2016年08月25日

●「クリントン夫妻のギクシャク関係」(EJ第4347号)

 もし、ビル・クリントン元米大統領がロックフェラー2世の4
男であるウィンスロップ・ロックフェラー氏の隠し子であるなら
ば、ヒラリー・クリントン氏は、ロックフェラー家の嫁というこ
とになります。それなら、なぜ、ディヴィッド・ロックフェラー
氏は、副島隆彦氏のいうようにトランプ支持なのでしょうか。
 この理由について、副島隆彦氏は明らかにしていないものの、
著書で次のように述べています。
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 クリントン夫妻は目下、「クリントン財団」を作って金集めに
夢中である。慈善団体を装うCGIは、100億ドル(1兆円)
ぐらい集めたようだ。このことを叔父のデイヴィッド・ロックフ
ェラーは気に入らないようだから、「もうヒラリーは要らない」
となったようである。            ──副島隆彦著
      『トランプ大統領とアメリカの真実』/日本文芸社
─────────────────────────────
 確かにこのクリントン財団にはいろいろな疑惑があり、「クリ
ントン・キャッシュ」というタイトルで書籍や映画になっており
ヒラリー・クリントン氏の選挙に影響が及ぶ可能性があります。
これについては改めて取り上げることにします。
 また、ヒラリー・クリントン氏は、各地の集会の演説で、夫の
ビル・クリントン氏のことをよく取り上げています。たとえば、
「彼は、経済を活性化させる方法を知っており、もし私が大統領
に選ばれたら、90年代の経済を取り戻すために、夫には経済再
生の仕事を手伝ってもらうつもりである」と支持者に話すなど、
夫婦仲はわるくないと思われていたのです。
 しかし、最近の夫婦仲はあまりよくないようです。なぜなら、
妻の選挙戦を助けるはずのビル・クリントン元大統領が、暴言や
失言などを繰り返し、妻の足を引っ張っているからです。このク
リントン夫妻の仲について副島隆彦氏は、添付ファイルの写真と
ともに、自著で次のように述べています。
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 「もう応援に来ないで」とビルに言い渡したヒラリー。ここに
真実の夫婦がいる。ビルが余計な発言ばかりするものだから、ヒ
ラリーが怒っている。夫婦仲は極めて悪い。
                ──副島隆彦著の前掲書より
─────────────────────────────
 実際にビル・クリントン氏はどのような暴言を吐いたのでしょ
うか。その一部が「ニューズウィーク/日本版」に出ているので
ご紹介します。
 クリントン氏は、大統領時代に「包括的犯罪防止法」という法
律を1994年に成立させています。この法律には、重罪で前科
2犯の者が新たに罪を犯した場合、たとえ3度目が軽い罪であっ
ても、終身刑を科すという条項があるのです。その結果、刑務所
に入れられる黒人男性が激増し、米国の刑務所は過密状態になっ
てしまっています。
 ヒラリー・クリントン氏は、この法律の廃止を公約に掲げてい
ます。彼女は黒人に人気があり、黒人票を頼りにしているという
こともあります。しかし、ビル・クリントン氏は、自分の実績を
否定されたように感じたのでしょう。演説で、次のように激しく
反論したのです。
─────────────────────────────
 13歳の子供を麻薬漬けにして、街なかで同じアフリカ系アメ
リカ人の子供を殺させるような大人を許すのか。そんな奴も善良
な市民だと思うのか。ヒラリーは違う。そうは思っていない!あ
なたたちが大切だと言う命を奪うような連中を、あなたたちは擁
護するのか。             http://bit.ly/1RXl71T
     ──「ニューズウィーク/日本版」/2016年4月
─────────────────────────────
 また、ビル・クリントン氏は「過去8年間のひどい遺産」とオ
バマ政権を全否定するような発言を繰り返しています。しかし、
最初の4年間は妻のヒラリー氏も国務長官として政権に参加して
いるので、その発言は妻も否定したことになります。高齢といっ
ても彼はまだ70歳であり、ボケる年齢とは思えないのです。
 どうやら彼は、妻が頑張っていると妨害したくなるらしいので
す。妻に追い越され、焦っているようにもみえます。そのための
暴言のようです。そのビル・クリントン氏は、大統領時代の経済
の実績をとくに誇りにしています。
 確かに、クリントン政権はアメリカ経済の中心を重化学工業か
らIT・金融に重点を移し、第二次世界大戦後としては2番目に
長い好景気をもたらし、インフレなき経済成長を達成しており、
経済政策としては高い実績を上げています。
 しかし、それらの経済政策は、デイヴィッド・ロックフェラー
筋が送り込んだ次の強力な経済スタッフの手によって、成し遂げ
られたものなのです。
─────────────────────────────
 1.ロバート・ライシュ  ・・ 労働長官
 2.ジェフリー・サックス ・・ 閣外ブレーン
 3.ローレンス・サマーズ ・・ 財務次官
 4.ロバート・ルービン ・・・ 国家経済安全保障会議議長
 5.ミッキー・カンター ・・・ 通商代表
─────────────────────────────
 もし、ビル・クリントン氏に本当にそれほどの政治手腕がある
なら、49位で引き継いだアーカンソー州知事を12年後に同じ
49位のままで渡すことなど、あり得ないことです。
 ビル・クリントン大統領は1996年に再選されますが、両院
で共和党に多数派を明け渡しながら、大統領に当選した最初の民
主党の大統領であり、また、大統領選挙で2回とも一般投票の過
半数を獲得しないで選ばれた最初の大統領でもあるのです。2回
とも400人よりも少ない選挙人で当選した20世紀唯一の大統
領なのです。      ──[孤立主義化する米国/032]

≪画像および関連情報≫
 ●ヒラリー・クリントン:大統領就任時・夫を起用か!
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   民主党大統領候補指名を目指すヒラリー・クリントン氏は
  大統領に就任すれば夫のビル・クリントン元大統領に「米経
  済の活性化」を担当させると表明した。大統領選の本選を見
  据え、クリントン政権下の1990年代の好景気を有権者に
  思い起こさせ、支持を広げる戦略だ。
   米メディアによると、クリントン氏は5月15日のケンタ
  ッキー州での集会で「彼は(経済を活性化する)方法を知っ
  ている」と訴えた。16日にも同州で支持者に対して「誰も
  が恩恵を受けた90年代のような経済を取り戻したい」と強
  調した。「私が幸運にも大統領になり、彼が『ファースト・
  ジェントルマン』になったら、働いてもらうと夫に既に伝え
  た」と語った。
   クリントン氏は元大統領の具体的な役職などの詳細は明ら
  かにせず、閣僚ポストに指名する可能性は否定した。クリン
  トン氏は夫の大統領時代、ファーストレディーとして医療保
  険制度改革の責任者に就任した経験がある。改革は共和党の
  反対で挫折した。クリントン元大統領は民主党支持者に根強
  い人気があり、妻の選挙応援のために各地を遊説している。
   この発言の奥には、この指名選挙について回る「味方のは
  ずの夫ビルの失言・暴言に手を焼いているから」だという見
  方もある。ビル・クリントン元大統領の胸の内に、妻のヒラ
  リーを大統領にしたくないという思いが潜んでいるのかもし
  れない。そうでなければ、雄弁かつ頭脳明晰なはずの元大統
  領が妻の選挙戦で不用意な発言を繰り返している理由が分か
  らない。             http://bit.ly/2bOcxTu
  ───────────────────────────

クリントン夫妻は険悪ムード?.jpg
クリントン夫妻は険悪ムード?
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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