2015年10月22日

●「副操縦士を仲間にすれば犯行可能」「EJ第4143号)

 10月16日のEJ第4139号において、マレーシア政府が
MH370便について事実を隠蔽しようとする、論理的に考えら
れる理由を2つ指摘しましたが、それを再現します。
─────────────────────────────
 1.MH370便の事故はマレーシア当局に取っては突発的
   なものであったが、その経緯を明らかにすることは国家
   としてできないこと。
 2.MH370便がこのような事故を起こすことをマレーシ
   ア当局は何らかの事情によって事前に知っていたが、そ
   れを明かせないこと。
─────────────────────────────
 上記「1」に該当するケースとして考えるられるのは、機長か
副操縦士によるハイジャックの可能性です。問題はハイジャック
する動機です。それには、マレーシアの歴史や現在のマレーシア
の政治的背景について知る必要があるということで、3回にわた
り、マレーシアの政治事情について連載したのです。
 そのうえで、MH370便をザハリエ機長がハイジャックし、
乗客乗員全員を人質に取り、マレーシア政府と何らかの政治的な
交渉をしたのではないかという仮説を検証します。
 果してこれは本当に可能なことなのでしようか。この奇想天外
のハイジャックが成功するには、最低限の条件として、次の3つ
のことが必要です。
─────────────────────────────
 1.最低でも「仲間」が一人必要であり、最も望ましいのは
   副操縦士である。
 2.政府と交渉するときは、その目的の達成には、相当の時
   間が必要である。
 3.ハイジャックは重犯罪であり、それに見合う成果が果し
   て得られるのか。
─────────────────────────────
 本日は「1」について考えてみます。
 機長がハイジャック犯である場合、副操縦士と乗員、乗客を支
配する必要があります。一番支配するのが困難なのは人数の多い
乗客です。銃器や爆弾でもない限り、227人もの乗客を制圧す
ることは不可能です。
 しかし、MH370便はいわゆる深夜便であり、乗員を支配で
きれば、乗客に気づかれることなく、コトを運ぶことができるの
です。なぜなら、深夜便の場合は、通常の機内サービスとは異な
るサービスをするからです。これについて、杉江弘氏は次のよう
に述べています。
─────────────────────────────
 今回のMH370便のように、マレーシアやシンガポールを発
って成田や北京などに向かう便では、サービスの方法が一般の便
とは異なつている。機が離陸後、巡航高度に達したら、客室乗務
員はスナックなど軽い食事を出した後、機内を暗くして乗客が睡
眠をとれるようにする。深夜便では、多くの乗客はすでに搭乗前
に夕食を済ませており、ともかく一刻も早く寝たい気分になって
いるからだ。そこで、ホットミールと呼ばれるメインの温かい食
事は、到着の2時間ほど前に出されることが多い。
                       ──杉江弘著
      『マレーシア航空機はなぜ消えた』より/講談社刊
─────────────────────────────
 乗客の大半は眠っており、窓の外は真っ暗なので、コックピッ
トのなかで何が起きても気づかれる恐れはないのです。それでは
12人いる乗員はどうでしょうか。
 乗員のうちの1人は副操縦士ですが、その副操縦士を「仲間」
にすれば、他の乗員は少なくとも翌日の朝までは、気づかれるこ
とはないと考えられます。要するに、彼らをコックピットの中に
入れなければよいからです。
 通常客室乗務員は、乗客サービスと同じサービスをコックピッ
ト内の機長と副操縦士にもするのですが、深夜便の場合は夕食を
とって乗務するので、次のようにいうだけで、彼らがコックピッ
トのなかに入ってくることはないのです。
─────────────────────────────
 食事は済ましてきたから、当分、食べ物はいらない。飲み物も
必要なときは、こちらから連絡するから。
                 ──杉江弘著の前掲書より
─────────────────────────────
 既に述べたように、機長があらかじめ副操縦士を選ぶことはで
きないのです。コンピュータによる乗務割りによって偶然に同乗
することになるからです。したがって、事前に「仲間」にするこ
とは不可能です。したがって、副操縦士を「仲間」に引き入れる
ことはかなりの難事になります。
 しかも、MH370便の場合、クアラルンプール空港管制レー
ダーから抜けるまでは、あくまで北京首都空港に向けて飛行する
ための操縦を行う必要があります。実際にMH370便がクアラ
ルンプール空港管制との最後の交信「おやすみ」は、副操縦士の
声で行われています。
 これが正しいとすると、その「おやすみ」の直後、ザハエリ機
長は、副操縦士の自由を奪ったことになります。命がかかってい
ることであり、副操縦士への説得はきわめて困難であると考えら
れるので、その自由を奪うしかないのです。
 杉江氏によると、コックピット内には、凶器になりうるものが
あるそうです。たとえば、機内からの脱出時に扉が思うように開
かない場合に使う斧や単一電池が多く詰まったパワーメガフォン
もあります。副操縦士にトイレに行くからと声をかけ、背後から
頭に一撃を加えることは十分可能なのです。副操縦士は、機長が
そんなことをするとは思わないので、簡単に制圧できると思われ
ます。副操縦士への説得が困難であれば、この方法で制圧するし
かないのです。    ──[航空機事故の謎を探る/018]

≪画像および関連情報≫
 ●結局マレシア航空370便はどこなの?
  ───────────────────────────
   この決定には重要な意味があります。「同機はハイジャッ
  クされ、犯人は機長である」ということになります。当初、
  報道では、機長は誠実な熟練パイロットであり、事件との関
  連性はほとんど無いように思えました。
   ところが、西にマレーシア半島を横切ったレーダーの機体
  以降、消息がつかめずに時間だけが過ぎたところ、徐々に機
  長の政治的背景がクローズアップされ、家宅捜査ででてきた
  フライトシュミレーターなどから、機長ハイジャック説が浮
  上。南方ルートでは、それ以外理由が考えられず、ほぼ確定
  のように報道されています。
   しかし、これはどう見ても憶測からの消去法であり、起訴
  されたわけではないでしょうが、冤罪であった場合、機長、
  その親族への名誉をいちじるしく侵害しているのではないで
  しょうか。そもそも当初から、「ハイジャックならば何かし
  らの要求があるはず」「このような長時間、しかも一人で、
  乗務員、乗客を制御するほどの、ハイジャック技術があるの
  か」「通信機器を遮断してレーダーに捕捉されず操縦できる
  のか」「エーカーズ・トランスポンダ交信途絶前後の副機長
  の様子は通常どおり」など、その形跡や動機がまったくない
  ことを指摘されていました。その南方ルートを前提に、予測
  される海域に残骸らしきものが発見されたりしましたが、い
  ずれも370便とは無関係のもので、捜索は難航するばかり
  でした。             http://bit.ly/1klQB4q
  ───────────────────────────

ハイジャックされたのか/MH370便.jpg
ハイジャックされたのか/MH370便
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 航空機事故の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。