潜水艦は多数保有していますが、潜水艦戦の実戦経験はないので
す。その点日本は、第二次世界大戦で米国と潜水艦戦で死闘を繰
り広げてきており、その経験は現在の海上自衛隊に受け継がれて
います。それに、米原子力潜水艦との日米合同軍事訓練も頻繁に
行っており、日米は潜水艦戦では世界最強です。
これと同じことが航空機戦にもいえるのです。中国は潜水艦と
同様に航空機もたくさん保有していますが、空中戦の実戦経験は
ほとんどないはずです。もちろん空中戦はシミュレーターによっ
て、さまざまな演習体験を積むことはできますが、あくまでそれ
は演習であって実戦とはほど遠いものです。
航空機戦で米軍がとる体制は「2機小隊」です。単純な形態で
すから、高速機動しても、陣形を保持して、互いに監視、保護の
状態を維持して戦闘を継続できます。さらに、この2機体制を2
組にした「4機小隊シュワルベ」というのがあります。これはド
イツ空軍が生み出した高速戦闘での基本単位であり、リーダーに
率いられた2組の分隊が協力して敵機を挟み打ちにするのです。
この4機体制について、既出の軍事評論家の兵頭二十八氏は、
ついて次のように述べています。
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4機というのは、米空軍の基本的な空戦単位である。常に「2
機」と「2機」の組になり、空中において互いに機動的にカバー
し合うことによって、敵機の数がいかほど多数であったとしても
僚機を後方からやすやすと撃墜させるような隙を決してつくらな
いようにするという空戦技法を、米空軍は長年、洗練してきてい
るのだ。 ──兵頭二十八著
『こんなに弱い中国人民解放軍』/講談社+α新書
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2014年2月6日付の「世界を斬る/日高義樹」(日高義樹
氏のコラムサイト/夕刊フジのウェブ版/ZAKZAK)が米国
の4機体制に言及しているので転載します。
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太平洋・米空軍のハーバート・カーライスル司令官はこう述べ
ている。「太平洋軍はアラスカのエーメンドーフからF22ラプ
ターをハワイに移していたが、今後はグアムにも配備し、嘉手納
と千歳基地にローテーションで展開する」。
F22はステルス性、つまりほとんどレーダーに映らない最新
鋭の戦闘機だ。パイロットらは「ニンジャ」というニックネーム
をつけている。F22の4機が初めて沖縄に進出してきたとき、
若い飛行隊長が私にこう言った。
「われわれは台湾防衛のシミュレーションをやってきたばかり
だが、1機で50機の中国戦闘機を撃墜することに成功した」。
米国の専門家は、台湾攻撃に中国が動員できるJ10やJ11
といった最新鋭の戦闘機が200機にのぼると推定している。F
22なら4機で、「こうした中国の戦闘機をすべて撃ち落とすこ
とができる」と主張している。
「戦闘地域のほぼ100キロ後方でE3Cが軍事行動を管制し
F22の4機に新鋭のK135給油機が同伴する体制を整えてい
る」。米空軍首脳はこう述べているが、米国はこれまで情報が漏
れることを警戒し、F22を隠してきた。日本にも、一段格下の
F35を売りつけようとしてきたが、中国の挑発的な行動に対し
て、ついにエースを投入することにしたのである。
http://bit.ly/2lJZg1H
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これによると、F−22は1機で50機の中国戦闘機を撃墜で
きるといっています。現状では中国のJ−20は兵役についてい
ないので、J−10やJ−11なら、訓練された4機体制で出撃
すれば、味方は1機も失うことなく、中国が何機を繰り出してき
ても全滅できるといっています。
どうしてこのようなことができるのかというと、上記の次の記
述が重要です。
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戦闘地域のほぼ100キロ後方でE3Cが軍事行動を管制し
F22の4機に新鋭のK135給油機が同伴する体制を整え
ている。 ──米軍首脳
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ここでいう「E3C」とは何でしょうか。
E3CはAWACSといい、軍用機の一種です。大型レーダー
を搭載し、一定空域内の敵性・友軍の航空機といった空中目標を
探知・分析し、なおかつ、友軍への航空管制や指揮を行う機種の
ことです。空中警戒管制システムや空中警戒管制機とも呼ばれて
います。
戦闘機のレーダーは、当然ではあるものの、空全体を見回すよ
うにはできておらず、パイロットは、戦場全体を概観できないの
です。そこで、戦場全体を概観できる高性能レーダーを搭載した
航空機(AWACS)を戦場から100キロ程度後方の空中に置
き、旋回して戦闘を指揮するのです。AWACSは長時間飛行を
続けることが可能です。
このAWACSがあると、はるか遠くから迫ってくる敵機も把
握できるので、その動きを見張りながら、味方戦闘機が空対空ミ
サイルを最も効果的に発射して命中させることができます。これ
を持っている空軍と持っていない空軍では、空中戦では勝負にな
らず、このシステムであれば、戦闘機の性能はあまり問題にはな
らないのです。
中国空軍は、それらしく見えるAWACSを4機所有している
ものの、ほとんど使われていないと思われます。日本の航空自衛
隊は、米国にAWACSを特注し、4機保有しており、米軍との
合同訓練で完全に使いこなしているといわれます。このように航
空戦は数では優位に立つことは困難なのです。
──[米中戦争の可能性/047]
≪画像および関連情報≫
●尖閣で不足/早期警戒管制機AWACSをどうするのか
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航空自衛隊がAWACSを配備して、15年が経過しまし
た。当時はロシアを想定していたが、尖閣騒動などで中国の
脅威に増強が必要になっている。
航空自衛隊が運用している早期警戒機などが次々と運用期
間を終えたり更新の時期を迎えている。AWACS(早期警
戒管制機)のE−767は導入から15年が経過して搭載機
器の改修が行われている。
また最初から言われていた事だが日本列島をカバーするに
は4機ではとても足りず、尖閣諸島や竹島周辺の状況を考慮
すると2倍の8機は必要である。現状の4機のうち半数は整
備などで待機している筈で、飛行できるのは良くて2機でし
かない。
2014年10月、日本政府はボーイング社とE−767
のアップグレード(性能向上)契約を結んだと発表した。契
約額は9・5億ドルで1000億円から1200億円に相当
する。E−767はボーイングE−3の搭載機器を767に
移植したもので、1993年に生産開始した。レーダーと電
子装置などはE−3最終型と同じとされ、1990年ごろに
生産されたタイプである。つまり、E−767の搭載機器は
実質的に25年前のものだった。1990年と言えばパソコ
ンのウィンドウズすら普及してなかった時代で、機器の性能
も推して知るべしである。 http://bit.ly/2lHxFxu
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E3/AWACS


