2017年03月17日

●「米軍は北の限定攻撃に踏み切るか」(EJ第4482号)

 この原稿は3月16日に書いています。少し不思議なことがあ
るのです。3月15日夜にティラーソン米国務長官が来日してい
ます。初来日ですが、単なる国務長官就任挨拶のための訪問では
なく、緊迫する北朝鮮情勢について、安倍首相らと協議するため
の来日です。そのため、ティラーソン国務長官は、日本の次は韓
国、さらに中国も訪問する日程であり、そのスケジュールは事前
に明らかになっています。
 不思議なことというのは、16日の新聞、テレビでティラーソ
ン国務長官の来日を伝えていないことです。少なくとも16日付
の朝日新聞と日本経済新聞には、米国務長官来日を1行も報道し
ていないのです。しかし、来日は添付ファイルのように事実であ
り、ティラーソン国務長官は現在安倍首相らと緊急会談をしてい
るはずです。これは夕方のニュースで短く報道されただけです。
 テレビでは、森友学園の籠池理事長の問題と侍ジャパンのイス
ラエル勝利のニュースばかりであり、米国務長官来日のニュース
は報道されていないのです。これは異常なことです。
 昨日のEJで、3月13日付「夕刊フジ」の情報を根拠として
米軍は北朝鮮の出方によっては、米軍による北朝鮮への限定攻撃
もあると伝えました。「夕刊フジ」の情報だけでは信憑性に問題
があると考える人も多いと思いますが、3月15日の昼のテレビ
では、それとほぼ同じ内容のニュースを伝えていることを私自身
が確認しています。
 その根拠のひとつとして、今回の米韓合同軍事演習には、空母
カールビンソンが参加していますが、そこに、ビンラディンを射
殺した米海軍、ネイビーシールズのチーム6はじめレンジャー、
グリーンベレーなど特殊部隊要員が多く参加していることです。
 そのとき、テレビに登場した人物はサイモン・タック氏なる人
物ですが、ネットにはそのサイモン・タック氏を含む次の記事が
出ています。ここに記述されていることと、私が15日にテレビ
で視聴した内容はほぼ同じです。
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 アメリカ経済・ビジネス・インサイダーに3月4日付で入手し
たもので、影のCIAと呼ばれる「ストラトフォー」。サイモン
・タック氏は、北朝鮮の武装力除去のため、米国は迅速な外科手
術打撃に集中し、アメリカのステルス機でミサイル生産施設を打
撃する。空襲のときの標的は北朝鮮の原子炉・ミサイル生産施設
・ICBM発射台などがある。他にも山岳地帯に隠れたミサイル
発射台狩りに出る。電話取材についてタック氏は「米軍指導者が
軍事行動以外に道がなかったら早い展開で物事が進む。一般市民
は軍事行動が唯一の道だと悟る前に、攻撃のニュースを聞くこと
になる」など話した。
 北朝鮮に対し、アメリカがどのような手を打つのか緊張が高ま
る中、ティラーソン国務長官が来日。トランプ政権の北朝鮮対策
はどのようなものなのか?カギを握るのはティラーソン国務長官
は今日日本を訪れ、17日韓国、18日中国を訪れる。歴訪の目
的は北朝鮮政権の抜本的な見直しにあり、金正恩体制転換やアメ
リカの先制攻撃など力による外交安保政策を3カ国へ説明し理解
を求めると見られる。歴訪を前に国務省高官は11日、北朝鮮へ
圧力をかけるためあらゆる手段がある、より効果的な方法を検討
していると強調。           http://bit.ly/2mvQ01s
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 サイモン・タック氏は「カギを握るのはティラーソン国務長官
である」といっています。マスコミがティラーソン国務長官来日
を積極的に報道しないのは、事前に米国から報道をできる限り控
えるよう要請があったのではないかと思われます。
 北朝鮮としては、ティラーソン国務長官がどのように動くか重
大な関心を持っているのは確実であり、日本のテレビ報道を注目
しています。そのため米国としては、国務長官の動きや発言を北
朝鮮に知られないように、日本のメディアに報道を自粛するよう
要請したことは十分考えられます。
 13日、米国務省のトナー報道官代行は、記者会見で次のよう
に話しています。
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 トランプ政権は、オバマ政権の「戦略的忍耐」方針を転換し、
新たな対北朝鮮戦略を構築しつつある。米軍の特殊部隊が正恩氏
を急襲・排除する「斬首作戦」や北朝鮮の核・軍事関連施設を精
密誘導(ピンポイント)爆撃する「限定空爆」など、「あらゆる
選択肢」が含まれている。
 こうした戦略を実行するには同盟国である日本と韓国の理解と
ともに、北朝鮮と「血の友誼」を結ぶ中国の了解が欠かせない。
朝鮮戦争は休戦中であり、北朝鮮中枢を攻撃した場合、中国によ
る介入も考えられるからだ。ティラーソン氏のアジア歴訪は、X
デーに向けた「地ならし」といえそうだ。
       ──2017年3月16日発行「夕刊フジ」より
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 北朝鮮の限定攻撃──これを実現するには日本、韓国、中国が
了解する必要があります。この場合、日本はともかくとして、韓
国と中国を説得するのは、容易ではないと思われます。
 なぜなら、韓国は朴大統領は弾劾裁判で罷免され、親北反日の
大統領が選ばれる可能性があります。韓国の大統領選挙は5月9
日に迫っています。かつてクリントン政権のとき、クリントン大
統領は、北朝鮮攻撃を決断し、当時の金泳三大統領に電話を入れ
決断を迫ったのです。しかし、金泳三大統領は「絶対反対」を表
明し、クリントン大統領は北朝鮮攻撃を断念しています。
 中国はもっと難しいと思います。中国も韓国に親北政権ができ
ることを歓迎しており、反対するはずです。しかし、その場合、
米国から、北朝鮮への国連制裁の完全な実行を強く求められるは
ずです。しかし、どうやら、トランプ政権は北朝鮮をこのままに
はできないと考えていることは確かです。どういう結果に終わる
のでしょうか。      ──[米中戦争の可能性/052]

