2015年06月23日

●「STAP細胞不存在は本当なのか」(EJ第4061号)

 若山教授が「STAP細胞は存在しない」と考えた3つ目の要
因は次の通りです。6月15日のEJから再現します。
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 3.STAP細胞の存在には疑惑がある
  ・STAP細胞の正体はES細胞である疑惑が濃厚である
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 2014年末をもって世間の雰囲気は、STAP細胞は存在し
ないことになっています。なぜなら、理研による調査の最終結論
が「STAP細胞の正体はES細胞である」となっていることと
小保方氏自身によるSTAP細胞の再現実験が期日内に成功しな
かったことをもってそうなっています。
 理研の調査結果についても、小保方氏の再現実験の失敗につい
ても改めて検証しますが、STAP細胞の正体がES細胞である
ことについてはEJとしては疑問を持っています。
 STAP細胞がES細胞ではないかと早くから疑っていたのは
若山照彦山梨大学教授です。あるとき、小保方氏からSTAP細
胞であるとして渡された細胞からキメラマウスやSTAP幹細胞
ができたとき、若山氏はそんなことがあり得るだろうか、自分が
何か間違いを冒したのではないかと疑心暗鬼になったといわれま
す。若山氏はそういう性格の持ち主のようです。
 そして若山氏がたどりついた結論は、小保方氏からSTAP細
胞であるとして渡された細胞は、若山氏がその細胞を作るために
渡した生後一週間の赤ちゃんマウスではなく、当時若山研究室に
存在したES細胞だったというものです。これを確かめるには、
小保方氏から渡されたSTAP細胞から作られたSTAP幹細胞
から遺伝子情報を解析するしかないと考えたのです。
 そこでSTAP幹細胞を第三者機関で解析した結果、マウスの
すり替えが判明したのです。若山氏は一致するはずの遺伝子が一
致しなかったことをもって、そのような系統のマウスは若山研究
室にかつて存在したことはないことを会見で強調したのです。
 しかし、解析には誤りがあり、STAP幹細胞の元のマウスは
若山研究室に存在したことが判明したのです。しかし、研究室の
外から持ち込まれたマウスではないからといって、それをもって
STAP細胞が存在することにはならないと理研は説明している
のです。これについては昨日のEJで、理研の訂正会見を報道し
た共同通信の記事の一部を再現します。
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 これまで「若山照彦山梨大教授の研究室のマウスから作られて
おらず、由来は不明だ」としていたが、細胞の遺伝子の特徴が若
山研で飼育していた特定のマウスと一致する可能性のあることが
判明した。理研は詳細な調査を続けるが、若山研のマウス由来だ
ったとしても、直ちにSTAP細胞の存在につながることを意味
しないという。    ──2014年7月23日付、共同通信
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 なぜ、このようなコメントになるのかについては、改めて説明
するとして、根本的な疑問について考えます。それは、若山教授
が一度STAP細胞の作製に成功しているという事実です。これ
については、若山教授自身も認めているのです。毎日新聞の須田
記者の本には若山氏について次の記述があります。
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 ネイチャーの記事にあった通り、CDBを去る前の2013年
春、小保方氏から直接、作製方法を習ったときはSTAP細胞が
できたが、山梨大学では成功していないという。「酸性処理が難
しい。全滅するか、ほとんど死なないかのどちらかになってしま
う」。         ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
─────────────────────────────
 この記述によると、若山教授は小保方氏の指導は受けたものの
STAP細胞の作製に成功しているのです。これは事実です。本
人も認めています。ここからは推測ですが、若山教授といえば、
こういう実験については小保方氏よりもはるかに熟達している学
者です。また、若山氏の性格から考えても、実験に使う弱酸性の
液や培養に使う培地などは、小保方氏の指導を受けて自分で作製
しているはずです。
 そこで自分で生後一週間の赤ちゃんマウスの脾臓からリンパ球
を取り出し、弱酸性の液に浸して、それを培養する──ここまで
は自分主導でやって、STAP細胞づくりに成功しているはずで
す。おそらく若山氏のことですから、そのSTAP細胞を使って
キメラマウスの作製やSTAP細胞幹細胞まで作製しています。
です。そこまでやらないと納得しない学者だからです。
 ところが若山氏は、「山梨大では成功していない」というので
す。しかし、そういうことはよくあることであり、山梨大で成功
できなかったからといって、「STAP細胞は存在しない」とい
う証拠にはならないはずです。
 その自分が成功した実験において、仮にES細胞が混入してい
たとして、若山教授がそれに気が付かないはずがないのです。な
ぜなら、若山教授はいつもES細胞を使って実験をしているから
です。若山教授は、米国の幹細胞生物学者のポール・ノフラー博
士とのインタビューで、ES細胞の混入の疑いについて、次のよ
うに発言しているのです。
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 私STAPからSTAP─SC(STAP幹細胞)を複数回樹
立しました。(ESの)混入がその度に起こるなんてことは考え
づらいです。さらに私はSTAP─SCを129B6GPFマウ
スから樹立しました。その当時、我々は、その系統のES細胞を
持っていませんでした。        http://bit.ly/1huUfTu
─────────────────────────────
 このインタビューは、2014年2月27日に行われたもので
すが、その約10日後に若山教授は、STAP論文の撤回を呼び
かけているのです。     ─ [STAP細胞事件/034]

≪画像および関連情報≫
 ●「STAP細胞への逆風」/福岡伸一氏
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  優れた可能性をもった多分化能幹細胞をごく簡単な方法で作
  り得た──全世界が瞠目したSTAP細胞の発見をめぐる状
  況がにわかに揺らぎ始めた。そもそも日本のメディアが連日
  報道したのは、発見者の小保方晴子博士が若い理系女子だっ
  たからだが、なんといっても最も権威ある科学専門誌ネイチ
  ャーに2つの関連論文が同時に掲載されたこと──つまり、
  厳しい審査を経ているはずだということ、そして共同著者に
  理化学研究所の──日本を代表する再生医療研究のメッカ、
  錚々たるメンバー、およびハーバード大学医学部の──いわ
  ずと知れた世界最高峰の研究機関、有名教授陣が名前を連ね
  ていたという事実も、発見の信頼性に多大な後光効果をもた
  らしていたことは確かだった。これまで再生医療の切り札と
  して研究が先行していたES細胞やiPS細胞(いわゆる万
  能細胞)の作製よりもずっと簡便(弱酸性溶液につける)な
  のにもかかわらず、より受精卵に近い状態に初期化できてい
  る(STAP細胞は、胎盤にもなりうるというデータが示さ
  れていた。胎盤となる細胞は受精卵が分裂してまもなく作ら
  れる。ES細胞やiPS細胞はもっとあとのステージの状態
  なので逆戻りして胎盤になることはできない)。ES細胞の
  ように初期胚を破壊する必要もなく、iPS細胞のように外
  来遺伝子を導入する操作も必要ない。ただストレスを与える
  だけで、細胞が本来的に持っていた潜在的な多分化能を惹起
  させうるという、これまでの常識を覆す、意外すぎる実験結
  果だった。私の周囲の幹細胞研究者にも聞いてみたが、皆一
  様に大きなショックを受けていた。それは正直なところ嫉妬
  に近い感情だったかもしれない。  http://bit.ly/1LmbpTX
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ポール・ノフラー博士.jpg
ポール・ノフラー博士
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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