2016年11月04日

●「米大統領選と『テカムセの呪い』」(EJ第4394号)

 米大統領選まであと4日ですが、米国の大統領に関して「テカ
ムセの呪い」という伝説があるのをご存知でしょうか。
 アメリカ大陸の先住民はインディアンです。独立戦争後、アメ
リカ合衆国は、インディアンを虐殺し、彼らが支配していた土地
を奪って国土を広げていったのです。それは「西部劇」という映
画のかたちで米国開拓史として美化され、世界中の人々に伝えら
れましたが、実際には残虐きわまりない殺戮劇だったのです。
 インディアンには全般を束ねる指導者という概念は存在しませ
んでしたが、戦いの先頭に立って戦闘を指揮し、ときにはアメリ
カとの交渉役を務めた人物がいたのです。それがショーニー族首
長であるテカムセです。1811年に米軍は、ティペカヌー河と
ウォーバシュ河の合流点でインディアン連合軍を破っています。
このとき米軍を率いていたのは、ハリソンという将軍です。
 ハリソンは1812年にテームズ河の戦役でも、英国軍とイン
ディアンの連合軍を破り、この戦役でテカムセ首長は戦死したの
です。そのときハリソンはホイッグ党に所属する上院議員でした
が、政治的な実績はほとんどなかったのです。しかし、テカムセ
を葬った軍事的功績と知名度を買って、ホイッグ党の実力者たち
はハリソンを1840年の大統領選に出馬させたのです。「彼な
ら意のままに操れる」と考えたからです。ハリソンは首尾よく当
選し、1841年に9代米大統領に就任します。
 このハリソンが選挙に勝った1840年を起点として「テカム
セの呪い」は始まるのです。最初の犠牲者はなんとハリソン本人
だったのです。ハリソンは1841年3月4日に大統領に就任し
ちょうど1ヶ月後の4月4日に病死しています。大統領在任たっ
たの1ヶ月、あまりにも短いです。
 米国の大統領就任演説は少しでも多くの人々に聴いてもらうた
め、外部の広い会場で行われます。当日は冷え込みが厳しく、会
場では寒風が絶え間なく吹く日だったのです。そういう会場でハ
リソンは、コートも着ず、手袋もしないで1時間45分演説し、
風邪をひいて肺炎を併発し亡くなってしまったのです。それ以来
20年ごとの年代に選出される大統領はことごとく任期を全うす
ることなく、亡くなっているのです。
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   ★ 1840年  ウィリアム・H・ハリソン
       1841年 4月 4日/肺炎で死去
   ★ 1860年  エイブラハム・リンカーン
       1865年 4月14日/   暗殺
   ★ 1880年 ジェームズ・ガーフィールド
       1881年 7月 2日/   暗殺
   ★ 1900年  ウィリアム・マッキンリー
       1901年 9年14日/   暗殺
     1920年 ウォレン・G・ハーディング
       1923年 8月 2日/   病死
   ★ 1940年 フランクリン・ルーズベルト
       1945年 4月12日/   病死
     1960年    ジョン・F・ケネディ
       1963年11月22日/   暗殺
                   http://bit.ly/2feNxG7
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 米国の大統領は「1期4年2期まで」と決められています。上
記7人の大統領は、任期を全うできなかったことはいずれも共通
していますが、7人中5人は就任年に亡くなっているのです。★
印がそうです。
 もう少し詳しくいうと、ハリソンとガーフィールドは1期目の
就任年に、リンカーン、マッキンリー、ルーズベルトは2期目の
就任年に亡くなっています。しかも、7人中4人は暗殺されてい
るのです。かなり高い確率であるといえます。
 ジョン・F・ケネディの年度である1960年の20年後にあ
たる1980年に選出された大統領はドナルド・レーガンです。
レーガンは、1981年3月30日に暗殺されかかったものの、
未遂に終わり、2期8年の任期を満了しています。それ以来、こ
のテカムセの呪いは終了したといわれているのです。これについ
て、ウィキペディアは次のように書いています。
─────────────────────────────
 レーガンは1980年大統領に選出されたが直後の1981年
3月30日に暗殺未遂に遭いながらも、2期8年の任期を全うし
た。また、2000年に選出されたジョージ・W・ブッシュ大統
領も2期目の2005年5月10日にグルジアで演説中に手投げ
弾を投げ込まれたが不発に終わり、2期8年の任期を全うして現
在も存命中である。ブッシュ大統領はこの他にも2002年にプ
レッツェルを食べている最中に失神、こん倒し顔に傷を負うが窒
息は免れた。また、任期満了直前にイラク人記者に靴を投げつけ
られるもうまくよけて無傷であった(ブッシュの靴)。このため
いわゆる「テカムセの呪い」による大統領の不慮の死は単なる偶
然という結論になった。        http://bit.ly/2feNxG7
─────────────────────────────
 ウィキペディアは「テカムセの呪い」は単なる偶然と結論づけ
ていますが、本当にそうでしょうか。もし、この呪いがまだ生き
ているとすると、次に該当する年度は2020年──東京オリン
ピックの年になります。
 今年、2016年に選出される大統領は4日後に決まります。
トランプ候補かクリントン候補のいずれかです。どちらが大統領
に決まるにせよ、ひと騒動あると思います。何しろ2人ともまた
とないほどの不人気候補であり、2020年の大統領選で有力候
補が出馬すると、おそらくその2期目は勝てないと思われます。
いずれにせよ、2021年に就任する新大統領が「テカムセの呪
い」を受けるかどうかが注目されます。米国の大統領には、これ
以外にも不思議なことがたくさんあるのです。
            ──[孤立主義化する米国/079]

≪画像および関連情報≫
 ●アメリカ大統領を死に追いやるのは偶然か「呪い」か
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   1840年のアメリカ大統領選挙で勝利したウィリアム・
  H・ハリソンは就任からわずか一月で病死する。そしてハリ
  ソンが大統領選挙に当選した1840年以降20で割り切れ
  る年に当選した大統領は任期途中で死亡することが続いた。
  人々はいつしかハリソンが1811年のティピカヌーの戦い
  で殺したインディアン、ショーニー族の酋長テカムセの呪い
  ではないかと噂するようになった。今回は、ハリソンからケ
  ネディまで7人の大統領が倒れたと言われる「テカムセの呪
  い」を考察したい。
   アメリカ大統領選挙は四年に一回行われる。アメリカ大統
  領は任期途中で辞任や死亡があっても副大統領が大統領職を
  前大統領の任期切れまで引き継ぎ、次の大統領選挙が行われ
  るので4年ごとに大統領選挙が必ず行われる仕組みになって
  いる。そして、1840年のハリソンから1960年当選の
  ケネディまで、20で割り切れる年に当選した大統領は任期
  途中で死亡しているのである。
   1840年当選 ウィリアム・H・ハリソン
   1860年当選 エイブラハム・リンカーン
   1880年当選 ジェームス・ガーフィールド
   1900年当選 ウィリアム・マッキンリー
   1920年当選 ウォレン・G・ハーディング
   1940年当選 フランクリン・ルーズベルト
   1960年当選 ジョン・F・ケネディ
   以上の7人の大統領が任期途中で死亡している。個々の大
  統領の死亡原因を見てみたい。  http://exci.to/2egnoEt
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テカムセ首長.jpg
テカムセ首長
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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