た理由について解明する必要があります。直接的には、東京女子
医科大学の大和雅之教授の働き掛けがあったと考えられますが、
なぜ大和教授は小保方氏に目をつけたのでしょうか。
これを明らかにするには、岡野光夫氏なる人物について触れる
必要があります。岡野光夫氏は、現在、東京女子医科大学学長付
特任教授で66歳です。1979年に早稲田大学大学院で高分子
化学の博士号を取得し、1999年に東京女子医科大学医用工学
研究施設長になり、2001年に日本再生医療学会の理事長に就
任しています。
1998年当時岡野教授には、組織工学の研究費として、年間
1億5000万円の予算が、文科省が所管する日本学術振興会の
未来開拓学術研究推進事業として、5年間にわたって付くことに
なっていたのです。
なぜ、岡野光夫教授にこれほど巨額な予算がつくのかというと
筏義人京都大学教授のおかげなのです。筏氏の専門分野は、岡野
氏と同じ高分子であり、その付き合いは長く、筏氏は岡野氏のこ
れまでの業績を高く評価していたのです。
2人は、高分子の研究は既に盛りを過ぎており、その将来像を
組織工学、そしてさらにそれを再生医療へと発展させるという点
で意見は一致していたのです。そういうわけで筏、岡野両氏は、
これからは生体内のバイオマテリアル(生体材料)の研究が重要
になると考えていたのです。
筏京都大学教授は、日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事
業の委員長(2001年3月まで)をしており、予算を差配でき
る立場にあり、高分子研究の新たなフィールドとしての組織工学
に期待を込めて、岡野氏の研究に予算を付けたのです。
ここで、「組織工学」について知っておく必要があります。組
織工学は次のようにいわれています。
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組織工学とは、Tissue Engineeringである
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1993年のことです。米国のある医師と工学者が新しい提案
をしたのです。それが「ティッシュ・エンジニアリング」です。
「ティッシュ」は、人の身体の細胞組織のことを意味し、「エン
ジニアリング」は、工学または工業技術のことです。この2つを
組み合わせるので、「組織工学」というのです。その狙っている
ことは、生きた細胞を用いて、生体機能を備えた組織や臓器を人
工的に作り出すことです。つまり、組織工学とは再生医療と同意
義なのです。
それでは、米国のある「医師」と「工学者」とは具体的にだれ
を指すのでしょうか。
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医 師 ・・・・ ジョセフ・バカンティ
工学者 ・・・・ ロバート・ランガー
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工学者の方から説明します。ロバート・ランガー氏は、米国の
生体工学者で、現在マサチューセッツ工科大学(MIT)で化学
工学科および生物工学科の教授職を務めています。専攻はドラッ
グ・デリバリーとティッシュ・エンジニアリングです。
医師はジョセフ・バカンティ氏──この名前を聞くと、ハーバ
ードー大学で小保方晴子氏を指導したバカンティ教授のことかと
誰でも思いますが、そちらはチャールズ・バカンティ氏のことで
ジョセフはチャールズの兄に当たるのです。といっても無関係で
はないのです。実は、バカンティは4人兄弟で、全員が、最先端
の外科医で、移植・再生医療の研究者なのです。STAP細胞事
件に深く関わるので、この4人兄弟をご紹介しておきます。
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ジョセフ・バカンティ
チャールズ・バカンティ
マーティン・バカンティ
フランシス・バカンティ
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ジョセフとチャールズのティッシュ・エンジニアリングの関係
について、ネイバーのまとめブログは次のように書いています。
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それまで最先端だった移植医療はドナー不足、拒絶反応などで
行き詰まりを見せていた。ジョセフはいち早くティッシュ・エン
ジニアリングに目を向け、ティッシュ・エンジニアリング・ソサ
イティを創設し、会長になった。美容整形、難病治療などに役立
つ再生医療は、ベンチャー投資家からも注目を集めるビジネスに
なった。1986年、ジョセフの再生医療チームはロバート・ラ
ンガーも参加した。チャールズも呼ばれて参加したのが、彼と再
生医療の付き合いの始まりになった。 http://bit.ly/1LrgI1a
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実は、STAP細胞の国際特許出願者7名のなかに、チャール
ズとマーティンの名前が入っていますが、これについては改めて
述べます。ちなみに、STAP細胞と関係の深いチャールズ・バ
カンティ教授の現在の役職は、ハーバード・メディカル・スクー
ル及びブリガム&ウィメンズ病院教授です。
ここで岡野光夫氏に話を戻します。筏義人教授がいかに再生医
療に賭けていたかは、1992年に日本バイオマテリアル学会の
会長に就任したことでもわかります。岡野氏は、期待に応えてそ
の同じ年に日本バイオマテリアル学会賞を受賞しています。
しかし、岡野氏には悩みがあったのです。それは「生化学」の
研究のできる人材がいないことです。そこでそのことを懇意にし
ていた東京大学の林利彦教授に相談をしたところ、林教授の弟子
筋に当たる学者を紹介してもらったのです。それが大和雅之氏な
のです。大和氏は当時日本大学で、コラーゲンの研究をやってい
たのです。 ── [STAP細胞事件/014]
≪画像および関連情報≫
●「オーク・ジャーナル」/C・バカンティとは何者か
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バカンティ氏は生物の成体に小さなサイズの細胞が眠った
状態の多能性細胞が存在するのではないかとの仮説を提唱て
おり、小保方氏がこの仮説を検証する過程で細胞が刺激によ
り多能性細胞に変化するという新たな仮説を立て、STAP
細胞を開発したことになっています。要はSTAP細胞はア
イディアはバカンティ教授、実際モノにしたのは小保方氏と
いう立ち位置となっています。これだけ見ると、優秀な麻酔
医の先生が再生医療の研究までされてご立派なこと、という
話で着地します。
一方、チャールズ・バカンティ教授に対し否定的な見方を
される方もおられます。代表例は、「新潮45」4月号の記
事。「C・バカンティ医師→ボストンの麻酔科医。ハーバー
ド大には在籍しているが、関連病院の勤務医であり、医学博
士ではない。小保方氏はおそらくバカンティ教授に個人的に
雇われていたものとみられる。1997年に、さも「人間の
耳をマウスの背中に再生させたかのような」「バカンティマ
ウス」を全世界に発表。世を騒がせたが、結局、耳の形の金
型で作成した軟骨細胞を皮下に移植しただけのものと分かり
悪趣味と判批判されるや、あくまで軟骨細胞の移植技術を披
露しただけと開き直った。 http://bit.ly/1LxqKyd
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チャールズ・バカンティとジョセフ・バカンティ



