接選ばれているので、政治責任を負えないのです。
 そこで、国会にできるのは、憲法裁判所へ訴追案を出すことだ
けです。本来、訴追案は、重大な憲法違反か法律違反があったと
きに限られるのです。国会は通常の検察の役割をし、3分の2以
上の賛成で起訴状の代わりに憲法裁判所に訴追案を出すのです。
 今回のケースは、大統領の犯罪ということなので、国会が特別
検察を任命したのですが、ろくに捜査をしないで、弾劾訴追状を
憲法裁判所に提出しています。
 その弾劾訴追状がひどいのです。証拠として挙げられているの
は、崔順実(チェ・スンシル)に対する検察の起訴状と新聞のス
クラップだけです。そこには、弾劾の理由として、100万人の
国民が弾劾を求めるデモを行ったことを上げ、これ以上大統領の
職責を遂行するなという国民の意思は明らかであると書かれてい
ます。証拠を何ら示すことなく、デモの大きさを弾劾の理由にし
ているのです。
 しかもこの100万人という数は主催者の左派労組などが一方
的に発表した数字であり、警察発表では約30万人に過ぎないの
です。その他の訴追理由として、セウォル号沈没事故のさいの空
白の7時間も添えられていますが、これは崔順実問題とは何の関
係もないことです。こういういい加減な訴追状を国会で3分の2
以上の賛成で、憲法裁判所に提出しているのです。
 その憲法裁判所もおかしなことをしています。争点整理という
名の下で、審理に入る前に「弾劾訴追の議決手続きは国会の自律
権に属するので、その瑕疵に関しては争点として取り上げない」
という決定をしているのです。こうなると、韓国はとても法治国
家とはいえないと思います。しかも憲法裁判所は一審制であり、
ここで出た判決で決まってしまうのです。韓国のまともな弁護士
は、弾劾そのものが憲法違反だといっています。
 このように韓国は、既に親北の左翼勢力に乗っ取られているよ
うです。一種の革命が起きているのです。今後何が起きるか予測
できない状況になっています。政治的な内戦が起きる可能性もあ
ります。西岡力氏は、今後の韓国の運命について、次のように最
悪のシナリオを書いています。十分起こり得ることですが、もし
その前に米軍が北の斬首作戦に踏み切ると、韓国の国内情勢は一
変する可能性があります。
─────────────────────────────
 まず5月、文在寅か他の左派候補が大統領に当選。6月に平壌
を訪問して金正恩と会談し、連邦制統一実現で合意し、米軍撤退
を要求。韓国内では保守派が連邦制統一に反対する大規模デモを
行い、大続領官邸を取り囲む。警官と衝突、あるいは左派の連邦
制統一賛成デモと衝突して流血事態となり、警察や軍が保守派の
デモを鎮圧にあたる。軍の一部が反乱して、保守デモを守るかも
しれない。
 その後、保守デモが鎮圧され、連邦制の是非を問う国民投票実
施、連邦制を多数が支持すれば、米軍は撤退せざるを得ない。金
正恩主導で連邦制統一が行われ、釜山や竹島に日本を敵として想
定したミサイル基地、レーダー基地ができる。
    「朝鮮半島最悪のシナリオ」/櫻井よしこ/西岡力対談
               ──Hanada/5月爽快号
─────────────────────────────
             ──[米中戦争の可能性/058]

≪画像および関連情報≫
 ●朴氏失脚で韓国左派政権誕生の最悪シナリオ
  ───────────────────────────
   今年は韓国に親北政権が誕生し、韓国が衰退に向かう可能
  性が高く、朝鮮半島をめぐる安全保障が激動の時代を迎えそ
  うだ。これは、韓国の保守与党が、国民から見放されたため
  だ。ソウル大研究所の最近の調査では保守与党「セヌリ党」
  の支持率は、30.3%から9.2%に急落した。保守勢力
  は、与党セヌリ党を解散して、党名を変え新たな保守政党を
  発足させないと、大統領選勝利は難しい。
   野党指導者たちは、日韓の慰安婦合意破棄を主張し、米軍
  のTHAAD(高高度防衛ミサイル)韓国配備にも、反対し
  ている。強硬な対北制裁にも、批判的だ。親北野党からの大
  統領誕生で、日米韓の安保協力は難しくなり、米韓同盟も弱
  体化する。拉致問題解決にも、協力しなくなる。
   韓国は、政党が大統領を作り出すのでなく、大統領が政党
  を創出する政治だ。与党セヌリ党は、朴槿恵大統領当選後に
  ハンナラ党から改名した。盧武鉉大統領は、ウリ党を創設し
  た。また「風の政治」とも言われる。およそ3カ月で、世論
  と政治の「風向き」が変わる。韓国政治は風が吹くと、一斉
  に同じ方向に走り出し、少数反対意見は抹殺されかねない。
  儒教文化による「大衆全体主義」の性向だ。韓国政治の底流
  には、親北左翼と保守勢力の長い対立がある。政治は、儒教
  的価値で動かされる。「正統性」と「大義名分」である。左
  翼は、「正統性は、日本帝国主義と戦闘した北朝鮮にある」
  との主張で、若者を引きつけた。  http://bit.ly/2mBPR0P
  ───────────────────────────

韓国のローソクデモ.jpg
韓国のローソクデモ
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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