2015年06月02日

●「STAP論文は本当に捏造なのか」(EJ第4046号)

 現在、おそらく世間一般の小保方晴子氏のイメージは、日本の
ベートーヴェンとして話題になった「佐村河内守風」になってい
ると思います。「上げて落す」マスコミの異様な「小保方バッシ
ング」は、かつての小沢バッシングに通ずるものがあります。そ
こに、何が何でも「潰してやる」という強い意思を感じます。
 しかし、小保方氏は本当にそういう研究者なのでしょうか。
 小保方氏が佐村河内守風のエセ研究者であるならば、そんな小
保方氏に「特別研究員DC1」を与えた日本学術振興会の高名な
先生方も騙されたということになります。それにSTAP細胞論
文がもし捏造であるならば、この論文が世に出るまでに小保方氏
を取り巻いていた錚々たるノーベル賞級の学者や研究者たちは、
そんなことも見抜けないレベルの学者ということになると思うの
です。STAP細胞事件に関する本を何冊も読んでみた結果、私
は小保方氏が捏造をするような人には思えないのです。
 そこで、STAP細胞事件の推移をていねいに伝えている毎日
新聞の須田桃子記者の著作から、バッシングが始まる前の小保方
氏の研究者としての資質の評価や論文(STAP細胞論文だけで
なく、卒論や博士論文を含む)内容の評価などにつき、いくつか
ピックアップしてみることにします。
 早稲田大学大学院で小保方氏を指導した常田聡早稲田大学先進
理工学部教授は次のように述べています。
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 卒論のテーマは、バクテリアを分離して培養する手法の開発。
当時の小保方氏は「考え方も行動も非常にユニークで、積極性の
ある学生」で、学会などでは著名な研究者とも臆せず交流する姿
が印象的だったという。
 小保方氏の博士論文で主査を務めたと言い、「非常に優れた博
士論文だった。彼女がまとめたのは研究の一部。もっと他にもい
ろいろな研究成果を残していたので、半ば冗談で、もう一つ博士
論文が書けるんじゃないか、そうしたら医学博士も同時にとれる
のでは、という話をしたことも覚えている」と振り返った。
            ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
       『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
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 常田教授は研究者としての小保方氏を高く評価しています。も
ちろんお祝いの言葉ですから、多少は褒め言葉は入っていると思
いますが、それを割り引いても高い評価であると思います。「彼
女の研究実績からすれば、もう1本博士論文が書ける」という表
現は、研究者としての実績を認めたコメントといえます。
 iPS細胞を使って移植用の血液や臓器の作製に挑む中内啓光
・東京大学教授は、発表前の小保方氏の論文を読んで、次の感想
を述べています。これは専門家の論文評価です。
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 「大発見ですよね。早速追試しようと思っているが、追試でき
るとしたら画期的だ。実用面と生物学的な面と、両方の意義があ
る。実用面では今回はマウスの成果だが、ヒトで同じことができ
れば面白い。再生医療で応用できる可能性もある。iPS細胞以
上に初期化され、全能性に近い性質を持つようになったわけだか
ら。生物学的には、ストレスを与えるだけで、こんなに簡単に全
能性に近い性質を得られるとすると、メカニズムはもちろん知り
たいし、なぜこの程度のストレスで?という疑問もわく。塩酸を
手にかけるのと同じことですからね」。「驚きの成果ですか」。
「そうですね。iPS細胞と同じくらい、いや、それ以上のショ
ックだ」。 ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 確かに小保方氏以外の第3者がSTAP細胞の再現に成功して
いないというのは大きなネックです。しかし、この手の実験の再
現成功率は低いのです。発見者自身も何度も失敗を繰り返して、
少しずつ成功率を高めているのです。
 しかし、唯一STAP細胞の再現に成功した人がいるのです。
それは共同研究者の若山照彦氏です。STAP細胞に疑惑が出た
直後に須田記者は、甲府の山梨大学に若山教授を訪ねて、インタ
ビューしています。そのとき、STAP細胞の再現についても聞
いています。
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 ネイチャーの記事にあった通り、CDBを去る前の2013年
春、小保方氏から直接、作製方法を習ったときはSTAP細胞が
できたが、山梨大学では成功していないという。「酸性処理が難
しい。全滅するか、ほとんど死なないかのどちらかになってしま
う」。国内外で追試の成功例がなく、STAP細胞の存在そのも
のを疑う声もあることに触れると、若山氏の表情は意外にも少し
明るくなった。「今のような状況は予想していたし、それが研究
の世界の楽しいところというか、後になれば楽しい記憶になると
思う。(中略)iPS細胞は例外だが、すべての新しい発見は、
その後1年くらい誰も再現できなくて騒がれるのが当たり前。理
研も簡単だと言い過ぎたが、今できないと騒いでいるのは、技術
力というものを甘くみている連中だと思う。小保方さんが5年か
けてたどりついた成果に2〜3週間で追いつけるわけがない」。
      ──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
─────────────────────────────
 この時点で若山氏は、その先行きのことを何も心配していない
ようです。そういうことはよくあることであり、時間が解決する
といっているのです。しかし、今回はそうなっていないのです。
それに、論文撤回を最初にいい出したのはこの若山氏なのです。
 もっとも「小保方氏本人も再現実験に成功していないじゃない
か」という人も多いです。しかし、再現実験は非常にデリケート
な作業なのです。まして、指導者として尊敬していた笹井芳樹氏
が自殺し、小保方バッシングが強まるなか、わずか数ヶ月で再現
に成功しないからといって、それが論文内容の全面否定にはなら
ないと思うのです。  ――── [STAP細胞事件/019]

