2015年09月03日

●「千島学説とSTAP論文の類似点」(EJ第4112号)

 昨日のEJで取り上げたルドルフ・フィルヒョウ──ドイツの
生理・病理学者で、近代医学の父といわれる人物ですが、日本で
はどういうわけか「ウィルヒョウ」と表記されることが多いよう
です。現在、ベルリンのシャリテーにある「医学歴史博物館」に
はフィルヒョウの肖像画とともに、フィルヒョウにゆかりのある
さまざまな病理資料が展示されています。フィルヒョウは多くの
医学的業績を遺していますが、一番有名なのは次の法則です。
─────────────────────────────
 「全ての細胞は他の細胞に由来する」──すべての細胞は細
 胞分裂から生まれる。    ──ルドルフ・フィルヒョウ
─────────────────────────────
 フィルヒョウの性格は攻撃的であり、好戦的であったといわれ
権勢欲、名誉欲の権化ともいえる人物だったようです。そのため
単なる生理・病理学者におさまっている人物ではなく、政治にも
強い関心があり、彼は次のような発言もしています。
─────────────────────────────
 「医療」はすべて「政治」であり、政治とは、「大規模な医
 療」にほかならない。    ──ルドルフ・フィルヒョウ
─────────────────────────────
 フィルヒョウは政界に進出し、当時の熱血宰相ビスマルクに舌
鋒鋭く論戦を挑むなど、ビスマルクの政治的な敵対者でもあった
のです。実際にフィルヒョウは、公衆衛生の改善を強く訴え、ベ
ルリンに近代的な上・下水道を作るなど、政治家としても立派な
仕事を成し遂げているのです。
 そのため、ドイツ国民の人気は高く、ベルリン医学会会長、ベ
ルリン大学学長の地位まで上り詰めています。日本でいうなら、
日本医師会会長にして東京大学総長を兼務し、さらに野党党首ク
ラスの国会議員であり、国民に絶大な人気を持つ文化勲章受章者
──そのようなイメージの人物だったようです。
 時は今から75年前の1940年、場所は九州大学農学部研究
室での出来事です。九州大学農学部助手千島喜久男(41)(後
の岐阜大学農学部教授/千島教授と表記)は、見てはならないも
のを顕微鏡で見ていたのです。
─────────────────────────────
      赤血球が他の細胞に変化している!
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 正確にいうとこうなります。顕微鏡下には、ニワトリの胚子生
殖腺の鮮明な映像が映っており、そのなかで血球が他の生殖細胞
に変化していくさまを明確に確認できたのです。ちなみに、「胚
子」とは受精卵から8週間までの状態です。それを研究するのが
「発生学」と呼ばれる学問です。
 本来こんなことはあるはずはないのです。なぜなら、フィルヒ
ョウによると、赤血球は赤血球細胞からのみ生じ、1個の赤血球
が増殖して、無数の赤血球になるはずだからです。したがって、
赤血球は赤血球以外には変化しないのです。それなのに、顕微鏡
の下では、赤血球の細胞が他の体細胞に変化するさまが映し出さ
れていたのです。
 これについて、このときの千島教授の心境を舩瀬俊介氏は次の
ように書いています。
─────────────────────────────
 千島は顕微鏡の前で呆然自失した。今、観察したようなことは
ありうるのだろうか?
 それは、彼が学んできた生物学を根底からくつがえす現象だっ
たからだ。当然、彼が義務教育から大学にかけて学んだのは「細
胞は細胞分裂のみで生じる」という絶対律である。
 そこでは──赤血球が他細胞に変わる──などという魔法のよ
うなことは、絶対ありえない。あってはならない。しかし、千島
は、赤血球が他細胞へ変化する様子を目撃したのだ。それは、白
日夢では断じてない。彼は研究室の一隅で、声を失い座り込むば
かりであった。               ──船瀬俊介著
        『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
             復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
 千島教授が見たものをもう少し正確にいうと、赤血球が生殖細
胞に移行し、分化したという事実です。赤血球というのは体細胞
の一種であり、それが生殖細胞になったのですから、赤血球以外
の細胞に変化したことになります。明らかに、フィルヒョウの法
則に反しているのです。
 「何かの間違いかもしれない」と考えた千島は、何回も実験を
繰り返したのです。しかし、どんなに調べてもその事実はかわら
なかったのです。「間違いない」──帰宅した千島は、夫人に、
次のように伝えたといいます。
─────────────────────────────
 これは大変なことになった。生物学はその第一ページから書き
直されねばならぬ。神は私に大きな仕事をさせようとしている。
        ──船瀬俊介著の前掲書より/千島喜久男教授
─────────────────────────────
 赤血球が他の細胞に変化するのは「赤血球が万能細胞である」
ことを意味しています。ここで思い出していただきたいのは、小
保方氏がマウスの脾臓からリンパ球を取り出し、酸性刺激を与え
たら、STAP細胞という万能細胞になったという事実です。こ
こでリンパ球というのは血球細胞のことなのです。つまり、血球
細胞は万能細胞ということになります。そういう意味で、75年
前に千島教授が発見した千島学説とSTAP論文は一致する点が
多いといえるのです。
 しかし、現在「千島学説」について知っている人はほとんどい
ないといえます。また、知っていたとしてもトンデモ学説として
認識しているだけです。つまり、まともな学説として認めていな
いわけです。千島学説は、STAP論文とまさに同じ運命をたど
ることになるのです。   ── [STAP細胞事件/085]

≪画像および関連情報≫
 ●千島学説の浮沈/内海聡氏/フェイスブック
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   千島自身が観察したように、誰か権威ある研究者が先入観
  念を捨てて顕微鏡を覗いてくれるなら、千島学説に間違いが
  ないことが明らかになるはずである。しかし悲しいかな、ほ
  とんどの研究者たちは「そんなバカなことなどありえない」
  と問題にもしてくれない。
   千島が「赤血球分化説」を発表したとき、多くの学者たち
  は感情的な反発を表した。そしてその後も無視、黙殺、排除
  封印等々の憂き目に遭った千島学説ではあったが、なかには
  実際に「赤血球分化説」の検証をした学者もいた。その一人
  が森下敬一医学博士で、森下博士は顕微鏡下に、千島が見た
  ものと全く同じ現象を観察することができたのだった。
   東京医大を卒業した森下は生理学教室に入室、血液生理学
  を専攻し、昭和30年に千葉大学医学部より学位を授与され
  た。その森下博士がクロロフィール(葉緑素)の生理作用を
  観察していたときに、ウサギの赤血球にクロロフィールを作
  用させたところ、なんと、赤血球が奇妙なかたちに変化して
  いった。興味をもってさらに観察を続けていくと、赤血球の
  変化はクロロフィールの作用と関係なく起こることが分かっ
  た。この顕微鏡観察は、千島学説の「赤血球分化説」、つま
  り「赤血球が細胞に変化する」ことをそのままはっきりと裏
  付けるものだった。森下博士はその後もウサギを使って「骨
  髄で血液は造られていない」ことを確認し、千島学説の正し
  さを全面的に認めたのである。ただ、突き詰めて調べていっ
  てみると、千島森下学説はソマチットなどの話の表面にしか
  過ぎないようだ。とにかく世界は広くて面白い。
                   http://bit.ly/1KBnJio
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千島喜久男博士.jpg
千島 喜久男博士


posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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