でないとすると、マレーシア航空370は、一体どこに行ってし
まったのでしょうか。
マレーシア政府は、今回のMH370便の失踪事故は、あくま
でハイジャック事件であるとしています。何者かが370便をハ
イジャックし、機をあらぬ方向へ誘導し、最後は燃料切れで海に
墜落したということで、幕引きをしたいようです。
航空機のハイジャック事件について、杉江弘氏は次のように述
べています。
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これまで我々は何度となくハイジャック事件を経験してきた。
そこでは、コックピットを支配下に置き、乗客乗員を人質に取り
要求が突きつけられる。そして乗っ取った航空機を関連する当局
と交渉しやすい飛行場に着陸させるというパターンであった。そ
れは、背景に政治や宗教が絡んでいたケースが多い。(中略)
このように、ハイジャック事件はさまざまな原因によって引き
起こされてきたが、共通していることは、「それほど長時間の飛
行はしない」ことと、「目的地はどこかがはっきりしていた」こ
とだ。 ──杉江弘著
『マレーシア航空機はなぜ消えた』より/講談社刊
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しかし、MH370便の場合、これをハイジャック事件とする
と、杉江弘氏の上げるハイジャック事件の要件には該当せず、次
の3つの不可解なことがあります。
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1.MH370便が離陸直後に全ての通信手段を切断し、何
の要求もしてこない。
2.予定された針路を大幅に変更し、燃料切れまで、長時間
の飛行を行っている。
3.MH370便の飛行の最終目的地が、どこであるのかは
はっきりしていない。
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不可解なのは機側が全ての通信手段を切断していることです。
エイカーズは切断されておらず、通信できるという説もあります
が、もしこの失踪劇がハイジャック事件であるとすれば、何の要
求も出してこないのは不可解です。もし、ひそかに当局に要求を
出してきていれば、マレーシア当局は発表するはずですが、何の
発表もないのです。
さらにわからないのは、どこを目指して飛行しているかです。
杉江氏によれば、もしハイジャック事件であるならば、次の3つ
の飛行コースが考えられるというのです。
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1.マレー半島北西に向って飛行する
2.インド洋を西に向かって飛行する
3.インド洋を南に向かって飛行する
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第1は「マレー半島北西に向って飛行する」コースです。
マレー半島を北西といえば、アンダマン海に向うことになりま
す。アンダマン海とは、インド洋の縁海で、マレー半島とアンダ
マン諸島、ニコバル諸島との間の海の名称です。この方向であれ
ば燃料切れで着陸する場合、タイ、ミャンマー、バングラデシュ
それにインドの沿岸にある複数の空港を利用できます。しかし、
各国のレーダーに捕捉されることになります。
第2は「インド洋を西に向かって飛行する」コースです。
ここは強い偏西風が向かい風で吹いているので、燃料に問題は
あるものの、インド南部のチェンナイ(マドラス)、スリランカ
のコロンボ、モルディブなどに到達することができます。もちろ
ん、このコースもレーダーに捕捉されます。
第3は「インド洋を南に向かって飛行する」コースです。
インド洋を南下すると途中インドネシアのジャカルタやココス
島、それにオーストラリア西側の海沿いには、いくつかの空港は
あるものの、もっと南下してしまうと、一面海であり、着陸でき
るところは何もないのです。
通信衛星などの解析によると、MH370便はマレー半島を西
に飛行し、いったん北西に針路をとって、それから南に変針して
インド洋南部に向っています。これは明らかにクアラルンプール
や、インドネシア領スマトラ島北部のメダンのレーダー基地を避
けて飛んでいることは確かです。レーダーを避けるにはレーダー
基地から200マイル(360キロメートル)以上離れている必
要があります。
MH370便とみられる目撃情報はひとつあるのです。それは
インド洋上の島、モルディブの南180キロメートルにある人口
1000人ほどのクダフバドウ島での目撃情報です。MH370
便が失踪した8日の情報です。2014年3月19日のAFPは
次のように伝えています。
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インド洋の島国モルディブで、マレーシア航空MH370便が
消息を絶ったのと同じ日に、「低空を飛行する大型ジェット機」
が目撃されていたと報じられたことを受け、地元警察が調査を開
始した。警察は18日夜の声明で、3月8日にクダフバドゥ島の
住民が上空を飛ぶ大型の飛行機を目撃したと伝えたニュースサイ
ト「ハビール」の報道を調査していると発表した。
ハビールによると、同島の住民は、複数の赤い線が入った白塗
りの飛行機が、モルディブの南端に向けて飛んでいくのを見たと
いう。目撃者の1人は同サイトに対し、「この島の上をあんなに
低く飛ぶジェット機は見たことがない。水上飛行機なら見たこと
があったが、それとは絶対に違った。飛行機のドアもはっきり見
えるほどだった」と語った。 http://bit.ly/1XpDFIM
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──[航空機事故の謎を探る/020]
≪画像および関連情報≫
●「インターナショナル・ビジネス・タイムス」より
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マレーシア航空370便がハイジャックされたとすれば、
以前ハイジャックされてインド洋に墜落したエチオピア航空
ボーイング767型機961便と類似している。
1996年11月23日、ボンベイからアビジャンへ複数
の空港を経由しながら飛行していたボーイング767が、ア
ジスアベバとナイロビ間でハイジャックされた。3人のエチ
オピア人が政治的亡命を理由にオーストリアまでの飛行を要
求した。事件後、生存者の供述によると、犯人3人は機内の
雑誌に「961便がオーストリアまで航続可能」と載ってい
るのを見たという。あくまでも燃料を満載した場合であり、
エチオピアからケニアまでの短時間飛行の燃料では無理だと
いう乗務員の説明を信じようとしなかった。
機長は3人のエチオピア人をうまく騙しながらアフリカ海
岸を南下して、インド洋のコモロ島まで飛行を続け、どこか
で緊急着陸ができないかチャンスを待った。しかしコモロ島
の空港付近まで飛行した時点で燃料が切れ、同機は海上に着
水するしか方法はなくなった。着水の間際に、犯人たちがパ
イロットに暴力を振るったため、悲劇的な着水になり、乗客
175人中125人が死亡する惨事となった。
http://bit.ly/1KwkP9C
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●地図出典 http://bit.ly/1LMYy9B
MH370便目撃場所


