2015年05月08日

●「常温核融合騒ぎと似ている諸現象」(EJ第4029)

 STAP細胞事件のような「事件」は、実は他にいくつも似た
ような事例があるのです。STAP細胞事件に非常に似ていると
思われるものに、同じ科学ものである「常温核融合事件」があり
ます。STAP細胞事件に入る前にこの事件をざっと振り返るこ
とにします。
 「常温核融合」とは何でしょうか。ウィキペディアの解説は次
のようになっています。
─────────────────────────────
 常温核融合とは、室温で、水素原子の核融合反応が起きるとさ
れる現象。もしくは、1989年にこれを観測したとする発表に
まつわる社会現象。常温での水素原子の核融合反応は、きわめて
低い頻度ながら、トンネル効果や宇宙線に含まれるミューオンに
よって実際に起き、観測もできる科学的に証明された物理現象で
ある。      ──ウィキペディア http://bit.ly/1IcFpAk
─────────────────────────────
 「常温核融合」がいかに凄い技術であるかを知るには、核融合
とは何かを理解する必要があります。基礎から考えましょう。わ
れわれの身のまわりの物質は全て「原子」でできています。その
原子の中心には「原子核」があります。
 この原子核同士をぶつけると、その勢いでひとつに融合するこ
とがあります。これを「核融合」といいます。核融合が起きると
そこに膨大なエネルギーが発生します。このエネルギーを利用し
たものが、水素爆弾です。
 それでは、原子爆弾と水素爆弾は、どうに違うのでしょうか。
─────────────────────────────
     原子爆弾 ・・・ 「核分裂」型熱核兵器
     水素爆弾 ・・・ 「核融合」型熱核兵器
─────────────────────────────
 原子力の利用には、「核分裂反応」を使うものと、「核融合反
応」を使うものの2つがあります。原子爆弾は核分裂反応を使い
水素爆弾は核融合反応を利用しているのです。ところで、原子力
発電はすべて核分裂反応を利用して発電しています。
 ところが、核分裂反応を使うと、燃料の燃えカスとして高レベ
ルの放射性廃棄物が発生するのです。これが原子力発電の最大の
欠点であることは周知の事実になっています。
 しかし、核融合反応では、燃料・材料の放射化共に高レベルに
は至らないように運転することが可能なのです。仮に、制御不能
に陥っても、その性質上暴走・爆発などを起こさないという特色
があるのです。つまり、クリーン・エネルギーなのです。
 それなら、なぜ、核融合反応を利用した原子力発電所がないの
でしょうか。
 それは核融合反応を維持するのが非常に難しいからです。核融
合反応は超高温・高圧状態を保ってやらないと、反応が即座に止
まってしまうからです。世界中の科学者が取り組んでいますが、
現在もなお、商業利用できるレベルの炉が作れないのです。
 このように、核融合は超高温・超高圧という条件下でのみ発生
する現象ですが、常温核融合は室温程度の温度で発生する核融合
反応のことであり、極めて画期的なことであるといえます。これ
が実現すると、安全なクリーン・エネルギーがいくらでも利用で
きることになります。
 この常温核融合は、英国のマーティン・フライシュマン教授と
米国のスタンレー・ポンズ教授が、その現象を発見したとマスコ
ミに発表しています。1989年3月のことです。
 このフライシュマン教授とスタンレー・ポンズ教授が実験した
約1ヶ月後に、ほぼ同じやり方で実験に成功したのが、米国のス
ティーブン・ジョーンズ教授です。彼は、それを論文にまとめて
『ネイチャー』に投稿したところ、掲載が認められたのです。
 論文の掲載が認められたのは、ジョーンズ教授がミューオン触
媒核融合の権威であり、実績がものをいったのです。いずれにせ
よ、『ネイチャー』に掲載されると、常温核融合は科学として認
められたことになるので、大騒ぎになったのです。どんなやり方
でやったのかについて簡単にまとめます。
─────────────────────────────
 重水を満たした試験管(ガラス容器)に、パラジウムとプラチ
ナの電極を入れ暫らく放置、電流を流したところ、電解熱以上の
発熱(電極の金属が一部溶解したとも伝えられた)が得られ、核
融合の際に生じたと思われるトリチウム、中性子、ガンマ線を検
出したとしている。           ──ウィキペディア
─────────────────────────────
 しかし、『ネイチャー』に論文が掲載された直後に疑惑が噴出
したのです。続いて起きたのは、フライシュマン、ポンズ両教授
との争いです。当時米国の特許制度は、「先発明主義」を採用し
ていたのです。この制度は、特許を申請していなくても日時を特
定できる論文があれば、早く発明した者が特許を取得できるとい
うものです。これによって「カネ絡み」の争いに発展します。
 そこに同業者からの激しいバッシングが入ります。世界中の研
究機関がどこも追試に成功していないという報告です。論文通り
に実験をやっても、過剰熱どころか、核融合の証拠であるはずの
中性子などの放射線すら測定できないという報告が相次ぎ、論文
内容に多くの疑問が寄せられたのです。
 これに対してジョーンズ教授は公開実験を実施すると宣言し、
実験を行ったのです。2002年、ニュートリノ研究でノーベル
賞を受賞した「素粒子検出」で世界最高の設備を誇る日本のカミ
オカンデで行われたのですが、再実験に失敗しています。
 この結果を受けて『ネイチャー』は、今後常温核融合に関する
論文は掲載しないことを宣言しています。STAP細胞でも小保
方晴子氏自身によるCDBでの再現実験が行われていますが、再
現に失敗し、結局、「STAP細胞はない」ということで幕が引
かれてしまったのです。しかし、常温核融合もSTAP細胞もな
いとは断言できないのです。── [STAP細胞事件/002]

