2016年01月08日

●「陰謀論とCIAプロパガンダ計画」(EJ第4192号)

 陰謀論のレッテル貼りを始めたのはCIAであることを昨日の
EJで述べましたが、この話をもう少し続けることにします。時
は1967年、ケネディ大統領暗殺事件を検証したウォーレン委
員会報告書の公表がきっかけで、それは始まったのです。
 このウォーレン報告書を批判する書籍や、新聞・雑誌の記事が
多く書かれ、それを多くの人が読むことによって、米国民のおよ
そ46%が、報告書に書かれているオズワルドの単独犯行説を信
じていないことが明らかになります。
 これに関して、CIAがプロパガンダとして、陰謀論のレッテ
ル貼りを始めることを指示したCIA文書「1035─960」
には、次のように記述されています。
─────────────────────────────
 この世論の傾向は、我々の組織を含む合衆国政府の懸念事項で
ある。・・・さらに、ある傾向が強まっているようである。それ
がほのめかすところによれば、ジョンソン大統領自身が、利益を
得たという人物として、何らかの形で暗殺に責任があるという。
 そのような深刻な事態をほのめかすことは、当該人物〔=ジョ
ンソン大統領〕のみならず、米国政府全体の評価に影響する。我
々の組織自体、直接関与している。いくつかある事実のうちとり
わけ、調査への情報提供に寄与した。陰謀論はしばしば我々の組
織に疑いを投げかけてきた。たとえば、リー・ハーヴェイ・オズ
ワルドが我々のために働いたという虚偽の主張によってである。
 本文書の目的は、陰謀論者の主張に反撃し、その信用を貶める
素材を提供し、そのような主張が他国に広まるのを阻止すること
である。       ──野口英明著/『世界金融本当の正体
  /「ロスチャイルド伝説」と「中央銀行の通貨発行権問題」
        に最終決着をつける!』/株式会社サイゾー刊
─────────────────────────────
 このCIA文書が出た1967年1月までは、日常会話におい
て、「陰謀論」とか「陰謀論者」という言葉はほとんど使われて
いなかったのですが、この文書以降は悪いイメージで、これらの
言葉が使われるようになり、新聞や雑誌などでも取り上げられる
ようになります。
 それでは、CIAは、この文書によって具体的にどんな行動を
CIAスタッフに指示したのでしようか。これについては文書の
「行動」という部分において、次のように書かれています。
─────────────────────────────
 ・巨大な陰謀について多数の人々が沈黙を守るのは不可能と
  主張する。
 ・CIAに親しい人々に相手の主張を攻撃させ、公式報告に
  立ち戻らせる。
 ・目撃者の証言は信用できないと主張する。
 ・すべて旧聞にすぎず「新たな重要証拠は何も出ていない」
  と主張する。
 ・議論が活発でないかぎり、陰謀があつたという主張を無視
  する。
 ・憶測は無責任だと主張する。
 ・自分の説に固執し、のばせていると非難する。
 ・政治的動機があると非難する。
 ・金銭的利益から陰謀論を広めていると非難する。
               ──野口英明著の前掲書より
─────────────────────────────
 この文書で示している「行動」は、当然のことですが、暗殺問
題の議論が起きていないところではやってはならないと念を押し
議論が盛り上がっているところでのみ効果的に行うべしと指示し
ています。寝た子を起こすことはないというわけです。
 そのうえで、ウォーレン報告書に反する主張をする書籍や意見
や記事に関しては、陰謀論ないし陰謀史観であるというレッテル
を貼り、その信頼性を貶めよと指示しています。
 加えて、何らかの証拠を示している主張に関しては、証拠の信
頼性を徹底的に貶めよと指示しています。目撃者の証言は信用で
きないと主張し、すべての証拠は旧聞に過ぎず、新証拠はないと
反論せよと指示しています。
 証拠のない単なる憶測での主張に関しては、無責任であると反
論し、政治的な動機や金銭的な利益がからんでいるのではないか
と相手を非難すべきだとしています。根拠のない自分の説に固執
し、のぼせているのではないかと攻撃するのも効果がある、と。
 要するに、どのような新事実が出てきても、ウォーレン報告書
の内容に関しては、その間違いは認めず、一切変更せず、再調査
はしないを貫き、真相はあくまで報告書の通りであると主張する
方針なのです。そのようにしているうちに時間が経過し、証拠能
力は薄れるとともに、相手に浴びせた陰謀論者の汚名の効果が出
てくると説いています。
 このCIA文書が出る以前には、陰謀論に言及した記事や言説
はほとんどなかったのですが、1967年以降についてはそのよ
うなコンテンツが増えてきています。これについては、添付ファ
イルを見てください。
 添付ファイルのグラフは、「ニューヨーク・タイムズ紙とタイ
ム誌が『陰謀論』に言及した年間の記事数」を表しています。報
告書が公表された1964年時点では、ニューヨーク・タイムズ
紙は「陰謀論」という言葉を含む記事がたったの5本だったのに
その後記事は急増し、最近では年間140本を超すようになって
いることを示しています。
 タイム誌においても、1965にはじめてこの言葉を含む記事
が掲載されて以降、少しずつではありますが、増加しつつありま
す。これを見ると、1967年のCIA文書の影響力がいかに大
きいかの証明であるといえます。逆にいうと、世の中に陰謀論的
な出来事がそれだけ多くなっていることの証明ともとることがで
きます。そういう意味で現代は陰謀論の時代になっているといえ
るのです。       ──[現代は陰謀論の時代/005]

≪画像および関連情報≫
 ●米国の言論に自由は存在しない/日本と世界の情報ブログ
  ───────────────────────────
   ベンジャミン氏は、日経新聞に失望してフォーブスに転職
  した。しかし、そこでも同じような目に遭ったのである。ゴ
  ールドマン・サックスやゼネラル・エレクトリックのような
  大企業については何も書けないことが分かったのである。
   フォーブスでも検閲を受けるようになり、欧米のメディア
  にも言論の自由がなかったのである。シティバンクはヤクザ
  のマネーロンダリングに関わっていたことが金融庁にバレて
  日本から一度撤退しているが、その記事を書こうとしたら、
  没にされた。ベンジャミン氏は早い段階から、情報をつかん
  で記事に書こうとした。それで上司に呼ばれて、事実確認、
  情報源について聞かれたので、「財務省の○○さんに確認し
  た」と答えたら、もう上司は何も言えなかったわけである。
   それでも没にされた。何の理由の説明せずに没にする。そ
  ういうことを続けているうちに、ブラックリストに載ってし
  まったわけである。テレビでも大スポンサーの話は一切でき
  ない。陰謀論的な話も、ちょっとすると怒られる。アポロ計
  画の疑惑だって、全部がインチキだとは思っていないが、明
  らかにおかしいところがあるわけである。(山口氏)「軍事
  機密ですから隠されている」と言うだけでカメラを止めてお
  説教されてしまう。前田利家は徳川幕府に目をつけられてい
  たので、バカ殿のふりをして、幕府を安心させて自分の家を
  守っていたという。       http://amba.to/1Rb2M2g
  ───────────────────────────
 ●グラフの出典/野口英明著の前掲書より

ニューヨーク・タイムズ紙とタイム誌が陰謀論に言及した年間記事数.jpg
ニューヨーク・タイムズ紙とタイム誌が陰謀論に言及した年間記事数
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代は陰謀論の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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