2015年10月27日

●「残骸はMH370便のものでない」(EJ第4146号)

 モルディブのクダフバドウ島で、島民数人(9人といわれる)
が大型の飛行機を目撃したという報道は、たちまち偽情報として
葬られています。この情報は、地元メディアのファラ・アフメド
記者の取材によるものといわれていますが、彼はなぜそんな偽情
報を流したのでしょうか。
 島民たちの証言には、具体的には次のようなものがあったとい
われています。
─────────────────────────────
    ◎大きな飛行機が低空飛行をしているのを見た
    ◎飛行機の機体の横に赤いラインが入っていた
    ◎高さは25階建てのビルぐらいだっと考える
    ◎大きな飛行機が北から南へと飛行して行った
─────────────────────────────
 MH370便の目撃情報の時刻は、2014年3月8日、モル
ディブ時間の6時15分(マレーシア時間で午前9時15分頃)
であり、時刻的には矛盾はないのです。機体の横の赤いラインも
マレーシア航空のものと一致しており、その飛行機がMH370
便であっても不思議ではないのです。
 人間は自分の目で見たものは信ずるものです。見たものを見な
いとはいえないはずです。そういう意味で私はこの目撃情報は少
なくともウソではないと思っています。
 しかし、杉江弘氏は、パイロットとしての観点から、この目撃
情報は不自然であると述べています。
─────────────────────────────
 これらの証言にはあまりに不自然な点が多すぎる。まず、ビル
の25階といえば約100メートルの超低空で、着陸を考えたな
らば、まさにその寸前に当たる高さである。それが事実なら、機
がその後、付近に着陸なり着水を果たすか、ゴーアラウンドして
急上昇し、どこかに向かうはずなのに、それらの目撃情報がいっ
さいもたらされていない。もっとも、すでにどこかに向かうだけ
の燃料は残されていないが。
 それに、この島には25階建てのビルなどないし、あまり見た
こともないであろうと思われる住民が、そのように語ることも不
自然である。加えて、9人が島の同じ場所で見たのか、皆別々の
場所で見たのかも明らかにされていない。そして最大の疑問点は
地元メディアの記者が取材に行ったものの、少しでも信憑性を追
求すれば、それを世界中に配信するほどの話かどうか、すぐわか
るはずである。                ──杉江弘著
      『マレーシア航空機はなぜ消えた』より/講談社刊
─────────────────────────────
 このモルディブのクダフバドウ島の近くには、MH370便が
着陸できる2000メートル以上の空港がたくさんあるのです。
したがって、どこかの空港に着陸しようとした可能性もゼロでは
ないのです。しかし、なぜか、すぐウソとして葬られたのです。
─────────────────────────────
 スリランカ/バンダラナイケ国際空港 ・・・ 3350m
      モルディブ/マレ国際空港 ・・・ 3200m
     ディエゴガルシア島米軍基地 ・・・ 4000m
─────────────────────────────
 今年の7月29日のことです。米CNNによると、インド洋の
レユニオン島海域で、消息を絶っていたMH370便の部品が発
見されたというニュースです。その部品とは、翼の一部のフラッ
ペロンのことです。
 多くの人はこれで決まりと思ったと思います。マレーシア政府
は、1週間後の8月5日に残骸はMH370便のものであると発
表しています。これは、少しでも早くこの事件の幕を引きたいと
いうナジブ政権の思惑からのフライイングです。
 このニュースに関しては、その後いろいろな追加情報が出てい
ますが、未だにMH370便のものであるとは断定できていない
のです。しかし、発見直後に「このフラッペロンはボーイング7
77のものに間違いない」とボーイングのエンジニアは認めてい
ますが、MH370便かどうかは未確定です。
 確かに、マレーシア政府がフライイングしたのも無理はないの
です。発見されたフラッペロンがボーイングのものに間違いない
のであれば、ボーイング777はMH370便以外には事故を起
こしていないので、それがMH370便であると誰でも思ってし
まいます。それなら、なぜ断定できないのでしょうか。
 これについて、ニューヨーク・マガジンは次のような記事を書
いています。
─────────────────────────────
 発見された翼がボーイング777型のものであるということは
確認されているのだが、シリアルナンバーを刻印したプレートが
見つからず、さらにMH370便の整備記録から判断すると、こ
の翼はMH370便のものとは一致しないという。つまり、世界
で行方不明になっているボーイング777型機はMH370便し
かないにも関わらず、この残骸はMH370便のものではないと
いうことになる。           http://bit.ly/1PKBJcL
─────────────────────────────
 もうひとつ不可解なことがあります。発見されたフラッペロン
にはフジツボ(エボシガイ)がビッシリついていたといいます。
通常フジツボは海の浮遊物に付着します。船底などにはびっしり
とつきます。そうだとすると、長さ180センチ以上のフラッペ
ロンは、海底に沈まず、約1年半にも及ぶ長期間、海中を浮遊し
ていたことになります。そんなことが起こり得るでしょうか。
 フランスの調査官は「テストの結果が出るまでは、憶測の段階
である」といっていますが、未だに結論は出ていないのです。一
体何のテストをやっているのでしょうか。
 このように、さまざまな情報はありますが、現時点になっても
MH370便は依然として行方不明のままです。
           ──[航空機事故の謎を探る/021]

≪画像および関連情報≫
 ●不明マレーシアの残骸か/朝日新聞デジタル
  ───────────────────────────
   インド洋にある仏領レユニオン島の海岸で2015年7月
  29日、航空機の翼の一部とみられる残骸が見つかった。2
  014年3月に行方不明になったマレーシア航空MH370
  便(ボーイング777―200型機、乗客・乗員239人)
  の機体の可能性があり、発見現場のフランスやマレーシアの
  航空当局などが調査に乗り出した。
   AFP通信などによると、見つかったのはアフリカ大陸の
  東側にあるマダガスカル島のさらに東、仏領レユニオンの町
  サンタンドレ。ちぎれた翼の一部とみられる残骸は長さが2
  メートルほどだという。現地からの映像では白っぽい色で、
  貝類がびっしりと付着している。
   マレーシアが調査チームを派遣したほか、米当局者はAP
  通信に「残骸の写真からはマレーシア機と同じボーイング7
  77型機の可能性が高い」との調査担当者の見方を示した。
   クアラルンプール発北京行きMH370便は昨年3月8日
  未明のフライトで、消息を絶った。本来のルートとは違う南
  に進路をとったとされる。オーストラリア政府が主導するイ
  ンド洋南部での捜索は現在も続いているが、これまで機体な
  どは見つかっていない。(パリ=青田秀樹)
                   http://bit.ly/1DaCo2M
  ───────────────────────────

レユニオン島で発見されたMH370便とみられる残骸.jpg
レユニオン島で発見されたMH370便とみられる残骸
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 航空機事故の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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