体』(創元社)へのレッテル貼りの話に戻ります。実は、この本
とほぼ同時に孫崎氏は『アメリカに潰された政治家たち』(小学
館)を上梓しているのです。
佐々木氏はこの2つの本を読んで、『戦後史の正体』の書評を
書いたのではないかと思われます。ここには、佐々木氏が陰謀論
であると糾弾する米国に潰された政治家の話が出てくるのです。
佐々木氏は、この本を読んで孫崎氏の発想を「陰謀論的」と判断
したのではないでしょうか。
米国が、自国にとって都合の悪い日本の政治家を検察を使って
失脚させたのではないかということはよく聞かれる話ですが、日
本の文化人の多くはその話を「陰謀論」ときめつけます。多くの
場合、事実をていねいに調べることなく、そう断定するのです。
これについては、自らも検事である郷原信郎氏も陰謀論と断定
しています。
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西松建設事件以降の小沢一郎氏に対する一連の検察捜査がアメ
リカの意向によって行われたものだという見方もあるが、私はそ
のような「陰謀論」には与しない。検察をめぐる問題は、そのよ
うな単純な話ではなく、むしろ検察の独善的かつ閉鎖的組織の特
質に根差す複雑な問題だ。私は、そのような検察に対する「アメ
リカの陰謀論」を基本的に否定してきたが、その私にとっても、
同書の検察に関する記述には全く違和感がなかった。
http://bit.ly/1P8Z4zP
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しかし、自民党には「清和会」と「経世会」の二大派閥があり
これらの派閥と米国の関係は明らかに違うといえます。二つの派
閥を比較してみます。
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◎清和政策研究会(清和会は旧名称)
清和政策研究会は、福田派からはじまって、安倍派、三塚派、
森派と変遷している。代表的な政治家は、福田赳夫、小泉純一郎
森喜朗、安倍晋三などを上げることができる。
◎平成研究会(経世会は旧名称)
平成研究会は旧田中派の流れを汲むもので、竹下派、小渕派、
橋本派、津島派と変遷している。代表的な政治家は、竹下登、橋
本龍太郎、小渕恵三などを上げることができるが、旧田中派の田
中角栄、小沢一郎などを上げることができる。
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これら2つの派閥は、その代表的政治家のその後の運命を見る
と違いが分かります。清和政策研究会の首相経験者は、全員長生
きであり、平成研究会のそれと比べると、歴然としています。
小泉政権、安倍政権はきわめて長期政権を築き、現安倍政権は
歴代最長記録を更新する可能性が大です。しかし、これに比べる
と、平成研究会は無残です。田中角栄はロッキード事件で足元を
すくわれ、脳梗塞に倒れ死亡。竹下登はリクルート事件で失脚し
変形性脊椎症で死亡。橋本龍太郎は、一億円ヤミ献金事件で政界
を引退し、68歳で死亡。小渕恵三は任期半ばで脳梗塞で倒れ、
62歳で死去しています。
田中派の流れを汲む小沢一郎に関しては、まだ健在ではあるも
のの、民主党による政権交代の立役者でありながら、政権を奪取
したとたん、足元の民主党に一種のクーデターを起こされ首相に
なれず、加えて西松建設事件などの濡れ衣の容疑をかけられ、無
罪になったものの、政治生命をほとんど失っています。
病気まで、米国(を支配している勢力)のせいとはいわないも
のの、濡れ衣のスキャンダルによって潰される政治家が多いので
す。とくに小沢一郎事件に関しては、EJで何回も詳細に書いて
いるので間違いのない悪意の捏造です。郷原信郎氏のいう「検察
の独善的かつ閉鎖的組織の特質に根差す複雑な問題」だけではな
く、その検察を使う別の勢力がないと、ここまで徹底的に一人の
政治家潰しはできないはずです。
しかし、国民の大多数は現在でも「小沢一郎=悪の政治家」と
思い込んでいます。陰謀論のレッテルを貼られると、このように
その効果はてきめんなのです。このような問題に詳しい医師の内
海聡氏は、清和政策研究会と平成研究会について、次のように述
べています。
