が大型の飛行機を目撃したという報道は、たちまち偽情報として
葬られています。この情報は、地元メディアのファラ・アフメド
記者の取材によるものといわれていますが、彼はなぜそんな偽情
報を流したのでしょうか。
島民たちの証言には、具体的には次のようなものがあったとい
われています。
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◎大きな飛行機が低空飛行をしているのを見た
◎飛行機の機体の横に赤いラインが入っていた
◎高さは25階建てのビルぐらいだっと考える
◎大きな飛行機が北から南へと飛行して行った
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MH370便の目撃情報の時刻は、2014年3月8日、モル
ディブ時間の6時15分(マレーシア時間で午前9時15分頃)
であり、時刻的には矛盾はないのです。機体の横の赤いラインも
マレーシア航空のものと一致しており、その飛行機がMH370
便であっても不思議ではないのです。
人間は自分の目で見たものは信ずるものです。見たものを見な
いとはいえないはずです。そういう意味で私はこの目撃情報は少
なくともウソではないと思っています。
しかし、杉江弘氏は、パイロットとしての観点から、この目撃
情報は不自然であると述べています。
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これらの証言にはあまりに不自然な点が多すぎる。まず、ビル
の25階といえば約100メートルの超低空で、着陸を考えたな
らば、まさにその寸前に当たる高さである。それが事実なら、機
がその後、付近に着陸なり着水を果たすか、ゴーアラウンドして
急上昇し、どこかに向かうはずなのに、それらの目撃情報がいっ
さいもたらされていない。もっとも、すでにどこかに向かうだけ
の燃料は残されていないが。
それに、この島には25階建てのビルなどないし、あまり見た
こともないであろうと思われる住民が、そのように語ることも不
自然である。加えて、9人が島の同じ場所で見たのか、皆別々の
場所で見たのかも明らかにされていない。そして最大の疑問点は
地元メディアの記者が取材に行ったものの、少しでも信憑性を追
求すれば、それを世界中に配信するほどの話かどうか、すぐわか
るはずである。 ──杉江弘著
『マレーシア航空機はなぜ消えた』より/講談社刊
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このモルディブのクダフバドウ島の近くには、MH370便が
着陸できる2000メートル以上の空港がたくさんあるのです。
したがって、どこかの空港に着陸しようとした可能性もゼロでは
ないのです。しかし、なぜか、すぐウソとして葬られたのです。
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スリランカ/バンダラナイケ国際空港 ・・・ 3350m
モルディブ/マレ国際空港 ・・・ 3200m
ディエゴガルシア島米軍基地 ・・・ 4000m
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今年の7月29日のことです。米CNNによると、インド洋の
レユニオン島海域で、消息を絶っていたMH370便の部品が発
見されたというニュースです。その部品とは、翼の一部のフラッ
ペロンのことです。
多くの人はこれで決まりと思ったと思います。マレーシア政府
は、1週間後の8月5日に残骸はMH370便のものであると発
表しています。これは、少しでも早くこの事件の幕を引きたいと
いうナジブ政権の思惑からのフライイングです。
このニュースに関しては、その後いろいろな追加情報が出てい
ますが、未だにMH370便のものであるとは断定できていない
のです。しかし、発見直後に「このフラッペロンはボーイング7
77のものに間違いない」とボーイングのエンジニアは認めてい
ますが、MH370便かどうかは未確定です。
確かに、マレーシア政府がフライイングしたのも無理はないの
です。発見されたフラッペロンがボーイングのものに間違いない
のであれば、ボーイング777はMH370便以外には事故を起
こしていないので、それがMH370便であると誰でも思ってし
まいます。それなら、なぜ断定できないのでしょうか。
これについて、ニューヨーク・マガジンは次のような記事を書
いています。
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発見された翼がボーイング777型のものであるということは
確認されているのだが、シリアルナンバーを刻印したプレートが
見つからず、さらにMH370便の整備記録から判断すると、こ
の翼はMH370便のものとは一致しないという。つまり、世界
で行方不明になっているボーイング777型機はMH370便し
かないにも関わらず、この残骸はMH370便のものではないと
いうことになる。 http://bit.ly/1PKBJcL
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もうひとつ不可解なことがあります。発見されたフラッペロン
にはフジツボ(エボシガイ)がビッシリついていたといいます。
通常フジツボは海の浮遊物に付着します。船底などにはびっしり
とつきます。そうだとすると、長さ180センチ以上のフラッペ
ロンは、海底に沈まず、約1年半にも及ぶ長期間、海中を浮遊し
ていたことになります。そんなことが起こり得るでしょうか。
フランスの調査官は「テストの結果が出るまでは、憶測の段階
である」といっていますが、未だに結論は出ていないのです。一
体何のテストをやっているのでしょうか。
このように、さまざまな情報はありますが、現時点になっても
MH370便は依然として行方不明のままです。
──[航空機事故の謎を探る/021]
≪画像および関連情報≫
●不明マレーシアの残骸か/朝日新聞デジタル
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インド洋にある仏領レユニオン島の海岸で2015年7月
29日、航空機の翼の一部とみられる残骸が見つかった。2
014年3月に行方不明になったマレーシア航空MH370
便(ボーイング777―200型機、乗客・乗員239人)
の機体の可能性があり、発見現場のフランスやマレーシアの
航空当局などが調査に乗り出した。
AFP通信などによると、見つかったのはアフリカ大陸の
東側にあるマダガスカル島のさらに東、仏領レユニオンの町
サンタンドレ。ちぎれた翼の一部とみられる残骸は長さが2
メートルほどだという。現地からの映像では白っぽい色で、
貝類がびっしりと付着している。
マレーシアが調査チームを派遣したほか、米当局者はAP
通信に「残骸の写真からはマレーシア機と同じボーイング7
77型機の可能性が高い」との調査担当者の見方を示した。
クアラルンプール発北京行きMH370便は昨年3月8日
未明のフライトで、消息を絶った。本来のルートとは違う南
に進路をとったとされる。オーストラリア政府が主導するイ
ンド洋南部での捜索は現在も続いているが、これまで機体な
どは見つかっていない。(パリ=青田秀樹)
http://bit.ly/1DaCo2M
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レユニオン島で発見されたMH370便とみられる残骸


