中国の習近平国家主席は、国営中央テレビを通じて、国民への
新年のメッセージとして、強い口調で次のように述べています。
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我々は、領土主権と海洋権益を断固として守り抜く。この問題
で言いがかりをつけることを、中国人民は決して認めない。
──2017年1月1日付、日本経済新聞
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習国家主席のこの発言は、明らかにトランプ次期米大統領の発
言を意識しています。トランプ氏は、大統領選挙中、選挙後を通
じて、台湾や南シナ海をめぐる問題で中国を揺さぶる発言を繰り
返しているからです。習国家主席はこれを「言いがかり」と表現
しているのです。
そういうこともあって、今年のキーワードのひとつは「中国」
の動向です。中国の動きによって、世界に大変化をもたらす可能
性があるからです。最悪のシナリオとしては、戦争だって起きか
ねないのです。
最近の日本における中国の報道については、かなりネガティブ
なものが多くなっているように感じます。経済の深刻な落ち込み
と南シナ海をめぐるオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の裁定、
国内の権力抗争の激化などです。
しかし、まさか中国が戦争を起こすとは考えにくいとする人は
多いと思います。これに関して、カルフォルニア大学教授のピー
ター・ナヴァロ氏が上梓した『米中もし戦わば』(文藝春秋)と
いう新刊書があります。いまこの本が売れているのです。
このピーター・ナヴァロ氏は、大統領選挙中に政策顧問として
トランプ氏のアドバイザーを務めており、トランプ氏の通商政策
に影響を与えています。ナヴァロ氏は、他にも中国の政策を強く
批判する著書『中国は世界に復讐する』、『中国による死』も書
いている中国批判派の論客です。トランプ氏は、ホワイトハウス
内に「国家通商会議」を新設し、ナヴァロ氏を議長に指名すると
発表しています。
ナヴァロ氏の著書『米中もし戦わば』(文藝春秋)の冒頭に次
の問題が出ています。
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【問題】歴史上の事例に鑑みて、新興勢力=中国と既成の超大国
=アメリカとの間に戦争が起きる可能性を選べ。
「1」 非常に高い
「2」ほとんどない
──ピーター・ナヴァロ著/赤根洋子訳
『米中もし戦わば/戦争の地政学』/文藝春秋
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この問題はどちらが正しいと思いますか。
結論から先にいうなら、実は「1」の「非常に高い」が正解な
のです。これには歴史的な根拠があります。それは、2015年
9月の習国家主席の米国訪問のとき、オバマ大統領が引用したと
いわれる次の有名な言葉です。これは、紀元前五世紀のペロポネ
ソス戦争に由来する言葉です。
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トゥキュディデスの罠
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トゥキュディデスというのは、古代アテネの歴史家で、『ペロ
ポネソス戦争史』を著した歴史家です。ペロポネソス戦争とは、
紀元前431年〜紀元前404年の約30年の間、アテネを中心
とするデロス同盟とスパルタを中心するペロポネソス同盟との間
に発生した古代ギリシア世界全域を巻き込んだ戦争です。
紀元前5世紀には、スパルタが現在の米国と同じように強大な
覇権国家だったのです。それに挑むように当時の文明をリードす
る存在になりつつあったのがアテネです。これについてハーバー
ド大学の政治学者であるグラハム・アリソン氏は、次のように述
べています。
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この劇的な(アテネの)勃興にスパルタはショックを受け、為
政者たちは恐怖心から対抗策を取ろうとした。威嚇が威嚇を呼び
競争から対立が生まれ、それがついに衝突へと発展した。30年
に及ぶペロポネソス戦争の末、両国はともに荒廃した。
──ピーター・ナヴァロ著の前掲書より
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ナヴァロ氏は、1500年以降、中国のような新興勢力が既存
の大国に対峙した15例のうち11例が戦争に発展したことを指
摘しています。つまり、70%以上の確率で実際に戦争がおきて
いるのです。まして現在中国のリーダーである習近平主席は、日
頃から「私は中国のゴルバチョフにはならない」と言明し、現在
の共産党政権による独裁の目的も、中国の発展や人民の幸福にあ
るのではなく、あくまで自分を核とする共産党体制を守ることに
置かれているようです。それだけに、武力による現状変更を強引
に行い、戦争に突き進む恐れは十分にあります。
もうひとつ中国にとってリスクが大きいのは、経済の低迷であ
り、その解決のメドが立たないことです。もし、ハードランディ
ング必至ということになると、国民の不満が一挙に共産党に向う
恐れがあり、その国民の不満を外に反らすため、戦争に突入する
可能性はゼロではないといえます。
そこで、今年の第1のテーマは、テーマとしてはきわめて難し
く、大きなテーマですが、次のようにします。明日から、書いて
いきます。
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『米中戦争の可能性は本当にあるのか』
─ そのとき日本はどうするか ─
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──[米中戦争の可能性/001]
≪画像および関連情報≫
●ペロポネソス戦争/「世界史の窓」
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前431年〜404年の27年間にわたって続いた、ギリ
シアの代表的ポリスであるアテネとスパルタの対立を主軸と
する戦争。ペロポネソスはその戦場となったギリシアの本土
であるが、戦闘はエーゲ海上から遠くシチリア島まで及んで
いる。アテネはデロス同盟の盟主として全ギリシアから東地
中海一帯の海上までその支配を拡大したが、それに反発した
スパルタはペロポネソス同盟を結成してそれに抵抗しようと
した。この二つのポリスは、アテネが典型的な民主政を発展
させたポリスであったのに対し、それに対してスパルタは貴
族政(寡頭政)のもとで、貴族の中から王を選び、少数の貴
族階級が多くの半自由民(ペリオイコイ)と奴隷(ヘイロー
タイ)を抑えるために軍国主義を採っているというように、
国家体制に大きな違いがあった。
ペロポネソス戦争の歴史については、アテネの市民トゥキ
ディデスの『戦史』に詳細に記録されている。トゥキディデ
スは富裕なアテネの市民であり、また一時は将軍として出征
したが、作戦に失敗して追放され、所有するトラキアに鉱山
に隠棲して戦争の推移を見守り、叙述を続けた。その特徴は
後半に史料を集めながら、厳しい史料批判を行い、客観的な
事実を究明しながら、この未曾有の戦争の原因と経過を論述
しようとしている点である。 http://bit.ly/2ir9yCW
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ピーター・ナヴァロ教授
「韓国人に多大な迷惑をおかけして、賠償で償います」と書いてきて「これを言えば韓国人は二度と言わない。これで終わりです」と言ってきた。 だから、河野洋平は、河野談話を発表した。ところが、この河野談話が仇になって、今でも朝鮮人に「植民地にした。謝れ」言われている。 「日本国の大臣が従軍慰安婦はあったと認めているのだから、この問題はまだ終わらない!」と言って、朝鮮人は何処までも日本人を執拗に攻撃してくる。 ■だから、日本人は朝鮮人には弱みを見せてはならず、精神的に下劣な奴隷として扱うべきで、事実と違うのであれば「違う!」と徹底的に言わなければいけない。