2015年10月08日

●「ストーリーを作るマレーシア当局」(EJ第4134号)

 マレーシア航空とマレーシア政府は、MH370便の失踪に関
して、終始他人事のような態度をとり、辻褄の合わない情報を小
出しにするとともに、何を聞かれても「把握していない」「確認
していない」「あらゆる可能性を」の3点セットを毎回繰り返し
しかも外国メディアからの質問は一切受け付けないのです。
 マレーシア航空とマレーシア政府は、MH370便の失踪に関
しては当事者なので、多くの情報を握っているはずですが、どう
してこのような不誠実な態度をとるのでしょうか。何しろマレー
シア当局が公表したのは、失踪機の便名と乗客乗員数が239人
ということだけなのです。明らかに意図的に何かを隠そうとして
いることは間違いないと思われます。
 行方不明のMH370便の機長と副操縦士、乗客乗員のデータ
を押さえておきましょう。
─────────────────────────────
    機長:ザハリエ・アハマド・シャー氏(53歳)
             飛行時間は1万8365時間
  副操縦士:ファリク・アブドル・ハミド氏(27歳)
               飛行時間は2763時間
─────────────────────────────
 MH370便の乗客は227人、乗員は12名であり、乗員は
全員マレーシア人です。乗員は2人のパイロットと10人の客室
乗務員です。乗員の227人の国籍は次の通りです。
─────────────────────────────
     中国 ・・・・・・・・・・・ 152人
     マレーシア ・・・・・・・・・ 38人
     インドネシア ・・・・・・・・・ 7人
     オーストラリア ・・・・・・・・ 6人
     インド ・・・・・・・・・・・・ 5人
     フランス ・・・・・・・・・・・ 4人
     アメリカ ・・・・・・・・・・・ 3人

     ニュージーランド ・・・・・・・ 2人
     ウクライナ ・・・・・・・・・・ 2人
     カナダ ・・・・・・・・・・・・ 2人
     台湾 ・・・・・・・・・・・・・ 1人
     香港 ・・・・・・・・・・・・・ 1人
     オランダ ・・・・・・・・・・・ 1人
     ロシア ・・・・・・・・・・・・ 1人
     イラン ・・・・・・・・・・・・ 2人
     ───────────────────
     合計             227人
         ──ウィキペディア http://bit.ly/1hrPo9P
─────────────────────────────
 MH370便は中国南方航空とのコード・シェア便──共同運
航便です。コード・シェア便とは、実際に飛行機を飛ばし,運行
管理や客室乗務を行うのはあくまで1社ですが,提携している航
空会社があたかも自社便のように,その便に便名をつけ,予約や
発券も行うのです。
 MH370便の場合は、実際に飛行機を飛ばすのはマレーシア
航空ですが、一部のチケットは中国南方航空便として、中国南方
航空が販売しているのです。そうすることによって、マレーシア
航空は確実にチケットが売れますし、運航しない中国南方航空も
自社の顧客として、中国南方航空の便名をつけたチケットを買っ
てもらって、顧客をそこへ連れて行くことができるのです。MH
370便の乗客に中国人が多いのはそのためでしょう。
 ナジブ首相の発言を聞いていると、MH320便は出発して間
もなく何者かにハイジャックされ、予定の進路を外れて飛行せざ
るを得なくなったというストーリーを信じさせようとしているよ
うにみえます。それを裏付ける情報として、乗客のなかに偽造パ
スポートを持つ2人のイラン人がいたことを明かしています。こ
のようにいわれると、いかにもハイジャックをやりそうな人物が
MH320便に乗っており、マレーシア当局のいうことが真実で
あるように聞こえます。
 しかし、この2人はハイジャック犯人ではないことがすぐ判明
したのです。杉江弘氏は、これについて自著で、次のように述べ
ています。
─────────────────────────────
 国際刑事警察機構のロナルド・ノーブル事務総長は3月11日
の会見で、「搭乗していた2人の男性は、オーストリアとイタリ
アのパスポートを持つ29歳と18歳のイラン人」と発表した。
そしてそれらのパスポートは、以前にタイのプーケット島で盗ま
れたものと判明した。この件では、後に、2人の目的地が北京で
はなくヨーロッパであったことから、薬物犯罪などに関する組織
の一員であるものの、偶然にMH370便に乗り合わせただけで
ハイジャック犯ではないとの見解が出された。  ──杉江弘著
        『マレーシア航空機はなぜ消えた』/講談社刊
─────────────────────────────
 マレーシア当局は、通信が途絶えた後、MH370便が左旋回
して針路を南西に取り、それから西へ、そして北西へと飛行して
行ったことをマレーシア空軍のレーダーが捕捉し、その情報を得
ていたにもかかわらず、それとは逆の南方飛行説や北方飛行説を
唱えるなど、本当にMH370便が飛行した航跡を絞らせない発
言を繰り返しています。そして、最後は燃料切れで墜落し、全員
死亡で、幕引きを図ろうとしています。
 このように、必要な情報は何一つ明らかにせず、記者からの質
問も受けず、自分たちにとって都合のよい情報のみ公開する──
事故を起こした責任ある当事者でありながら、このような態度を
とることはきわめて不誠実です。このような態度を取り続けると
マレーシア当局もこの事件に一枚噛んでいるのではないかと疑っ
てしまいます。    ──[航空機事故の謎を探る/009]

≪画像および関連情報≫
 ●マレーシア機はなぜ消えたか/2014年4月1日
  ───────────────────────────
   239人の乗員乗客を乗せて3月8日にクアラルンプール
  国際空港を出発した後、こつぜんと姿を消したマレーシア航
  空370便。手掛かりが見つからないまま10日以上が過ぎ
  乗客の家族のいら立ちが頂点に達した20日、機体の残骸の
  可能性がある浮遊物がオーストラリア当局によって発見され
  た。現場はインド洋南部、オーストラリア南西約2500キ
  ロの海域だ。初の大きな手掛かりに捜索隊は色めき立ち、飛
  行機と船舶を急行させた。ただ現場付近の天候は大荒れで、
  衛星画像で見つかった浮遊物にたどり着けず引き返す飛行機
  も出た。
   オーストラリアの当局者は、数日かけて残骸を回収できた
  としても、それが何かを特定するのにさらに数日を要すると
  認めている。仮に370便の機体の一部だと判明しても、機
  体そのものの発見は困難を極めるだろう。インド洋の水深は
  平均3900メートル。残骸は既に海流に乗ってかなりの距
  離を流されているとみられる。
   今回のケースが特に衝撃的だったのは問題の当事者が「優
  良エアライン」として知られるマレーシア航空で、しかも、
  機体が安全性を高く評価されたボーイング777だったから
  だ。マレーシア航空は、イギリスの航空サービス格付け会社
  スカイトラックスが「5つ星」に選んだ世界的に評価の高い
  エアラインだ。安全面に加え、高品質のサービスが幅広い支
  持を得ている。          http://bit.ly/1KZFnLz
  ───────────────────────────

ザハリエ・アハマド・シャー機長.jpg
ザハリエ・アハマド・シャー機長
posted by 平野 浩 at 02:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 航空機事故の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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