2015年07月01日

●「理研調査委はSTAP細胞を否定」(EJ第4067号)

 これからの説明のために必要になるので、6月5日付のEJ第
4049号で説明したSTAP細胞関連の3つの細胞を再現して
おくことにします。
─────────────────────────────
  1. STAP細胞
     ・万能細胞であるが、自己増殖能はない
  2.STAP幹細胞
     ・万能細胞であり、かつ自己増殖性あり
  3.  FI幹細胞
     ・2に加え胎児と胎盤の両方に分化する
                   http://bit.ly/1KddaRV
─────────────────────────────
 私の印象では、理研は笹井芳樹CDB副センター長が自殺(2
014年8月5日)するまでは、かなり小保方氏を庇っており、
何とかSTAP細胞の正当性を立証しようと努力していたように
感じます。
 しかし、笹井氏が亡くなると、理研の調査委員会の結論として
は一転して「STAP細胞=ES細胞」ということで、幕引きを
図ったように思うのです。つまり、笹井氏の死後、理研は方針を
変更したと考えられます。
 現在、小保方氏以外のSTAP細胞事件の関係者は口を揃えて
次のようにいっています。
─────────────────────────────
 STAP細胞は、小保方晴子氏以外、誰ひとり世界中で再現
 に成功した人はいない。
─────────────────────────────
 これをもっと正確にいうと、ネイチャー誌に掲載された論文の
レシピで、再現に成功した人はいないという意味になります。し
かし、小保方氏の監督の下で、生後1週間の赤ちゃんマウスの脾
臓からSTAP細胞を作製し、STAP幹細胞まで成功した人は
少なくとも1人いるのです。それは、若山照彦山梨大学教授その
人です。若山教授はノフラー博士の質問に「100%自分の手で
作製した」と強調しています。もし「STAP細胞=ES細胞」
であり、STAP細胞など存在しないのであれば、若山氏が成功
するはずがないのです。
 このSTAP幹細胞は2株とも残されており、若山氏も理研も
解析して、正当なものであることを確認しています。「FLS─
T」の2株がそうです。もし、そうであったとすると、「STA
P細胞は存在する」ということになるはずです。
 若山教授自身も外国の知人の研究者がSTAP細胞の作製に成
功したというメールをもらったとノフラー博士に話していますし
笹井氏も自身の記者会見で、理研内部で少なくとも2人が作製に
成功していると発言しています。1人もいないどころか世界に何
人もいるではありませんか。
 ところが、奇怪なことに、その若山氏自身が「世界でSTAP
細胞を再現できた人は一人もいない」と発言しているのですから
理解に苦しみます。若山教授は2014年6月16日の記者会見
で、記者からSTAP細胞の再現実験についてどう思うかと質問
され、次のように答えています。
─────────────────────────────
 世界中でSTAP細胞を作れるといっている人は小保方氏しか
いないのですから、本人にやってもらうのが一番良いのではない
でしょうか。      ──若山教授/6月16日の記者会見
─────────────────────────────
 実は、理研の調査報告書にも若山教授がSTAP細胞の作製に
成功したことの記述があるのです。
─────────────────────────────
 STAP幹細胞、FI幹細胞、キメラ、またはテラトーマの作
製にまで到達できたSTAP細胞は、すべて小保方氏が作ったも
のである。CDB若山研のメンバーで挑戦した者は多いが、小保
方氏以外で成功した者はいなかった。例外として、一度だけ、小
保方氏が付き添って指導したときに、若山氏がSTAP細胞作製
を行い、さらにSTAP幹細胞作製まで到達したことがあった。
(表:STAP関連細胞株一覧の「FLS─T1、T2。この細
胞株のデータは論文には使われていない」)。
      ──「研究論文に関する調査報告書」/調査委員会
─────────────────────────────
 ここで留意すべきは、この調査委員会とは、理研が設置した調
査委員会のことであり、その正式名称は「研究論文に関する調査
委員会」になっていることです。STAP細胞が存在するかどう
かの調査委員会ではないのです。したがって「FLS─T1/T
2」に関しては、論文のデータはないので、調査委員会としては
関知しないというわけです。
 現在、若山研究室に残されていたSTAP幹細胞は次の通りで
すが、2〜4については、同種のES細胞が存在することが明ら
かになっています。
─────────────────────────────
  1.  FLS ・・・  8株
  2.AC129 ・・・  2株/同様のES細胞が存在
  3.FLS─T ・・・  2株/同様のES細胞が存在
  4.  GLS ・・・ 13株/同様のES細胞が存在
─────────────────────────────
 このうち、「FLS─T」は論文のデータではないとして外さ
れ、残りについて調査委員会が遺伝子配列データの解析をしたと
ころ、若山研究室が別の実験で作製したES細胞のどれかと一致
したというのです。これをもって、STAP細胞とされていたも
のは、ES細胞の混入に由来すると断定しているのです。
 STAP細胞でないと説明がつかない現象はすべて一蹴され、
調査されていないのです。これではあまりにも乱暴な結論といわ
ざるを得ないのです。    ─ [STAP細胞事件/040]

