2015年10月28日

●「意見が分かれるMH370の残骸」(EJ第4147号)

 インド洋のレユニオン島で発見されたMH370便の一部とみ
られるフラッペロンについて、もう少し述べることにします。
 漂着したフラッペロンがボーイング777のものである可能性
が高いのに、なぜMH370便のものと断定されないのかについ
て、もう少し分析します。
 航空ジャーナリストのジェフ・ワイズという人がいます。彼は
こういうのです。フラッペロンの内側の端にはIDプレートが付
いているのですが、発見したフラッペロンにはそれが付いていな
かったのであると。
 IDプレートは777型機の全フラッペロンにつけられている
ので、それがわかれば、MH370便のパーツかどうかがわかる
のですが、それが付いていないので、断定することができないと
いうのです。
 続いてフラッペロンには、エボシガイがびっしりと付着してい
たといいます。フジツボとエボシガイは厳密には違う種のようで
すが、広義のフジツボ類とされています。ジェフ・ワイズ氏はエ
ボシガイといっています。エボシガイについて、ウィキペディア
では次のように解説しています。
─────────────────────────────
 流木などの漂流物や船底に集団で付着して生活し、全世界の海
洋に広く分布する。漂流物とともに海岸に流れ着き、漂着物とし
て採集されることもある。蔓脚を用いて小型のプランクトンを食
べる。雌雄同体だが自家受精はせず、陰茎を通じて他個体に精子
を渡して繁殖する。           ──ウィキペディア
                   http://bit.ly/1OZqwmQ
─────────────────────────────
 エボシガイは漂流物に集団で付着するのです。したがって、フ
ラッペロンにびっしりエボシガイが付着していたということは、
フラッペロンが沈まずに海中を漂流していたことになるのです。
そんなことはあり得ないとジェフ・ワイズ氏はいうのです。
 ジェフ・ワイズ氏はこれについて、ブログで、次のように書い
ています。http://nym.ag/1R70aib
─────────────────────────────
 エボシガイが全面覆い尽くしているってことは、発見まで数ヶ
月間は海面下に浮いていたってことになる。でもどうやって?
 潜水艦やスキューバダイバーなら海面下3〜6メートルに浮い
ててもなんの不思議もないが、無生物の物体には自力で浮遊する
力なんてない。水より浮力があれば海面に出てしまうし、浮力が
なければ海底に落ちる。
 長さ180センチ以上もの残骸が、海面に出ないで長期間浮い
ている状況って、例えば何なんだ?これは常識で考えて簡単に説
明がつくようなものではない。未だに未解明の自然現象があるの
か、はてまた何者かが意図的に仕組んだことなのか。
      ──ジェフ・ワイズ氏   http://bit.ly/1JLtwNj
─────────────────────────────
 レユニオン島の位置を確認します。レユニオン島は、マダガス
カル島東方のインド洋上に位置する、フランス共和国の海外県な
らびに海外地域圏です。コーヒーのブルボン産の原産地です。
 ところで、MH370便がどこかの海に墜落したとして、果し
て、レユニオン島にその残骸が到達することはあり得るのでしょ
うか。これについて考えてみましょう。
 海洋の専門家は、残骸をレユニオン島に運んだ可能性のあるイ
ンド洋の海流は2つ存在すると指摘しています。これについて、
英国立海洋学センターのバルボーグ・バイフィールド氏は次のよ
うに述べています。
─────────────────────────────
 考えられるシナリオは2つある。飛行機が南半球で墜落したと
すれば、残骸は南赤道海流(SEC)によって運ばれた可能性が
ある。SECは、アフリカ沿岸に近づきながら分岐し、うち一つ
は、マダガスカルの東海岸に沿って南に進む。この海流ルートに
よって残骸がレユニオン島に到達した可能性がある。さらに南で
飛行機が墜落した場合には、残骸が反時計回りに旋回する亜熱帯
循環によって北上してSECに入り、アフリカへ向かって西に流
された可能性もある。         http://bit.ly/1i5F876
─────────────────────────────
 バイフィールド氏は、MH370が南半球(赤道より南の部分
のこと)に墜落した場合には、南赤道海流(SEC)に乗って、
レユニオン島に漂着する可能性は十分あると述べています。この
場合は、ジェフ・ワイズ氏があり得ないと指摘した海中を浮遊し
ながら海流に乗ってレユニオン島に運ばれたことになります。
 さらに、今後、レユニオン島や付近の島々にさらなる残骸が漂
着するのは間違いないと予測しています。2011年3月の東日
本大震災でも、海中を漂いながら、数年後にハワイ諸島などに瓦
礫が届いているので、十分あり得ることです。
 英国の海洋学者のエリック・バン・セビル氏は、レユニオン島
に漂着した場所を起点としたシミュレーションによって、その残
骸が、MH370である可能性が高い根拠として、次のように述
べています。
─────────────────────────────
 われわれはコンピューターシミュレーションを使って、残骸が
発見された場所を起点として漂流ルートをさかのぼり、飛行機が
17ヶ月前に海に墜落した可能性がある場所を割り出した。海の
複雑なふるまいのために、正確な位置を特定することはできない
が、オーストラリア北西部沿岸沖の直径数百マイルのエリアまで
範囲を狭めることができる。      http://bit.ly/1i5F876
─────────────────────────────
 しかし、この残骸がMH370便のものかどうかの決着はまだ
ついていないのです。決定的な証拠がまだないからです。そもそ
もMH370便がなぜ墜落したのかがわかっていないからです。
           ──[航空機事故の謎を探る/022]

≪画像および関連情報≫
 ●MH370便の残骸発見か?/フィリピン南部で発見
  ───────────────────────────
   2015年10月12日、中国新聞網は海外メディアの報
  道を引用し、昨年3月に消息を絶ったマレーシア航空MH3
  70便についてマレーシアの交通部は、フィリピン南部でマ
  レーシアの国旗がプリントされた航空機の残骸を見つけたと
  の知らせを受け、マレーシア民間航空局と調査チームに事実
  確認を指示したと明かした。
   マレーシアメディアによると、男性から通報が入り、9月
  初めにフィリピン南部の島で男性が鳥を捕獲していた際、航
  空機の残骸を発見した。中には人間のものと思われる骨も多
  くあり、操縦席の骨は、シートベルトをしたままだったとい
  う。残骸にマレーシア国旗が描かれていたことから、男性は
  MH370便ではないかと考え通報したという。
   写真などの証拠がないことから、マレーシア当局は男性や
  フィリピン当局と交流。MH370便の残骸かどうかは一両
  日で分かるとマレーシア交通部は11日に述べている。仮に
  MH370便の残骸であれば、7月のインド洋の仏領レユニ
  オン島付近での残骸発見に続く大きな発見だという。
                   http://bit.ly/1OZDPng
  ───────────────────────────

レユニオン島で発見の残骸はMH370便か.jpg
レユニオン島で発見の残骸はMH370便か 
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 航空機事故の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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