問題を取り上げます。やはり、「オクトーバー・サプライズ」と
いうべき事態が起こったようです。それは、FBI(米連邦捜査
局)がクリントン氏の私用メール問題に関する捜査を再開させた
ことです。
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米連邦捜査局(FBI)は28日、民主党大統領候補のクリン
トン氏(69)が、国務長官時代に私用メールアドレスを使って
いた問題で、新たなメールが見つかったとして、捜査を再開した
ことを明らかにした。投票日が11日後に迫るなか、大統領選で
優勢のクリントン氏にとって、打撃となる可能性もある。
FBIのコミー長官は同日、米議会あてに送った書簡で、捜査
チームが新たに「捜査に関連すると見られるメールを見つけた」
と報告。「FBIが適切な捜査を行うことに合意した」として、
捜査を再開したことを明らかにした。ただ、捜査にかかる時間や
致命的な内容が含まれている可能性があるのかなどについては現
段階で不明としている。 ──2016年10月29日付
「朝日新聞デジタル」 http://huff.to/2epiBld
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FBIのコミー長官は、現在は離党しているものの長く共和党
党員であり、それだけに大統領選挙直前になっての「捜査再開」
は賛否両論がありますが、いずれにしてもクリントン陣営に大打
撃を与えることは必至の情勢です。
コミー長官は、このメール問題の公表に関し、次のような微妙
な表現をしています。
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新たな捜査を公表した場合と、議会に知らせずに捜査を進め、
選挙後に重大な事実が見つかった場合の問題性を考慮して公表に
踏み切った。 ──FBIコミー長官
2016年10月31日付、朝日新聞朝刊
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この発言はいろいろ解釈できます。FBIを管轄する司法省内
では、選挙に影響を与えるとして「公表は避けるべき」という意
見が多かったのですが、コミー長官はあえて発表にこだわったと
いいます。長官の表現によると、捜索によって重大な事実が発見
される可能性を示唆しているようにもとれます。
コミー長官の言葉には、もし公表しないで選挙が行われ、クリ
ントン氏が大統領になった後で、メール問題に重大な事実が出て
きた場合、FBIが公表しなかったことが問題になるというニュ
アンスがあるように感じます。
問題は、このFBIの公表によって選挙の状況に影響が出てく
るかどうかです。30日に実施されたワシントンポスト、ABC
テレビの実施した世論調査によると、両者の支持率は次のように
1ポイント差になっています。23日の時点では、クリントン氏
が12ポイントリードしていたのですが、その差が1ポイントに
なったというのです。
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ドナルド・トランプ ・・・ 45%
ヒラリー・クリントン ・・・◎46%
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しかし、大統領選の支持率調査は、メディアによって大きく異
なるので、「リアル・クリア・ポリティクス」(RCP)の総合
世論調査の20日時点と30日時点の調査を比較すると、次のよ
うになっています。
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30日 20日
ドナルド・トランプ ・・ 41.6% 42.1%
ヒラリー・クリントン ・・◎45.0% ◎48.5%
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これによると、クリントン氏は支持を下げてはいますが、トラ
ンプ氏の方も下げています。これは、FBIのメール問題の捜査
再開によって、状況が一変したというわけではないようです。し
かし、次のニュース(ヤフー・ニュース)もあります。
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トランプ氏が大統領選を制するには絶対に負けられない州であ
るフロリダ州では、米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ大学研
究所の共同世論調査でトランプ氏の支持率が46%と、クリント
ン氏の42%を上回った。前回はクリントン氏が1ポイントリー
ドしていた。 ──ヤフー・ニュース http://bit.ly/2dTK7uQ
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10月24日付のEJ第4386号に示したフロリダ州とオハ
イオ州の支持率を再現します。
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トランプ クリントン
オハイオ ◎46.5% 46.0%
フロリダ 43.8% ◎47.4%
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「オハイオ州とフロリダ州を制した者が大統領選を制す」とい
われていますが、10月21日の時点では、オハイオ州はトラン
プ氏がリードしているものの、フロリダ州では4ポイント差でク
リントン氏が優勢だったのです。それが上記ヤフー・ニュースで
はフロリダ州ではトランプ氏が逆転したと報道しています。
そうであるとすると、オハイオ州とフロリダ州を制しつつある
トランプ氏が優勢ということになります。これに加えて今後メー
ル問題でさらに何かクリントン氏にとって不利な情報が出ると、
投票結果に致命的な打撃を与えることは確実です。
いずれにしてもこの大統領選は最後まで「接戦」になることは
確実であり、クリントン氏の余裕ある勝利はとても望めない状況
です。トランプ氏にもクリントンシにも勝利の可能性がある状況
です。 ──[孤立主義化する米国/078]
≪画像および関連情報≫
●Eメール再捜査開始でもクリントン優勢は変わらず
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先週末の金曜日に突如、米連邦捜査局(FBI)が大統領
選のヒラリー・クリントン候補の私用メール問題の捜査を再
開すると発表した。これによりいわゆるリスク回避の円買い
が強まり、上昇していたドル円はあっという間に105円半
ばから104円半ばへと約1円も急落した(円高ドル安)。
突然の発表に驚き、市場はトランプ大統領実現のリスクが再
度高まったと受け止めたといえよう。
ただ、FBIが議会に送った書簡をみると、「メールの重
大性は判断できず、捜査にどれくらい時間がかかるか不明」
という趣旨のことが述べられており、クリントン氏が不利益
になる新たな証拠が発見されたというわけでもなさそうであ
る。また、捜査には時間がかかるとみられ、大統領選まであ
と10日ばかりしかないことから、これ以上選挙本番前に新
たな材料が出る可能性は低い。
一方、トランプ候補には女性へのセクハラ行動の証言者が
さらに増えており、女性からの支持を大きく失っているため
従来の支持率が回復する兆しはない。両者のスキャンダルや
罵り合いで、史上最低の大統領選などと揶揄され、もはやど
ちらがより最低ではないかを競う選挙になってきたといえよ
う。 http://bit.ly/2flHvXC
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コミー米FBI長官