≪画像および関連情報≫
 ●「理研の調査委員会報告書」/アクチュアリーの練習帳
  ───────────────────────────
  昨年12月26日に発表された、例のSTAP細胞に関する
  論文についての理研の「研究論文に関する調査委員会」の報
  告書と、それに関する説明用のスライドを読みました。この
  報告書の目的はSTAP細胞に関する(ネイチャー誌に載っ
  た)三つの論文について、研究不正があるかどうか、もしあ
  るならその責任を負うべき者は誰かを明らかにすることで、
  調査の対象となるのはSTAP細胞を作った(ことになって
  いる)小保方さんと小保方さんの作ったSTAP細胞からS
  TAP幹細胞を作った(ことになっている)若山さんと、研
  究チームのリーダーであった丹羽さんの三人です。で、結論
  としては、論文の中の図についていくつかデータの捏造がみ
  つかり、小保方さんの責任だと認定しており、若山さんと丹
  羽さんについては、研究不正は見つからなかったということ
  です。しかしこの報告書の中味は、むしろ小保方さんが作っ
  たSTAP細胞から若山さんが作ったSTAP幹細胞といわ
  れるものが、遺伝子を調べてみると全て(STAP細胞とは
  別の実験で)若山さんの研究チームが作ったES細胞と同じ
  ものだということが分かったということのようです。本来小
  保方さんの作ったSTAP細胞が残っていればそれを調べる
  のが一番良いんでしょうが、STAP細胞というのはほとん
  ど増殖しないので、あまり長くはもちません。で、今はもう
  残っていません。しかしそのSTAP細胞をSTAP幹細胞
  にすれば増殖するようになり、ずっと残すことができるとい
  うことのようです。        http://bit.ly/1QWBPzp
  ───────────────────────────

STAP論文の調査結果を報告する槇委員長.jpg
STAP論文の調査結果を報告する槇委員長
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
調査委員会の報告では、STAP幹細胞と欠失等の遺伝的特徴が似ているES細胞があるというのは証明されていますが、実は、全てのSTAP幹細胞がES細胞の混入で作られたと証明されているわけではありません。これを証明するには最低でもES細胞がSTAP幹細胞より先に作られていることを示す必要があります。FLSというSTAP幹細胞と同じ特徴を持つES細胞は小保方氏の冷凍庫で見つかった129/GFP ESというES細胞です。しかし、これは作者不詳で作成日も不明です。従ってFLSより先に作られたという証拠はありません。調査報告のスライド資料をよくみると逆に、このES細胞がFLSより後に作られたと疑われるデータになっています。
Posted by 和モガ at 2015年07月01日 07:08
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