ではないのです。コックピットのなかには操作盤はありますが、
その切断まではできないことは昨日のEJで述べた通りです。こ
れは後で述べるエイカーズについても同様です。
実はトランスポンダーの切断法については、セキュリティの関
係から、公開されていないのです。というか、そういうことが建
前になっています。ボーイング777の場合は、上級整備士など
の航空管制システム整備の専門教育を受けた専門家でなければ、
そのやり方を知らないはずです。機長でもそのための教育は受け
ていないのです。機長が知らなくてもよいことなのです。
ところで、どこにトランスポンダーはあるのでしょうか。
トランスポンダー機器は、ボーイング777のサーバールーム
に該当するE/Eベイに収納されているのです。E/Eベイは、
ファーストクラスの乗員スペースの床の下にハッチが設けられて
おり、床のカーペットを剥がして、ハッチを開けることで、内部
にアクセスすることができるようになっています。
貴重な動画を見つけました。7分ほどの動画ですが、ぜひ見て
いただきたいと思います。そうすれば、トランスポンダーの切断
がいかに大変であるかがよくわかると思います。なお、この動画
の存在を知ったボーイング社は、セキュリティのため、トランス
ポンダー機器の位置を変更したと聞いています。
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◎ボーイング777のトランスポンダーはここにある
http://bit.ly/1PcFoyO
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仮にMH370便がハイジャックされたとした場合、そのハイ
ジャック犯は「トランスポンダーを切れ!」と機長に要求したは
ずですが、機長は「できない。知らない」と答えたと思います。
それでも本当に切断したのだとすれば、そのハイジャック犯が、
機長ですら知らないその切断方法を知っていたことになります。
そうなると、これはただのハイジャック事件ではなくなります。
続いてエイカーズについて考えます。ナジブ首相のエイカーズ
の発言について、杉江弘氏は次のように述べています。
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ナジブ首相は、午前1時7分の最初の受信後、次の1時37分
にはメッセージが届かなかったとしかいっていないのである。そ
してマレーシア軍幹部が、朝日新聞の取材に対し、「通信装置の
“一部”が故意に切られた可能性が高い」と答えているのも注目
に値するのではなかろうか。 ──杉江弘著
『マレーシア航空機はなぜ消えた』/講談社刊
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エイカーズは、機体に電源が入れば自動的に始まるのです。ナ
ジブ首相は、午前1時7分に最初の受信があったといっているの
で、エイカーズは間違いなく作動していたことになります。
なお、杉江氏は、エイカーズを切断、あるいは不作動にしよう
とする方法について、次のように述べています。
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ボーイング777では、コックピットから客室へ出てカーペッ
トを剥がし、MFCと呼ばれる床下の空間に潜り込み、多くのC
CB(サーキット・ブレーカー)の中からそれを割り出し、引き
抜くこと。 ──杉江弘著の前掲書より
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これは、動画のトランスポンダーの切断のやり方と同じです。
推測ですが、トランスポンダー機器もエイカーズ機器も、客室で
はなく、ファーストクラスの乗員スペースの床下に収納されてい
るのではないでしょうか。
もし、杉江氏のいうように、客室スペースの床下にあるとすれ
ば、その切断作業をすれば、間違いなく乗客に怪しまれます。も
し、この事件がハイジャックであるとすると、離陸直後の時点で
は乗客に気づかれたくはないはずです。犯人は乗客が外と連絡を
とることを恐れるからです。
杉江氏の本には、MH360便の機内の乗客についての次の記
述があります。
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今回のMH360便のように、マレーシアやシンガポールを発
って成田や北京などに向かう便では、サービスの方法が一般の便
とは異なっている。機が離陸後、巡航高度に達したら、客室乗務
員はスナックなど軽い食事を出した後、機内を暗くして乗客が睡
眠をとれるようにする。深夜便では、多くの乗客はすでに搭乗前
に夕食を済ませており、ともかく一刻も早く寝たい気分になって
いるからだ。そこで、ホットミールと呼ばれるメインの温かい食
事は、到着の2時間ほど前に出されることが多い。
──杉江弘著の前掲書より
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これも推測ですが、トランスポンダーは本当に切断したものの
エイカーズはそのままにしていたと考えられます。仮にそのため
の床下の作業があったとしても、それに客室乗務員は気づいてい
ても、何をしているかはわからなかったはずです。もし、機がハ
イジャックされたとしても、その騒ぎはコックピット内に止まっ
ており、乗員も乗客もおそらく朝までは気がつかなかったものと
思われます。
もし、エイカーズが切断されず、生きていたとすれば、理解で
きないことがあります。それは、MH370便の運航データは、
30分おきにマレーシア航空とロールス・ロイス社には届いてい
るはずであり、その位置なども特定できたはずなのに、それが公
表されていないことです。
とにかくMH370便の事故に関しては、当事者であるマレー
シア航空もマレーシア当局も情報を持っているはずなのに、情報
を小出しにし、質問すら許さないという異常なメディア対応に終
始していたのです。 ──[航空機事故の謎を探る/008]
≪画像および関連情報≫
●「マレーシア機」問題で全く触れられていないこと
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メディアでは、まだ、「事件」なのか「事故」なのかで揺
れた報道になっている状況です。元機長の評論も人によって
はくるくる変えたり、口を濁らせるケースを見かけます。私
は「レーダーから突然消えた」という事態から最悪ではあり
ますが、燃料のあるうちならば「海上着水」、燃料がなくな
れば「墜落」ということを申しておりました。原因について
も「すべての発信を断ち切って」というところは、「不自然
さ」がつきまといます。
「9.11」以前は、コックピットへも許可さえあれば容
易に入れましたが、現在は乗客は一切入れない!」としてい
ますし、客室乗務員の出入りについても各エアラインごとの
ルールをつくって厳重にしています。また、コックピットド
アもかつては「蹴飛ばせば、開く」程度の強度でしたが、現
在はびくともしないように強化されました。
とはいうものの、パイロットが最大の神経を使った離陸後
にはCAが出入りし二人のパイロットの好みを聞いたうえで
「コーヒー・紅茶などの飲み物」を届けるのが普通です。離
陸後50分後にレーダーから消えた!という頃は、キャビン
では「飲み物や食事の機内サービスを展開し始めている」状
況です。乗客のサービスと並行して、客室乗務員は「パイロ
ット」の食事の世話をしなければなりません。
http://bit.ly/1QRJkDs
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トランスポンダー機器はどこにあるか


