2016年04月21日

●「熊本地震と動きは予知されている」(EJ第4263号)

 熊本地震は、まだ震度5クラスの地震が収まらず、その規模は
拡大しつつあります。震度5というと、311のさい、関東地方
でも発生しており、私自身も体感しています。立っていられない
ほどのかなり大きな揺れです。
 既に熊本市では、14日夜から19日夜までに、震度4以上の
地震が88回も起きています。これでは人々は、不安で日常的な
行動を何もできなくなります。
 それは、この先どうなるのかという予測がまるでつかないから
です。気象庁にしても、地震学者にしても、起こった地震の後づ
けの解説──横ずれであるとか、縦ずれであるとかという類の解
説をするだけで、肝心の今後どうなるかについては、「わからな
い。現在の技術レベルでは予知は困難である。身を守る努力をし
て欲しい」の一点張りです。
 つまり、先のことは読めない、何もいえない──すなわち、予
知や予測は不可能であるというのです。地震の動きは自然現象で
あって、その予測は困難であるというのです。日本の地震学では
それが常識になっているようです。しかし、それでは、気象庁に
しても、地震学者にしても、専門家としては、あまりにもお粗末
ではないでしょうか。
 地震大国の日本における地震の研究は、どのくらい前からはじ
められたかについて調べてみたのですが、地震の研究は124年
もかけて行われてきているのです。
 日本は最も詳細な地震の記録が現存している国です。明治25
年(1892年)に、濃尾地震を契機として、震災予防調査会が
組織されています。そして、1893年から関谷清景らにより調
査研究がスタートしています。この震災予防調査会を起点とする
と、既に124年が経過しています。
 124年もかけて研究しながら、日本の地震学は「地震の予知
はできない」というレベルです。現在九州で頻発する地震が今後
どうなるかについてさえ、明確に予測できないレベルであるとい
うことになります。まさに、いつ地震が収まるかは神のみぞ知る
ということになります。
 その一方で、「地震は予知できる」と主張する地震学者や研究
家もたくさんいるのです。しかし、それらの学者や研究家は、一
般論ではあるものの、地震学会からはうとまれ、研究資金にも恵
まれない状況に置かれている人がほとんどです。
 この「地震は予知できる」と主張する学者や研究者については
既にEJでは次の3人をご紹介しています。
─────────────────────────────
           1.森谷武男氏
           2.早川正士氏
           3.村井俊治氏
─────────────────────────────
 このうち、早川正士氏と村井俊治氏の2人は、今回の熊本地震
について事前に予知し、ほぼ的中させているのです。しかし、い
わゆる地震学会というか、地震が起きるとよくテレビに出演し、
解説する気象庁や正規の地震学者には相手にされないどころか、
研究の妨害すらされているのです。
 早川正士電気通信大学名誉教授は、地震が起きる約1週間前に
前兆現象として起きる地殻のヒビ割れに注目し、このヒビが発生
させる電磁波が地球上空の電離層に与える影響を分析し、地震の
発生場所と地域を予測するのです。
 今回の熊本地震について早川氏は、インターネット上の地震予
測情報サービス「地震解析ラボ」において、事前に次のように予
測をしていたのです。
─────────────────────────────
 4月8日から19日の間に、伊予灘から日向灘にかけて、内
 陸で、M5・0前後、海底で5・5前後、最大震度4程度の
 地震がおきる。──2016年4月15日付、日刊ゲンダイ
─────────────────────────────
 地震は14日に起きており、的中したのですが、実際に起きた
地震と比べると、震源はやや西にそれています。これは、早川氏
にいわせると、震源の深さを50キロ程度と予測していたので、
ここまで揺れるとは考えていなかったということです。
 これに対して村井氏は、東大名誉教授ですが、地震学者ではな
く、地表の位置関係を測定する測量工学の権威です。その彼が注
目しているのは人工衛星で観測される地殻の動きです。村井氏は
地震予測の新たな可能性として、GPSを使った測量に使用する
全国に1300ヶ所にある電子基準点(固定GPS局)のデータ
で、地震を予測する方法を発見したのです。この方法で、村井氏
は2014年1月からの地震で、震度5以上の地震11回のうち
9回の予測を的中させています。
 村井氏は、九州と四国の間の伊予灘と日向灘に注目し、次のよ
うに述べていたのです。
─────────────────────────────
 東日本大震災の2日前には三陸沖を震源とする震度5弱があっ
た。今後日向灘周辺で震度4ないし5の地震が起きたら、それが
引き金になって、南海地震を引き起こす可能性がある。
            ──村井俊治氏 http://bit.ly/NgwgMB
─────────────────────────────
 現在、熊本地震は14日夜の地震が大分県中部にある「別府─
万年山断層帯」まで拡大しつつあります。別府でも地震が起きて
います。別府と日向灘はすぐ近くであり、村井氏のいう状況にな
りつつあります。慶長豊後地震と同じ動きです。
 つまり、早川氏は今回の熊本地震を事前に予測し、村井氏は、
その地震のその後の動きを予測したことになります。しかし、村
井氏の予測では、今後地震は南海地震に発展する可能性があるこ
とを示唆しています。そうなってはほしくないものの、いまだに
地震が終息していないだけに、今後の地震の動きを注視する必要
があります。    ────[現代は陰謀論の時代/076]

≪画像および関連情報≫
 ●台湾「地震予測研究所」/熊本地震予報が「的中」?
  ───────────────────────────
   2016年4月14日夜に熊本県で起きた「平成28年熊
  本地震」は、最大震度7、マグニチュード6・5を記録し、
  発生から12時間で震度4以上の余震が20回も発生してい
  る。ここでにわかに夕刊紙などで注目が集まっているのが、
  地震発生を相次いで「的中」させているとされる台湾のブロ
  グ「地震予測研究所」だ。今回の地震についても、4月9日
  に「3日以内に南日本か台湾でM6・3の地震が起きる」と
  予報したばかり。このブログは毎日のように予報を発表して
  おり、日本が対象になっているものも多い。
   「地震予測研究所」のブログやウェブサイトによると、同
  研究所が活動を始めたのは2008年5月。台湾の各地や上
  海に観測計を設置して電磁波を測定し、過去に発生した地震
  が起こる前に観測された電磁波のパターン(波形)と比較し
  発生を「予報」していると説明している。
   「研究所」の実態は明らかではないが、代表の林湧森氏は
  過去に台湾のテレビに出演し、予報の方法について解説した
  こともある。すでに16年だけで、「的中」「ニアピン」が
  指摘されているパターンも多い。  http://bit.ly/1YFZm7j
  ───────────────────────────

日向灘と南海地震.jpg
日向灘と南海地震
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。