≪画像および関連情報≫
 ●「若山照彦問題を忘れるな」/山崎行太郎氏ブログより
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  筆者にはどうしても、笹井芳樹氏が自身の生命を断ち、小保
  方晴子氏が自身の研究生命を失いかねないような、余りにも
  明白な捏造行為を意図的に行ったのだとはとても考えられな
  いのだ。即ち、STAP細胞とES細胞をスリ替えて意図的
  な捏造を行ったのは、断じて小保方晴子氏本人ではなく、故
  笹井芳樹氏にも恐らく責任など無い。2人共にそんな馬鹿げ
  た捏造を行う理由など何処にも無かったからである。つまり
  この悪意のスリ替えと意図的な捏造を行った張本人は別に居
  て、2人はその悪意の罠に嵌められたものとも考えられるの
  だ。実はSTAP細胞研究者中に唯一人だけ、極めて積極的
  にSTAP実験検証情報をNHK等マスコミに提供し、故笹
  井芳樹・小保方晴子両氏を徹底して追い詰めることに協力し
  てきた人物が居る。山梨大学の若山照彦教授である。彼こそ
  が、自身の功を焦ってSTAP細胞とES細胞を自分の研究
  室内で秘かにスリ替え、STAP幹細胞の作成とキメラマウ
  スの発生に成功した、と馬鹿なウソをついたか、或いは、何
  らかの意図か嫉妬心で小保方氏らを罠に嵌め、STAP研究
  の一切を台無しにしてしまったその張本人なのではないか?
  (彼の研究室でなら、それが可能な条件全部が揃ってた事を
  誰もが完全に見落としてないか?)。これは若山氏に対する
  単なる誹謗中傷ではなく、氏の小保方氏に対するマスコミを
  使った攻撃が余りにも執拗に、一方的に繰り返されている事
  への、妥当な反論として為されるべき議論である。
                   http://bit.ly/1FfF0Xi
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常田聡早稲田大学先進理工学部教授.jpg
常田 聡早稲田大学先進理工学部教授
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も全く同感です。研究を捏造するなどという行為は科学者の行うことではなく、詐欺師の仕事である。最初理研や早稲田大学、或いはノーベル賞候補にも匹敵する能力といわれた笹井教授が承認した論文を小保方女史の捏造とした人物が一番怪しい。
私が、小保方女史の親ならば、理研を始めとして捏造説を唱えて小保方女史を人格破壊へ導いた全ての者を人権侵害と名誉毀損で民事、刑事両方で告発し、裁判での決着を求めただろう。
Posted by 市川賢吾 at 2015年06月02日 08:47
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