2015年05月25日

●「AO入試第1期生/小保方晴子氏」(EJ第4040号)

 いよいよ小保方晴子氏について述べるところにきました。5月
22日のEJで、小保方晴子氏が2012年12月にCDBの採
用面接を受けたことについて書きましたが、そもそも小保方氏は
どのような経緯で、CDBの採用面接を受けることになったので
しょうか。このことについては、報道ではあまり明らかになって
いないのです。
 小保方晴子氏を日本中、いや世界中の人が知ることになるのは
2014年1月28日に神戸市のポートアイランドにあるCDB
での記者会見の席上です。それまで、小保方氏はどこで、何をし
て、どういう経緯でCDBに採用され、1月28日の発表に至っ
たかについてはあまりわかっていないのです。
 CDBがメディアに対して28日の記者会見の案内をファック
スで送ったのは、1月24日のことです。しかし、発表者はもと
より、何を発表するかについても書かれていないのです。
 しかし、毎日新聞社の科学環境部記者・須田桃子氏は、笹井氏
をはじめ複数のCDB関係者から、発表内容や発表者について事
前に情報を入手しています。須田桃子氏は、早稲田大学大学院理
工学部研究科出身で、生殖補助医療や生命科学、ノーベル賞など
を担当する毎日新聞の科学記者で、理研などを中心に幅広い人脈
を持っているのです。須田記者は、記者会見前に小保方晴子氏に
ついて掴んだ情報について自著で次のように書いています。
─────────────────────────────
 関係者のオフレコ情報によると、論文の掲載誌は英科学誌ネイ
チャー。発表者はまだ30歳前後の小保方晴子・研究ユニット・
リーダーで、CDBでごく小規模な研究室(研究ユニット)を主
宰している。(一部略)
 小保方氏がどんな人かを尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「他の人にない非常にユニークなセンスを持っている。笹井さん
の秘蔵っ子。将来性がある人なので、彼女自身について取材して
みても面白いかもしれない」
 メールでの報告は深夜になったが、永山デスクからすぐに返信
があり、末尾にはこんな感想があった。「笹井さんの秘蔵っ子っ
て、どれほどすごい人なんだろう。とんでもなく頭がいい人であ
ることは間違いないですね」         ──須田桃子著
      『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋刊
─────────────────────────────
 小保方晴子氏が、早稲田大学理学部応用化学科に入学したのは
2002年4月のことです。普通の入学試験を受けて入学したの
ではなく、「創成入試」(現在は特別選抜入試と改称)による入
学です。創成入試は「AO入試」と呼ばれています。
 AO入試とは、「Admissions Office」 のことで、「学力以外
の視点で大学に相応しい人物を募集する入試」という特別枠での
入試であり、私立大学の70%が設けています。早稲田大学では
当時「創成入試」と称し、ホームページでは創成入試について次
のように説明しています。
─────────────────────────────
 志願者の学力的側面を評価の中心に据えつつも高等学校時代で
の様々な活動経験や、当学部への志望動機をあわせて評価対象と
することで、学力・知識のみに偏重せず、問題発見・解決能力の
基礎となる思考力や表現力、それらを実行に移す上での行動力ま
で含めて評価の対象とする総合選抜型の入学試験です。
                   http://bit.ly/1Lr0NR7
─────────────────────────────
 理屈はいろいろつけていますが、芸能人の特別枠入学もAO入
試(一芸入試ともいう)であり、要するに特別枠での入学のこと
です。早稲田大学と慶応義塾大学のAO入試は有名ですが、選考
基準が大きく異なるのです。早稲田大学の方は出願条件が厳しい
のに対し、慶応義塾大学は面接に重点を置いています。専門家は
次のように述べています。
─────────────────────────────
 慶應大学では、「これまでやってきたこと」と「今やっている
こと」と「これからやりたいこと」の一貫した説明を受験生に求
めます。志望理由書も早稲田大学が800字なのに対し、慶應大
学は2千字と多い。慶應大学は、入学後のビジョンが書類、面接
で厳密に問われます。         http://bit.ly/1HlpU3Q
─────────────────────────────
 早稲田大学はAO入試に対し、出願要件に高い「活動実績」を
求めています。小保方氏はそのときは有名人ではありませんし、
大学入学以前に何か特別の研究をしていたのかというと、少なく
ともそれはないようです。それでは、なぜ、小保方氏はAO入試
に合格したのでしょうか。
 もちろん本人の創造性というか何か光るものがあったことは確
かでしょうが、小保方氏を取り巻く相当強いコネクションもAO
入試合格に一役買っていると思います。
 というのは、小保方氏の父親は一流商事会社の役員ですが、母
親の小保方稔子氏は、帝京平成大学健康メディカル学部臨床心理
学科長をしており、姉の小保方晶子氏も大学の准教授という学者
一家なのです。            http://bit.ly/1F4WMNP
 小保方晴子氏は、2006年3月に早稲田大学を卒業すると、
そのまま大学院に進学し、常田聡教授の指導の下で、東京湾の微
生物の研究を始めたのです。しかし、2007年に突然再生医療
の研究に転身し、東京女子医科大学先端生命医科学研究所研修生
として、大和雅之東京女子医科大学教授の指導の下で、医工融合
研究教育拠点である先端生命医科学センター(TWIns)にお
いて、再生医療の研究を開始するのです。
 ここに大和雅之教授が登場するのですが、この名前はメディア
ではほとんど伝えられていないのです。しかし、大和雅之氏は、
STAP論文の共著者の一人であり、小保方氏の研究の転身に深
く関係するのです。これについては明日のEJで述べます。
             ── [STAP細胞事件/013]

≪画像および関連情報≫
 ●AO/推薦入試による入試制度の多様化は望ましいか
  ───────────────────────────
  AO推薦入試の是非を巡る問題は、結局のところ、大学を教
  育機関とみなすか評価機関とみなすかという問題になる。大
  学側は、自分たちを教育機関とみなしているから、様々な人
  材に教育の機会を与えるために、入試制度を多様化しようと
  するのに対して、企業側は大学内部の教育や成績を信用せず
  入学試験による選抜が持つ評価機能を学歴に期待している。
  学力試験なしで志願者の入学を許可することは、教育機関と
  しては問題ではないが、評価機関としては問題がある。一般
  入試の厳しい競争を勝ち抜いた学生と学力試験も受けずに面
  接だけで入学した学生が同じ大学・学部のブランドだと、採
  用する企業側が困ってしまう。そこで最近では、面接時に人
  事担当者が、AO推薦入試で入学したかどうかを遠回しに尋
  ねたり、出身高校をも調べたりといったことが行われている
  そうだ。この問題を別のたとえで説明しよう。内閣府に設置
  された食品安全委員会は、安全性と有効性が科学的に認めら
  れる健康食品に「特定保健用食品(トクホ)」の表示を認め
  ている。消費者の中には、このブランドを参考にして購入を
  決めている人も多い。もしも食品安全委員会が、特定保健用
  食品を多様化するためという大義名分の下、企業が自己推薦
  する商品に検証することなくトクホの表示を許可したら、ト
  クホはブランドとして機能しなくなる。ブランドが評価機能
  を持つためには、内部に多様性を持ってはいけないのであり
  消費者の選択の自由に資する多様性はブランド間の多様性と
  して確保されなければならない。  http://bit.ly/1FBIQP5
  ───────────────────────────

小保方晴子氏.jpg
小保方 晴子氏
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
RDF Site Summary