2016年06月06日

●「全米揺るがすオバマ政権の大事件」(EJ第4291号)

 ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補の指名を確実にし
て以来、日本では民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏に
ついての情報がまったく伝えられなくなっています。
 現在米国の民主党では、クリントン氏とサンダース氏が大統領
予備選をまだ戦っています。クリントン氏の民主党の大統領候補
の指名は確実ですが、対抗者のサンダーズ氏はなぜか予備選を降
りていないのです。
 サンダース氏が今でも大統領選を降りないのは、クリントン氏
が何らかの事情で大統領選に出られなくなる可能性に賭けている
フシがあります。
 実際に現在、クリントン氏は相当苦境に立っています。FBI
の事情聴取が報道され、ただでさえその人気に陰りが出ているの
で、未だに指名を獲得できないでいるのです。5月29日にも次
の記事がネット上に出たのです。
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  Hillary Clinton to be Indicted on Federal
  Racketeering Charges.
  ヒラリー・クリントンはラケッティア活動で起訴される
   ──2016年5月29日付、米ハフィントン・ポスト紙
─────────────────────────────
 ラケッティア活動とは、違法行為によって不正な利益を得る犯
罪を総称する言葉です。これを規制する法律にRICO法があり
ます。しかし、この記事はネット上にアップされた直後に消去さ
れています。オバマ政権からの圧力であると思われます。
 この記事を書いたのは、フランク・ヒューグエナード記者です
が、彼はサンダーズ氏の支持者であり、記事の目的は、クリント
ン支持層を崩すための情報戦の一環とされています。
 米国の大統領選は、いくら相手を誹謗中傷してよいことになっ
ており、当然のことながら、クリントン氏が民主党の指名を受け
れば、今度はトランプ氏がもっと激しくその弱点を衝いてくるこ
とは確実であるといえます。
 ジェームズ・コーミーFBI長官は、ヒラリー・クリントン氏
が夫の元大統領ビル・クリントンと設立したクリントン財団を犯
罪組織と認定し、ロレッタ・リンチ司法長官に、クリントン財団
が、資金洗浄や個人、企業、外国政府から、政治的、政策や司法
上の利益などを獲得する見返りに賄賂を受け取っていたとする起
訴内容を提出するとしています。
 おそらくオバマ大統領の高度な政治判断により、起訴はさせな
いと思いますが、トランプ氏との対決では、クリントン氏は相当
苦しい選挙戦を戦うことになることは必至です。
 実はもうひとつ現在全米を揺るがしているオバマ政権に関する
大事件、いや大スキャンダルがあります。この事件は米国では連
日のように報道されていますが、なぜか日本では何ひとつ報道さ
れていないのです。
 それはATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)
が極秘に進めたオペレーション「ファースト&フュリアス」をめ
ぐる事件です。この名称は映画『ワイルド・スピード』からとら
れています。原題は「ファースト&フュリアス」です。
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 映画『ワイルド・スピード』(The Fast and The Furious)
 ≪あらすじ≫
 ストリート・カーレースに大金を賭ける若者たちが、夜な夜な
集まるロサンゼルス。ある夜、ストリート・レーサー達をとり纏
める凄腕ドライバーのドミニクは、一人の白人・ブライアンに勝
負を挑まれる。ブライアンは勝負に負けるが、勝負への姿勢をド
ミニクに気に入られ、行動を共にすることになる。
 だが、ブライアンの正体は実は警察官であり、高額な貨物を載
せたトラックが次々と改造車の集団に襲われるという事件を追っ
て、潜入捜査のため彼らに接触したのだった。身分を隠してスト
リート・レーサーの仲間となったブライアンだったが、やがて、
ストリート・レーサーらに対する友情が芽生える。しかし、ジョ
ニー・トランのグループによるレーサー同士の抗争に巻き込まれ
事態は思わぬ方向に進展してゆく。   http://bit.ly/22EJog8
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 ATFの「ファースト&フュリアス」オペレーションは、オバ
マ政権下の2009年から2011年の間に実施された作戦であ
り、これは別名「ガン・ウォーキング」とも呼ばれています。つ
まり、銃を歩き回らせる作戦です。
 国境を越えて米国の銃を大量にメキシコに不法に流すのです。
ATFがアリゾナ州の銃ディーラーに銃を渡し、メキシコから米
国に来ている麻薬密売の容疑者たちに銃を販売させます。しかし
麻薬密売容疑者は、銃の所持が禁じられているので、銃のディー
ラーと麻薬密売容疑者の間には「ストロバイヤー」が入ることに
なります。ストロバイヤーは、銃の所持を禁じられている人のた
めに代理で銃を購入する人です。
 要するにこれは一種の「おとり捜査」なのです。メキシコ政府
と連絡をとったうえで、わざと大量の銃をメキシコに流し、それ
らの銃の流れを追跡してストロバイヤーから麻薬密売容疑者をた
どり、麻薬カルテルの大物メンバーを突き止め逮捕する──これ
が目的だったのです。
 それでは、なぜこのおとり捜査を「ファースト&フュリアス」
と呼んだのかというと、おとり捜査の筋が似ているからです。実
際に捜査中の容疑者の何人かは自動車修理をしながら、ストリー
トレーシングをしていたのです。
 しかし、このおとり捜査は大失敗だったのです。販売された銃
は2000丁で、取引額が100万ドルを超えるにもかかわらず
逮捕したのはストロバイヤー数人であり、麻薬カルテルの大物な
ど一人も逮捕できていないからです。それもそのはずです。この
作戦には大きな手抜かりと別の意図があったのです。明日のEJ
でお話しします。    ──[現代は陰謀論の時代/104]

≪画像および関連情報≫
 ●米銃器取締当局の内部告発者
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   米国からメキシコに大量に流れる銃器を追跡しようという
  作戦は失敗し、米アルコール・タバコ・火器爆発物取締局/
  ATFの局長代理の解任とアリゾナ地区連邦検事の辞任を招
  くに至りました。「ファスト&フュリアス(迅速かつ猛烈)
  作戦」と名付けられ、かつては秘密だったこの作戦では、A
  TFのエージェントたちが米国の銃器店に何千もの武器をメ
  キシコの麻薬カルテルとの仲介者に売りつけるように奨励し
  ていました。そこからメキシコの犯罪組織の上層部の人間た
  ちに辿り着けると考えていたのです。
   しかし、ATFは、2500丁もの銃器の行方を見失って
  いました。先週、米司法省は議会の公聴会で証言し、問題と
  なっているATFのおとり捜査と関係ある銃火器が少なくと
  も米国内の11の暴力犯罪で使用されていたと認めました。
  米国の国境警備隊員が殺害された事件もその一つです。その
  一方で、この作戦が容疑者の逮捕に結びついたことは一度も
  ありませんでした。それでも今年8月にはその作戦に直接に
  関与した3人の幹部が昇進しています。ATFの特別捜査官
  で今回のこの「ファスト&フュリアス作戦」に関する内部告
  発の一翼を担ったビンセント・セファルーに登場してもらい
  ます。彼はこの内部告発により報復人事を受けてきました。
                   http://bit.ly/25DEylo
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映画「ワイルド・スピード」.jpg
映画「ワイルド・スピード」
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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