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両者(清和政策研究会と平成研究会)の違いをきわめて簡単に
いうと、清和会は米国の手下、経世会は日本独立やアジア外交重
視の人たちである。ここに緒方竹虎から続く、自民党とCIAの
癒着の歴史が関係している。清和会は米国に有利な政策を遂行し
その報酬としてCIAからカネをもらい、勢力を伸ばしてきた。
大手マスコミは一切報道しないが、岸信介がCIAに雇われたエ
ージェントだったことは、後年になって情報公開された米国務省
米国立公文書記録管理局の資料から明らかになっている。
一方の経世会は、米国だけでなく、ヨーロッパやアジアとの関
係も強化していこうという考え方だ。田中角栄などはまさにその
代表である。 ──内海聡著
『99%の人が知らない/この世界の秘密』/イーストプレス
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確かに清和政策研究会は平成研究会に比べると、ツイており、
平成研究会は不幸だったといえます。しかし、それにしては違い
過ぎると思いませんか。単なる幸不幸で片づけられない問題であ
り、バックに何らかの勢力が存在すると考えても不思議ではない
と思います。
その問題に陰謀論のレッテルが貼られるのは、それについては
深く調べてもらいたくないと考える勢力がいるという見方もでき
ると思います。この問題のほかにも、とても偶然の一致とは思え
ない不可解な出来事がわれわれの身の回りにたくさん起きている
のです。 ──[現代は陰謀論の時代/006]
≪画像および関連情報≫
●孫崎享著『アメリカに潰された政治家たち』より
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ここでは、その暗闘を、岸信介を主人公としてストーリー
を語ることで、明らかにしていこうと思います。まず岸信介
とはどんな人だったのでしょうか。
岸は東京帝国大学法学部を卒業後、1920年に農商務省
に入り、1936年に満州国にわたり、国家運営の要職を歴
任しました。1941年には東条英機内閣に商工大臣として
入閣。日米開戦時の大臣であり、戦時中は物資動員の責任者
も務めました。そのため、岸は1945年9月11日にA級
戦犯として逮捕され、巣鴨拘置所に拘置されます。戦犯とし
て有罪判決を受けて処刑されるのを待つだけの身に置かれて
いたのです。巣鴨に拘置されている間に、岸がとんでもない
切れ者だったことを示すエピソードが残されています。
P23〜 岸が拘置所内で書いた『獄中日記』の1946
年8月10日のページにはこう記されています(口語訳)。
「パリ講和会議におけるソ連外相モロトフと米国国務長官バ
ーンズの対立は、冒頭の演説からたがいの悪口の言い合いと
なった。ソ連の機関紙『プラウダ』は『バーンズの挑戦』と
いう見出しをつけ、全ページを使ってその全訳を掲載し、国
民の注意を呼び起こそうとした。(略)ソ連は平和会議をわ
ざと長びかせ、そのあいだにバルカン半島や地中海方面に勢
力を伸ばしてしまおうという計画を立てており、一日も早く
平和的な国際関係を樹立しようと望む米国や英国とは完全な
対立関係にある」。 http://bit.ly/1RCiYaX
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孫崎享著『アメリカに潰された政治家たち』
(先日TBさせて頂きましたが・・・・・)
最近私は「陰謀論者」というレッテルを貼られる事は殆どなくなったのですが、
その代わりとして発明されたのでしょうか?
「小沢信者」というレッテルを貼られる事が時々あります。
私は小沢さんがどんな事を主張しておられるかどうかも、よくは知らないと何度言っても、
その人は「小沢信者」というレッテルを貼っている様です。
先日小沢事件についても書いた私のブログdendrodiumの記事をご紹介させて下さい。
安倍暴政を抑える為には、一日も早く岡田民主党の本性を見破って!
http://dendrodium.blog15.fc2.com/blog-entry-2547.html
この中で小沢さんの事件に付いても書いていますので。
小沢事件を私が時々取り上げるのは、
小沢さんがどうこうと言いたいからではなく、
政治の公正性を問いたいからだという趣旨なのですが・・・・・