≪画像および関連情報≫
 ●常温融ってなあに?
  ──────────────────────────
  世間を騒がせたおぼちゃんのSTAP細胞細胞。捏造という
  ところでだいたい決着したような感じですが、彼女の捏造に
  言及するさい、「常温核融合なみのスキャンダル」というフ
  レーズがよく使われていました。へー、なんて思ってテレビ
  を観ていたわけですが、よく考えてみると、そもそも「常温
  核融合」がわからない。というか「核融合」もわからない。
  というわけで、文系の管理人がちょっと調べてみました。助
  成金を申請したら・・・。今を去ること四半世紀、1989
  年3月23日のことです。ユタ大学が出した一枚のプレスリ
  リースが、世界を揺るがせました。ソルトレイクシティ発ユ
  タ大学化学研究室において、二名の研究者が、室温での持続
  的な核融合反応を起こすことに成功した。この成功によって
  クリーンで、実質的に無尽蔵の核融合が、世界のエネルギー
  源となる可能性がある。この驚くべき技術を発見したのは、
  サウサンプトン大学のマーティン・フライシュマン教授と、
  ユタ大学のスタンレー・ポンズ教授。2人は一躍、時の人と
  なります。世界中の注目を集めるなか、ユタ大学にてフライ
  シュマンは記者会見を開催。この会見にはユタ大学の学長な
  ども同席していました。こうして、常温核融合発見のニュー
  スは、またたくまに世界を駆け巡りました。
                   http://bit.ly/1ABBuW2
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常温核融合の実験.jpg
常温核融合の実験
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | STAP細胞事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
常温核融合を共通してどれにもエネルギー流におきた物質波のトンネル共鳴現象と私は考えています。
 その考える理由、事例をまとめパワーポイントにまとめました。7MBもあるファイルになりました。お返事がいただけるなら資料をお見せしたいと思います。GOOGLEやブログでお返事を頂く方法連絡を取り合う方法を知らないのでこれきりの一期一会になってしまうかもしれません。名前はばんまさのぶ伴 公伸といいJCFという研究会と電子情報通信工学会、日本物理学会に属しています。もしはぐれてしまったら探してみてください。インターネットでも私の論文が見つかると思います。
 実験研究環境を持たない老人なのです。若い人に考えを伝える機会を持ちたいと思います。JCFの小島先生にはお渡ししたばかりですが、ことし2016のJCF17ではこのパワーポイントを使って皆さんにお披露目する予定です。
Posted by 伴 公伸 at 2016年01月02日 11:33
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