されることが決定しています。共和党の大統領候補はヒラリー・
クリントン氏で間違いないと思います。
トランプ氏は、代表に決まった後も日本や韓国などへの暴言を
やめず、対決姿勢を打ち出しており、多くの日本人を何となく不
安な気持に陥れています。しかし、本選挙ではクリントン氏が勝
つだろうと安心している人もいます。
しかし、本当に本選挙でクリントン氏はトランプ氏に勝てるの
でしょうか。実はこれがとても厳しいのです。その理由について
これからEJで述べることにします。
実は仮にクリントン氏が大統領になっても、日本にとってはよ
いことはないのです。それは、ヒラリー氏の夫のビル・クリント
ン大統領時代の日本を考えればをわかることです。
クリントン大統領は内政では、経済に重点を置き、重化学工業
からIT・金融に重点を移して経済を活性化させ、第2次世界大
戦後としては、2番目に長い好景気をもたらし、インフレなき経
済成長を実現させています。
しかし、外交では、不慣れや民主党に外交の専門家がいないと
いうこともあって、成果らしきものを何ひとつ残せていないので
す。とくに日本に対しては、かなり敵対意識を持っていて、ベン
ツェン財務長官の主導により、円高政策が強力に推し進められ、
日本の輸出産業に円高不況と呼ばれるほどの深刻な打撃を与えた
のは記憶に新しいのです。
さらに減税や銀行への公的資金の投入、スーパー301条に基
づいた市場開放を高圧的に内政干渉にも近いかたちで要求すると
いう、日本にとってけっして友好的な政権ではなかったのです。
同じ民主党でもオバマ政権は、クリントン政権よりは、はるかに
マシであると思います。
何よりも許せないのは、クリントン大統領が、日本に立ち寄る
ことなく訪中し、9日間にわたって中国に滞在したことです。こ
れは、「ジャパン・パッシング」(日本無視政策)と呼ばれ、日
本の政財界に戦後共有されていた「民主党=反日・親中」という
認識を改めて再確認させることになり、日本では共和党政権の樹
立に期待が高まったのです。
もうひとつ気になるのは、クリントン家がディロン社と関係が
深いことです。5月11日付のEJ第4273号で述べたように
米国は、1980年9月、ディロン社社長ウィリアム・ペリー氏
を団長とする米軍事視察団を訪中させ、その直後から中国への兵
器売却を始めています。
それ以後もディロン社による中国の兵器の売却は続くのですが
クリントン政権時に、ディロン社の元社長のウィリアム・ペリー
氏を国防長官に任命しています。クリントン大統領がジャパンパ
ッシングして中国に長逗留するわけがここにあります。この中国
寄りの姿勢は、妻のヒラリー・クリントン氏が大統領になっても
変わらないと思います。
さて、現在に話を戻します。「トランプVSクリントン」の戦
いではなぜトランプ氏が有利になるかです。それは、ヒラリー・
クリントン氏の人気がさらに失速する可能性があるからです。
それは、大統領予備選が開始される前から全米に巻き起こってい
るクリントン氏の国務長官在職時の個人メール問題です。
2016年5月7日のNHKのニュース・ウェブは、次のよう
な衝撃的ニュースを伝えています。
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アメリカ大統領選挙に向け、民主党の指名獲得に大きく近づい
ているクリントン前国務長官が、私用のメールアドレスを公務に
使っていた問題で、アメリカメディアは数週間以内にFBI=連
邦捜査局がクリントン氏本人の事情聴取を行う見通しだと伝えま
した。アメリカ大統領選挙に向けた民主党の候補者選びで指名獲
得に大きく近づいているクリントン氏は、国務長官在任中に私用
のメールアドレスを公務に使っていたことが明らかになっていま
す。これについてアメリカメディア各社は、FBIが最近、クリ
ントン氏の側近らの事情聴取を行ったとしたうえで、クリントン
氏本人の聴取も数週間以内に行う見通しだと伝えました。
クリントン氏のメールには、機密情報が含まれていたことが分
かっていますが、クリントン氏側は「送受信した当時は機密に指
定されていなかった」と主張していて、アメリカメディアにより
ますと、現時点ではクリントン氏が故意に違法行為を行った証拠
は見つかっていないということです。 http://bit.ly/1rEZ0TR
──NHK NEWS WEB
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米大統領予備選挙では、本来であれば圧倒的に知名度のあるク
リントン候補が、無名のサンダース候補を圧倒し、とっくに民主
党の指名を確実にしてもおかしくないのに、サンダース候補が意
外に善戦しており、インディアナ州の予備選でも勝利して、5月
8日現在、まだ候補から下りていないのです。負けは必至なのに
サンダース候補は、何かを待っているように思えます。
うがった見方かもしれませんが、その待っている理由はメール
問題で、クリントン氏がFIBの事情聴取を受け、場合によって
は逮捕されることではないかと思うのです。もし、そのようなこ
とになると、サンダース氏が民主党の大統領候補の指名を得るこ
とになります。
荒唐無稽の話ではないのです。現実問題として、クリントン氏
のFBIによる事情聴取は現実のものとなりつつあります。逮捕
はあってもおかしくはないのです。確かにメディアは、違法性は
ないとしていますが、メール問題の背景を精査すると、なぜ、ク
リントン氏が私用のメールを使ったのかがわかってきます。
国務省は、クリントン氏の私信メールのほとんどを公開してい
ますが、22件については「最高機密」にして公開していないの
です。この22件のメールの内容がクリントン氏の運命を握って
いるのです。 ──[現代は陰謀論の時代/088]
≪画像および関連情報≫
●「メール全件削除」のヒラリー、疑惑はかわせたのか?
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ヒラリー・クリントン氏が自分の「eメール」をめぐるス
キャンダルに巻き込まれそうになりました。2009年から
の4年間、オバマ政権の国務長官時代に法律に違反して、個
人のメールアドレスを使って公務をしていたというのが問題
になったのです。
まず、国務長官と言えば国の外交の事実上の責任者であり
最高の外交官でもあるわけです。ですから公務を遂行するに
あたって必ず国務省のサーバを通して、公式のアドレスで交
信をすることが義務づけられているわけです。
理由は簡単で、国家の最高機密を扱う以上は「最高のセキ
ュリティで情報を保護する必要がある」からです。個人のア
ドレスを使用したり、セキュリティの甘いサーバを使われた
りして、機密が漏えいしたら大変なことになるわけで至極当
然の措置と言えます。
但し、個人のアドレスの使用が全く禁止されているかとい
うと、そうではなく緊急避難的な使用は認められています。
その場合はメールのコピーを国務省に提出することが義務づ
けられています。さて、このスキャンダルですが、共和党の
一部と保守系のTV局「FOXニュース」などが、かなり躍
起になって追及をしていました。2016年の大統領選へ向
けて、立候補表明前に「最強の民主党の候補ヒラリー」を政
治的に葬ることができればホワイトハウス奪還もグッと現実
味を帯びてくる、追及にはそんな迫力が感じられたのです。
http://bit.ly/1EaK176
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選挙中のヒラリー・クリントン


