ます。巨匠スタンリー・キューブリック監督制作の映画です。こ
の映画のタイトルには、次の副題がついています。
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──博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを
止めて、水爆を愛するようになったか──
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どのような映画なのでしょうか。
映画の冒頭には、米国空軍から、「この映画はフィクションで
あり、現実には起こりえない」という断り書きが出ます。実際に
ありうる話なので、フィクションであることを強調しています。
何はともあれ、映画の概要を簡潔にまとめているサイトから引
用することにします。
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≪あらすじ≫
アメリカ軍基地の司令官がソ連の核基地の爆撃指令を発した。
司令官の狂気を知った副官は、司令官を止めようとするが逆に監
禁されてしまう。
大統領は、ソ連と連絡を取って事態の収拾を図る。しかし、迎
撃機によって無線を破壊された1機が、ついに目標に到達してし
まう・・・。核による世界破滅を描いたSF近未来もの。
キューブリック流ブラック・ユーモアが、ピーター・セラーズ
演じる英国大佐、大統領、マッド・サイエンティストの一人三役
や、ジョージ・C・スコット演じる超タカ派の将軍などを主軸に
徹底して貫かれているあたりがかなり好感触。ブラックな題材を
扱っているにも関わらず、ラスト、期待を外すことなくそのまま
の勢いで突っ切ってゆき、臆することなく大いに笑わせてもらえ
る。頭からシッポまで楽しめる極上コメディ。
http://bit.ly/1U9Grmv
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映画のなかで、「博士」を名乗る人物は、大統領科学顧問とし
て登場し、ストレンジラブ博士と名乗るのです。実はこの博士に
は、実際のモデルがいるという噂があり、次の2人のうち、その
どちらかではないかといわれています。
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1. フォン・ノイマン ・・・・ 原爆の父
2.エドワード・テラー ・・・・ 水爆の父
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「1」のフォン・ノイマンは、アラン・チューリング、クロー
ド・シャノンらとともに、現代のコンピュータの基礎を築いた功
労者です。
なかでも現在われわれが使用しているコンピュータは「ノイマ
ン型コンピュータ」といわれるほど、ノイマンは大きな貢献をし
ているのです。それは、現在のほとんどのコンピュータの動作原
理「ストアード・プログラム方式」の考案者であるからです。そ
のため、ノイマンは「コンピュータの父」とも呼ばれます。
また、ノイマンは、2月12日付のEJ第4215号でご紹介
したように、ニコラ・テスラの「フィラデルフィア計画」を引き
継いだ人物でもあり、第2次世界大戦中は「マンハッタン計画」
の軍事顧問として原爆の製造にも参加しています。
ノイマンは、爆薬を32面体に配置することにより、核爆弾が
製造できることを10ヶ月にわたる計算で導き、原爆製造にも貢
献したことによって「原爆の父」ともいわれるのです。
実は原爆の日本投下に関しては、多くの反対意見があったので
すが、ノイマンはあくまで「無警告で投下すべき」と強硬に主張
し、実際に広島と長崎に原爆は投下されたのです。これはノイマ
ンの負の側面ですが、その他の多くの業績により、この面はあま
り強調されていないようです。なお、日本への原爆投下のいきさ
つについては改めて取り上げます。
それでは「2」のエドワード・テラーとは何者でしょうか。
実はこのテラーこそ、ケムトレイルに深い関係があるのです。
テラーは、ハンガリー生まれで、米国に亡命し、ノイマンと一緒
に「マンハッタン計画」に参加しています。
しかし、テラーは、ノイマンの進める核分裂だけの核爆弾では
なく、核融合による水素爆弾を主張したのです。第2次大戦後に
水爆の製造に携わり、1952年にソ連よりも半年も早く水爆実
験に成功しています。そのためテラーは「水爆の父」といわれる
のです。その後、ロスアラモス研究所に代わる第2の核兵器研究
所といわれるローレンス・リバモア国立研究所の所長に就任して
います。
この研究所でテラー博士の指示のもとに「環境版マンハッタン
計画」というべきものが進められているのです。そのひとつにケ
ムトレイルがあるのです。
ここで「マンハッタン計画」について簡単に説明します。この
計画は、第2次世界大戦中に米国が極秘にスタートさせた原爆開
発計画のことです。5万人にのぼる科学者、技術者を使い、総計
20億ドル(7300億円)の資金が投入されたといわれている
のです。ちなみに、1940年の日本の一般会計は60億円であ
り、1945年で220億円ですから、マンハッタン計画にいか
に巨額の資金が投入されたかがわかります。
マンハッタン計画に参加したハンガリー生まれのユダヤ人は、
テラー以外にレオ・ジラードとユージン・ウィグナーの2人がい
ますが、彼らは「アインシュタインの手紙」にかかわった3人衆
といわれています。この「アインシュタインの手紙」についての
いきさつについては、明日のEJで述べることにします。
マンハッタン計画に携わった科学者は、ハンガリー系以外にも
大勢います。その頂点に立つのは、ロスアラモス研究所所長であ
り、マンハッタン計画を主導したロバート・オッペンハイマーで
す。彼はニューヨーク生まれのユダヤ人なのです。
──[現代は陰謀論の時代/051]
≪画像および関連情報≫
●「ストレンジラブ」を語る
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米ソ冷戦時代、ある噂がありました。「ソ連は『皆殺し爆
弾』っつーのを開発したらしい」。そいつが発動されると地
球上の生き物はみんな死んじゃうんだって・・・・。スタン
リー・キューブリックはこの重苦しい『核』の恐怖をブラッ
ク・コメディにしました。
ある軍事基地司令官、「水道水に入っているフッ素はソ連
の恐るべき謀略だ」と勝手に思いこんでしまいます。そこで
彼は、国家非常事態に発動できる「R作戦」を部下に告げま
す。「R作戦」・・・敵国から攻撃を受けた場合、大統領の
権限に関係なく、一般下級司令官が核による報復をしてよい
というハチャメチャな作戦。その作戦を回避するためには暗
号が必要。それはこの司令官しか知らないのです。いきなり
の作戦命令で同様する爆撃部隊ですが、暗号が本物と知ると
「名誉」「昇進」に奮起、空路ソ連を目指します。
大統領以下国防省は大慌て。ホットラインでソ連首相に連
絡するが、相手は泥酔状態でチンプンカンプン。大統領も必
死で友達口調で説得します。それでも指令基地に部隊を派遣
して爆撃機帰還を強制させようとします。基地側はやってき
た部隊が敵だと思いこみ激しい戦闘となります。
http://bit.ly/1pqM2ss
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映画『博士の異常な愛情』より