2016年05月12日

●「『航行の自由』作戦の本気度疑う」(EJ第4274号)

 5月11日のEJで、米国による中国への兵器売却と軍事技術
の供与について述べましたが、信じられるでしょうか。現在のオ
バマ政権は、表面的には日本と価値観を共有し、中国の力による
現状変更を非難していますが、そのウラで中国に兵器を売却し、
軍事情報を供与しているのです。
 試みにネットで「米国による中国への兵器売却」をキーワード
として検索すると、米国の台湾への兵器売却とそれに対する中国
の抗議と批判の記事がたくさん出てきますが、求める記事はひと
つも見つからないのです。
 しかし、「ディロン社による中国への兵器売却」をキーワード
にして検索すると、陰謀論的な記事ではあるものの、多くの記事
がヒットします。最近の検索エンジンはAI(人工知能)が使わ
れているにも関わらず、「中国=台湾」は認識するが、「ディロ
ン社=米国」は認識しないのです。何らかの工作が行われている
ような気がします。そもそもディロン社についてはウィキペディ
アも存在しないからです。
 しかし、ディロン社の社長──ジェームズ・フォレスタルにし
ても、ウィリアム・ペリーにしても──いずれも、時の政権で国
防長官になっている事実があり、ディロン社が時の政権と一体で
あったことを示しています。
 2015年8月〜9月に、自衛隊と米軍によるカルフォルニア
州での「統合軍事演習」と「離島奪還訓練」がかなり大きな規模
で行われています。演習のテーマは、中国軍に占領された尖閣諸
島を日米軍が奪還するという想定であり、明らかに中国を「敵」
とみなして行う演習です。
 この演習は実戦に近い内容で行われ、大量の兵器や実弾が使わ
れます。それらの演習に必要なものは、すべてディロン社から購
入しているはずであり、費用は日本の全額負担になります。当然
米韓合同軍事演習の費用も韓国は全額支払っているでしょう。つ
まりこれによってディロン社は大儲けできるわけです。戦争にな
るかもしれないという緊張感をつくり出せば出すほど、ディロン
社は儲かるのです。まさに戦争ビジネスです。
 さて、米国の中国に対する対応にはいくつも不可解なことが多
いのです。2015年10月27日、米国は、米海軍ミサイル駆
逐艦「ラッセン」を派遣し、中国が全域を実効支配する南シナ海
・西沙諸島にあるトリトン(中建)島の12カイリ内を航行する
「航行の自由」作戦を実施したのです。
 「遂にやってくれた!」──関係国は喝采したのです。しかし
あまりにも実行するのが遅すぎたし、米国はこの作戦を今後も続
けるとはいうものの、それだけでこの問題が片付くとは、思えな
いのです。その間に人工島の武装化は進むだけです。
 実は、この航行の自由作戦を打ち消すようなことを米海軍はそ
の半月後にやっているのです。次の日本経済新聞の記事を読んで
ください。
─────────────────────────────
 米海軍のイージス艦「ステザム」が11月16日、中国海軍と
の合同訓練を目的に上海に寄港した。(中略)米海軍のイージス
艦「ラッセン」が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸国
海域で「航行の自由作戦」を展開するなかで、米中は軍事交流を
続ける。ステザムは上海に1週間滞在し、中国海軍と合同で海難
救助や通信訓練を行う。バスケットボール大会などを通じ友好を
深めるとしている。
 会見したステザムのハリー・マーシュ艦長は「お互いの理解を
深める」ことが合同訓練の目的とした上で、南シナ海問題につい
て「米海軍は特定の立場を取らない」と述べた。同艦は米海軍横
須賀基地(神奈川県)に所属する。
        ──2015年11月17日付、日本経済新聞
                      ──鈴木啓功著
  『日本人だけが知らない/この国の重大な真実/闇の世界金
           融の日本占領計画』/イースト・プレス
─────────────────────────────
 以上の記事が掲載された3日後の2015年11月20日付の
朝日新聞に次の記事が掲載されています。
─────────────────────────────
 米国防総省は11月18日、米国と中国の海軍艦船が近く中国
沿岸で合同訓練を実施すると明らかにした。捜索・救助活動に関
する演習で、米中両軍は今月上旬にも、米フロリダ沖の大西洋上
で合同訓練を実施しており、軍事交流を通じ、両国の海上での不
測の事態を回避する狙いがあるとみられる。
 合同訓練に参加するのは米海軍のミサイル駆逐艦ステザム。同
艦が上海を親善訪問した後、演習に参加する。同省当局者は「以
前から決まっていた通常訓練の一環」としている。
 米海軍は10月下旬、南シナ海で中国が埋め立てた人工島から
12カイリ(約22キロ)内に駆逐艦を進入させ「航行の自由」
作戦を実施。中国側は反発したが、演習を通じて相互理解を深め
る考えだ。   ──2015年11月20日付、「朝日新聞」
                ──鈴木啓功著の前掲書より
─────────────────────────────
 この朝日新聞の記事によると、米海軍と中国海軍は頻繁に合同
訓練を実施していることがわかります。航行の自由作戦を実施し
た後で、11月上旬には米フロリダ沖の大西洋上でも中国と通常
の合同訓練を実施しているとあります。大西洋は中国には何の関
係もない海域です。「通常訓練の一環」とあるからには、定例的
に実施している訓練ということになります。
 そうであるとすると、10月末の航行の自由作戦は何だったの
でしょうか。「芝居」だったのでしょうか。しかも米国は中国と
の軍事共同訓練を隠してはいないのです。堂々と、やっているの
です。だから、新聞に掲載されているのです。日本は自国の安全
保障を根底から考え直す必要があります。米国の正体見たりとい
う感じです。      ──[現代は陰謀論の時代/087]

≪画像および関連情報≫
 ●アメリカの南シナ海「航行の自由」作戦
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   10月28日の日本の主要紙は、アメリカが南シナ海に軍
  艦を送って「航行の自由作戦」を開始したことを、そろって
  1面で報じた。中国が南シナ海に人工島を建設していること
  に対して、同海域のシーレーンを守るために、ついにアメリ
  カ政府が重い腰をあげたということだ。
   そもそも、この作戦は5月ごろから検討されてはいたが、
  オバマ米大統領が習近平・中国国家主席の訪米が終わるまで
  実施を見送ってきた経緯がある。作戦の実施そのものは評価
  できるが、オバマ大統領の中国への過剰とも言える配慮がう
  かがえる。
   英エコノミスト誌も、「米艦船が27日に、中国が自国の
  領海と見なす南シナ海に進入したことについての疑問は、そ
  れが実施されたということではない。むしろアメリカが「ル
  ーティン」と主張し続けるこのパトロールが、もっと早く行
  われなかったことだ」と指摘している。
   日本国内では、今回のアメリカの作戦によって、中国が窮
  地に陥ったという議論も出されている。しかし、アメリカが
  軍艦を送っただけで解決するほど、問題は簡単ではない。中
  国は3千メートル級の滑走路を3本も建設しており、軍事目
  的であることは明らかだ。     http://bit.ly/1Nmp7cq
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航行の自由作戦/駆逐艦「ラッセン」.jpg
航行の自由作戦/駆逐艦「ラッセン」
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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