2016年12月12日

●「クリントン氏を潰した2つの爆弾」(EJ第4419号)

 クリントン疑惑の最後に「クリントン財団」の疑惑について書
くことにします。そもそもこの財団は何を目的として設立され、
どのように利用されてきたのでしょうか。
 クリントン財団が設立されたのは2001年のことです。20
01年といえば、ビル・クリントン元大統領が8年の任期を経て
退任した年です。財団の目的は、次の大統領選で妻のヒラリー・
クリントン氏を大統領にするための資金作りです。大統領選への
出馬時期は、2008年の大統領選に絞られていたのです。
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    ◎ビル・クリントン大統領の任期
    1993年1月20日〜2001年1月20日
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 そのためか、ビル・クリントン大統領の講演料は、10万ドル
(約1050万円)単位の超高額であり、それに加えて、2万〜
4万ドルの高額のチャーター機利用料を請求するのです。ところ
が、2008年の大統領選では、バラク・オバマ氏との対決でし
たが、ヒラリー氏はこの戦いに敗れてしまいます。
 しかし、新大統領のオバマ氏から、国務長官の就任を求められ
受け入れます。これによって、次の大統領選の出馬は2016年
にターゲットを絞ったのです。ヒラリー・クリントン氏が国務長
官に在任中にクリントン財団の集金力は急速に増えるのです。
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    ◎バラク・オバマ大統領の任期
     2009年1月20日〜2017年1月20日
    ◎ヒラリー・クリントン国務長官の任期
     2001年1月20日〜2013年1月20日
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 米国の大統領経験者が任期満了後に企業や団体、大学などで講
演を行い、高額の謝礼を受け取ることはよくあることです。しか
し、慈善活動の普及のために財団を設立しながら、、実はその目
的が妻の大統領選出馬のための資金作りというのは異例です。
 クリントン家のカネ作りがどれほどエゲツナイかについて、ザ
・ウォルストリート・ジャーナル(WSJ)は、次のように書い
ています。
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 ◎ビル・クリントン氏公演で多額のチャーター代請求
 内部告発サイト「ウィキリークス」は、今週(2016年10
月)、クリントン一家の慈善団体「クリントン財団」の資金調達
担当者が、同財団に寄付を行った企業に対しビル氏に講演などの
「営利」行為を依頼して謝礼を支払うよう促すメールを送ってい
たことを暴露し、ヒラリー氏の選挙運動に打撃を与えている。
 WSJが入手した資料によれば、一部の大学関係者は、ビル氏
側が講演を知らせるプレスリリースの掲載やソーシャルメディア
への投稿についても、事前チェックを要求したことにいら立ちを
みせた。ビル氏側は、講演に当たってメディアのインタビューな
どを受け付けないことが多いが、プレスリリースにはそのことを
載せないよう求めたという。
 クリントン夫妻はここ数年、1回20万〜50万ドルの超高額
の講演をしてきたことをめぐって批判を浴びている。講演先には
財政難に見舞われている大学もあった。こうした講演はヒラリー
氏が国務長官を辞任し、今回の大統領選への出馬を表明するまで
の間の2014年に急増した。   http://on.wsj.com/2hhprxC
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 今回の大統領選において、このクリントン財団に関して、次の
2つの爆弾が炸裂したのです。書籍と映画です。
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      1.書籍『クリントン・キャッシュ』
      2. 映画『クリントン財団の疑惑』
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 まず、「1」の書籍は、2015年に米国で発売され、日本語
版は、2016年2月10日に発売されています。選挙戦の年に
ぶつけてきているのです。
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         ピーター・シュバイツァー著/小濱由美子訳
 『クリントン・キャッシュ/外国政府と企業がクリントン夫妻
             を「大金持ち」にした手法と理由』
         ──LUFTメディアコミュニケーション刊
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 この本を映画化したのが、「2」の映画『クリントン財団の疑
惑』です。この映画は2016年5月にカンヌ映画祭で上映され
現地で衝撃を与えたあと、世界にそのインパクトが波及。注目の
なか、7月に全米で公開されたドキュメンタリーです。残念なが
ら、日本では上演されていませんが、予告編は次のニコニコ動画
のサイトで観ることができます。
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      映画『クリントン財団の疑惑』予告編
             http://bit.ly/2hhhXrL
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 この映画では、ヒラリー氏が国務長官になった時期に、夫の元
米大統領ビル・クリントンが設立したクリントン財団で起こした
資金洗浄と収賄の数々が示されます。
 アメリカのウラン鉱山がカナダ企業からロシア企業に買収され
る上での不正。サウジアラビアほか20ヶ国余への武器売買に絡
む軍事産業との癒着。スウェーデンの通信機メーカー、エリクソ
ン社が当時、経済制裁中のイランで営業できた理由・・などなど
驚愕の内容が続くのです。あまりの強烈な情報の羅列に、観るも
のはただただ呆然となるといった内容です。
 これらの2つの爆弾が2016年の大統領選の年に炸裂したの
です。クリントン陣営にとっては大ショックです。
            ──[孤立主義化する米国/104]

≪画像および関連情報≫
 ●クリントンに脅威になる映画
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   昨年出版された「クリントン・キャッシュ」は、クリント
  ン一家の慈善団体「クリントン財団」に海外の政府や企業が
  多額の寄付を行った見返りに、当時、国務長官であったヒラ
  リー・クリントン氏から何らかの有利な取り計らいを受けた
  説を資料や証言などで裏付けた本である。クリントン氏の国
  務長官としての影響力が、「お金」で買われてきたとも言え
  る。法律上、外国からの政治献金は禁じられているが、海外
  からの財団への寄付は可能である。そこで慈善団体と称する
  クリントン財団への寄付として海外の政府や企業から資金を
  受けとったのである。出版当初、疑惑はでっち上げで根拠が
  ないとクリントン側は反論していた。その後本の内容の信憑
  性を巡り、ニューヨーク・タイムズ紙、CNN、ワシントン
  ・ポスト紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙など主要
  メディアが分析と調査を行った。本の内容の裏付けは取れ、
  信憑性が確認された。したがって、本が発売された去年とは
  状況が違い、クリントン氏が映画の内容を否定、反論するこ
  とはできない。
   著者のピーター・シュヴァイツァー氏は、本の中で「クリ
  ントン元大統領のエゴと政治家ヒラリーのキャリアを押し上
  げ、夫婦に世界的な影響力と金銭的な報酬をもたらした」と
  主張している。クリントン夫妻は国益より個人の利益を優先
  したのである。          http://bit.ly/2hkkvpt
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書籍「クリントン・キャッシュ」.jpg
書籍「クリントン・キャッシュ」
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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