2007年05月28日

●JAVAを巡るサンとマイクロソフトの争い(EJ第2088号)

 既に述べているように、JAVAという言語はOSやコンピュ
ータの機種、携帯電話のなどの情報機器の種類を問わずどういう
環境でも実行されます。それは、JAVA仮想マシンと呼ばれる
JAVAの実行環境が各種OSやインターネット・エクスプロー
ラやネットスケープ・ナビゲータなどのブラウザに用意されてい
ることによって可能になっているのです。
 ところで、JAVAプログラムには次の2つがあることを知っ
ていただきたいのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
  1.JAVAアプリケーション ・・・ OS上で動く
  2.JAVAアプレット ・・・・ ブラウザ上で動く
―――――――――――――――――――――――――――――
 OSでダブルクリックして起動するのは、JAVAアプリケー
ションですが、これは、「ワード」や「エクセル」などのアプリ
ケーションと同じです。これに対してブラウザ上で動くのは、J
AVAアプレットと呼ばれるのです。アプレットというのは、他
のプログラムの中で動く小さなプログラムのことです。末尾のレ
ット(let) は名詞の語尾につくことばで「小さなもの」を意味し
ています。
―――――――――――――――――――――――――――――
          アプレット/Aapplet
―――――――――――――――――――――――――――――
 ブラウザでウェブサイトを開くと、文字やアニメが動いたり、
音声を発したりするサイトがありますが、それは、JAVAアプ
レットが動いているのです。
 JAVAアプレットとJAVAアプリケーションの根本的な違
いについて知っておく必要があります。それはJAVAアプレッ
トの特徴を上げることで理解できると思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
      1.ブラウザ上において実行される
      2.ファイルの読み書きができない
      3.プリンタは使うことができない
      4.他のプログラムを起動できない
      5.したがってセキュリティは万全
―――――――――――――――――――――――――――――
 JAVAに対応しているウェブサイトにアクセスすると、ペー
ジのコンテンツとしてJAVAアプレットがダウンロードされ、
ブラウザで実行されるのです。ブラウザにはJAVAアプレット
を実行するJAVA仮想マシンがあるのです。
 ついでに述べておくと、ブラウザではなく、サーバー側で実行
するJAVAプログラムのことを「サーブレット」と呼んでいる
のです。サーブレットは、ウェブサーバーと連携してJAVAプ
ログラム(JAVAバイトコード)を実行するのです。
 さて、マイクロソフト社は、サンとライセンス契約を結んだの
ですが、契約通りに履行していたのは最初のうちだけで、やがて
JAVA仮想マシンに対しては独自開発のもの――マイクロソフ
ト仮想マシンを使い、サンの提供するJAVA仮想マシンを使わ
なくなってしまったのです。
 当然サンはそれに反発し、何回も話し合いがもたれたのですが
そういう経緯からマイクロソフト社は、新しいOSのウインドウ
ズXPからはマイクロソフト仮想マシンをOSから外してしまっ
たのです。当然のことながらこの状態ではJAVAプログラムは
動かないため、動きのあるウェブサイトは静止画となり、ゲーム
が動かないなどというトラブルが続出したのです。
 つまり、マイクロソフト社としては、サンがマイクロソフト仮
想マシンについてうるさくいうので、新OSからは外し、ユーザ
にマイクロソフト仮想マシンとJAVA仮想マシンの選択権を委
ねたのです。ユーザは、マイクロソフト社かサン・マイクロシス
テムズ社のいずれかのウェブサイトから自分の好みの仮想マシン
をダウンロードすればよいというわけです。
 仮想マシンのようなプログラムは、本来ユーザにとって知らな
くてもいい性質のものであり、そういうきわめて技術性の高いも
のをユーザに選択させるのは明らかに問題があります。そのため
サンは、マイクロソフト社を相手取って、独禁法違反でサンノゼ
裁判所に訴えたのです。サンの要求内容は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 JAVA仮想マシンをウインドウズXPとインターネット・エ
 クスプローラに組み込み、マイクロソフト仮想マシンの提供を
 中止すること  ――サン・マイクロシステムズ社の要求内容
―――――――――――――――――――――――――――――
 マイクロソフト社対ネットスケープ社のブラウザ戦争がとかく
注目されますが、そのウラにはマイクロソフト社対サン・マイク
ロシステムズ社のJAVAを巡る争いがあり、表裏一体となって
いるのです。そして、まだ決着がついていないのです。
 なお、JAVAと非常によく似たプログラミング言語で「JA
VAスクリプト」というのがあります。どちらもJAVAという
ことばを使っていますが、ぜんぜん別の言語であり、開発会社も
別ですので、区別する必要があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 Java ・・・・・・・ サン・マイクロシステムズ社開発
 JavaScript ・・・・ ネットスケープ社開発
―――――――――――――――――――――――――――――
 JAVAスクリプトは、HTMLの中に記述して、ブラウザで
実行するものであり、もともとは「LiveScript」といっていたも
のをJAVAと文法が似ているので「JavaScript」と改名したも
のであって、JAVAとはまったく違う言語です。
 さて、このテーマも本日で54回になり、そろそろ終りに近づ
いてきています。明日からは、JAVA開発の中心部隊として活
躍したキム・ポレーゼーたちによるマリンバ社設立の話をするこ
とにします。      ―― [日本のインターネット/54]


≪画像および関連情報≫
 ・スクリプト言語とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  機械語への変換作業を省略して簡単に実行できるようにした
  簡易プログラムを記述するためのプログラミング言語。スク
  リプト言語で作られたプログラムはスクリプトと呼ばれる。
  「簡易プログラミング言語」と呼ばれることもある。通常の
  プログラミング言語と同様、英単語や記号・数字の組み合わ
  せによってプログラムの設計図にあたるソースコードを記述
  するが、コンピュータが実行できる形式への変換は自動的に
  行われるため、手間をかけずに実行することができる。
                     ――IT用語辞典
  ―――――――――――――――――――――――――――

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posted by 平野 浩 at 04:39| Comment(0) | TrackBack(0) | インターネットの歴史 Part2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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