2016年06月07日

●「ファースト&フュリアス真の狙い」(EJ第4292号)

 オバマ政権がATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取
締局)に実施させたオペレーション「ファースト&フュリアス」
作戦の成果は惨憺たるものだったのです。
 この作戦の目的は、大量の米国の銃をメキシコに不法に流入さ
せ、その銃の流通をたどることによって、メキシコの麻薬カルテ
ルをあぶり出すことにあったのです。
 しかし、麻薬カルテルをあぶり出すどころかストロバイヤー数
人を逮捕しただけに終わっているのです。それどころか2000
丁を超える大量の銃は、メキシコに流れ込み、その多くは、麻薬
ギャングの手に渡った結果、犯罪に使われ、何の罪もないメキシ
コ市民が200人以上亡くなっているのです。
 ことはそれだけでは済まなかったのです。2010年12月に
アリゾナ州の国境警備官ブライアン・テリー氏が不法移民の追跡
中に銃撃戦に巻き込まれて死亡したのです。そのとき、現場には
2丁の銃が落ちていたのですが、その銃はATFが不法流入させ
た銃だったのです。
 なぜ、失敗に終わったのかというと、次の2つのことを怠って
いたからです。
─────────────────────────────
  1.2000丁の銃に追跡装置を付けていなかったこと
  2.事前にメキシコ政府に作戦について報告していない
─────────────────────────────
 この国境警備官ブライアン・テリー氏の死がきっかけになり、
「ファースト&フュリアス」作戦が明らかになります。米下院監
視・政府改革委員会による調査が行われ、エリック・ホルダー司
法長官の聴聞会が開催されたのです。
 このとき監視・政府改革委員会から要求された書類の一部の提
出を司法長官が拒否したのです。これは前代未聞のことです。エ
リック・ホルダー氏はこれによって法廷侮辱罪に問われ、議会に
より告訴される事態になったのです。
 司法長官が告訴される──大変不名誉なことであり、普通は辞
任するものですが、司法長官は辞任を拒否したのです。議会はあ
くまで、提出されない書類の提出を改めて求めたところ、今度は
オバマ大統領が異例の大統領特権を発動してこれを拒否したので
す。これで疑惑はかえって深まったのです。
 よほど見られては困る書類であることをあらわしています。し
かも、オバマ大統領にとって就任以来、初めての発動なのです。
加えてメキシコ大統領もこの間、本件について沈黙を守っていま
すが、これも不思議な話です。
 オバマ大統領は、銃は規制すべきであるという信念を持ってい
ます。したがって、何とかして銃規制の世論を盛り上げたいと考
えていたのです。銃による死者が出るたびにオバマ大統領は涙を
流しながら、コメントすることがよくあります。
 「ファースト&フュリアス」作戦は、麻薬カルテルを摘発する
ことを表向きの目的にしていますが、実は2000丁もの銃を不
法にメキシコに流し、銃による死者を多く作り出そうとしたフシ
があります。もし、これを国内でやってバレたら大変なことにな
ります。そのため米国に近く、人口流入も激しいメキシコでやっ
たものと思われます。
 もし本当であるとしたら、これはとんでもないことです。なぜ
なら、これによって罪もないメキシコ市民が200人以上も亡く
なっているからです。もし米国人の死者が出なかったら、これほ
どの騒ぎにはならなかったと思われます。
 「マッチポンプ」という言葉があります。これは英語ではなく
和製の外来語なのです。「マッチで自ら火事を起こしてそれを煽
り立て、それを自らポンプで消すこと」などと喩えられるように
問題や騒動について、自身でわざわざ作り出しておきながら、あ
るいは自身の行為がその根源であるにもかかわらず、そ知らぬ顔
で巧妙に立ち回り、その解決・収拾の立役者役も自ら担って賞賛
や利益を得ようとする、そのような行為を指して用いられる表現
です。「ファースト&フュリアス」作戦におけるオバマ政権の狙
いは、まさにマッチポンプそのものといえます。
 しかし、これほどの事件がなぜ日本には全然伝えられなかった
のでしょうか。実はこれには理由があるのです。これに関連して
「保守主義提唱者の随想」というサイトがあります。このサイト
で、「ファースト&フュリアス」作戦を取り上げているので、ご
紹介します。
─────────────────────────────
 ファースト&フュリアス事件は、オバマ政権がメキシコの麻薬
ギャングに故意に銃器を流出させた事件。表向きは「流通経路を
探るため」と言いながら、実の目的はわざと銃がらみの事件を多
発させて世論を銃規制に誘導すること。実際に流出した銃で国境
警備隊員が殺される事件が発生した。この超級スキャンダルが、
日本のメディアに全く登場しないのは、まさしくアメリカ・左翼
メディアの偏向報道によるものである。
 腐った日本のメディアはアメリカ・左翼メディアのコピーを垂
れ流すだけである。ベンガジ事件も同様である。いまだにあの事
件を引き起こしたのは「反イスラム動画」だという話になってい
るが、笑止千万である。        http://bit.ly/1ZnNh7j
─────────────────────────────
 このブログの記事によると「表向きは『流通経路を探るため』
といいながら、実の目的はわざと銃がらみの事件を多発させて世
論を銃規制に誘導すること」とあります。まさにマッチポンプそ
のものであることを指摘しています。
 どうしてこのブログは「ファースト&フュリアス」作戦につい
て正確に事実を指摘しているのでしょうか。
 それはこのブログには「コンサバティブ・ブログ」と書いてあ
ることに関係があります。「コンサバティブ」とは「保守的な」
という意味です。日本には米国のコンサバティブなメディアの記
事は入ってこないのです。──[現代は陰謀論の時代/105]

≪画像および関連情報≫
 ●アメリカはなぜ銃社会なのか?
  ───────────────────────────
   ナッシュ均衡は、いろいろな社会現象を読み解くときに、
  知っておくととても便利な道具です。ここではナッシュ均衡
  を使って、「アメリカはなぜ銃社会なのか?」(銃規制に反
  対する全米ライフル協会のひとたちは、べつに頭がおかしい
  わけじゃない)ということを説明しています。
   映画『ビューティフルマインド』は、統合失調症に苦しむ
  数学者ジョン・ナッシュと、彼を支えた家族の物語だ。ここ
  ろの病を克服してノーベル経済学賞を受賞した天才を讃えて
  彼の発見した定理は「ナッシュ均衡」と名づけられた。
   ナッシュ均衡は「他のプレイヤーの戦略を所与とした場合
  どのプレイヤーも自分の戦略を変更することによってより高
  い利得を得ることができない戦略の組み合わせ」のことで、
  この非協力ゲームでは条件によっては複数の均衡解が存在す
  る――といっても、これはぜんぜん難しい話じゃない。
   たとえば自動車が登場したばかりの社会を考えてみよう。
  みんなが好き勝手な走り方をすれば、あちこちで正面衝突が
  起きてしまう。そこでまず、右側通行か左側通行かを決めな
  くてはならない。このときもっとも合理的な行動は、右側通
  行の車がなんとなく多ければ自分も右側を走ることだ(逆に
  左側通行が多ければ左側を走ればいい)。
                   http://bit.ly/25GWHSD
  ───────────────────────────

エリック・ホルダー司法長官.jpg
エリック・ホルダー司法長官
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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