≪画像および関連情報≫
 ●ビンラディン暗殺作戦の米特殊部隊/米韓合同軍事演習参加
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   ネイビーシールズ・チーム6をはじめとする米特殊戦部隊
  が、韓米合同キーリゾルブ(KR)とトクスリ演習(FE)
  に過去最大規模で参加する。これらは韓国軍特殊戦部隊と有
  事の際、北朝鮮の戦争指揮部を攻撃し、核物質の貯蔵庫など
  大量破壊兵器(WMD)施設を掌握する訓練を実施する。
   3月13日、軍筋によると、今月から来月末まで行われる
  2つの演習に米統合特殊戦司令部の陸海空軍(海兵隊含む)
  特殊戦部隊と合同特殊戦部隊所属の将兵が参加する。
   レンジャーやデルタフォース、グリーンベレー、デブグル
  など米特殊部隊が網羅されたと同筋は伝えた。参加規模も例
  年は1000人ほどだったが、今年は1500人を上回ると
  いう。別の消息筋は「米特殊戦部隊員は戦時を想定して平壌
  の深部に侵入し、金正恩労働党委員長など北朝鮮の戦争指導
  部の殺害や戦争指揮所の爆破、核・ミサイル基地の攻撃とい
  った強度な訓練を行う」と話した。韓国軍特殊戦部隊とも合
  同訓練を実施し、その成果の検証・評価も行うという。
   特に「デブグル」という別称を持つネイビーシールズ・チ
  ーム6(海軍特殊部隊)は、陸軍のデルタフォースとともに
  「特殊部隊の中の特殊部隊」と評価される。2011年5月
  オサマ・ビンラディン殺害作戦(作戦名「ネプチューン・ス
  ピア)もデブグルの「作品」だ。  http://bit.ly/2npS8Mz
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ティラーソン米国務長官初来日.jpg
ティラーソン米国務長官初来日
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 米中戦争の可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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