す。「ある現象」というのは、これまで話題にもならなかった小
沢一郎氏の動向やその言説が、メディアで急に伝えられるように
なったことです。
これまで小沢氏は生活の党代表として毎日のように記者会見を
していたにもかかわらず、メディアでそれを取り上げることはほ
とんどなかったからです。せいぜい出てもベタ記事です。
このように書くと、EJの読者に「また小沢か」と思われるか
もしれません。先日はツイッターにもそのことをツイートしたら
「今どき小沢さんを支持する珍しい人」という書き込みをされた
のです。今や小沢氏は完全に過去の人扱いです。
私は、小沢一郎氏に会ったことも、演説を聞いたこともなく、
いわゆる小沢信者ではありません。しかし、小沢氏自身の執筆さ
れたものはもちろんのこと、「小沢本」のほとんど──悪口を書
いたものを含めてすべて持っていますし、読んでいます。
そして私のブログでも2010年の「小沢一郎論」(72回)
をはじめ小沢関連の論説を執筆してきています。それは、小沢一
郎という政治家が、現時点でも政治の閉塞状況を改革できる唯一
の人物であると思うからです。現在でも改革を訴える政治家はお
りますが、いずれも力不足です。
その点小沢一郎氏は、今まで誰もできなかった自民党長期政権
を2回にわたって倒し、政権交代を成し遂げた政治家です。その
剛腕の怖さを一番よく知っているのは自民党であり、そのバック
にいる官僚機構です。
官僚機構は明治維新のときに天皇の官僚機構としてつくられ、
日本の発展を担ってきたのです。しかし、敗戦によって、天皇は
象徴天皇になりましたが、官僚機構はGHQによってそのままの
かたちで残されたのです。つまり、このときから、官僚機構が日
本国の事実上の支配者として君臨をはじめたのです。
その後長い間にわたって官僚機構と自民党は棲み分けをはかり
セットで政権運営をしています。前面に出ているのは政治家です
が、実質的に政治家を動かしているのは官僚機構です。なぜなら
官僚の人事と国のカネを握っているのが官僚機構だからです。そ
れに加えて官僚機構が絶対有利なのは、選挙がないことです。政
治家はいずれ代わるが、官僚機構は生き続けるのです。それに大
臣は1人であり、官僚機構は大勢のスタッフを擁しています。通
常であれば、政治家が勝てるはずがないのです。
しかし、官僚機構としては、2009年の民主党による政権交
代には肝を冷やしたと思います。「何としても小沢政権はつくら
せてはならない」として、検察を中心にありとあらゆる手段を駆
使して小沢政権を阻んだのです。彼らは自分たちの権益が侵され
ると感じたときは、手段を選ばないのです。
カルフ・ヴァン・ウォルフレン氏は、『誰が小沢一郎を殺すの
か』という本で、官僚機構による小沢潰しのことを次のように呼
んでいます。
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character assassination /人物破壊
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12月3日の報道ステーションで面白いことがあったのです。
この日、最後の各党党首による討論が報道ステーションで行われ
たのです。この日は維新の党からは橋下共同代表が登場していた
のです。各党の党首全員が公約などを表明したあとで、古館キャ
スターは、「ムダを切る改革」について各党党首に質問を入れは
じめたのです。しかし、官僚機構によるムダに言及する代表がい
ないまま、古館氏は小沢代表に質問を振ったのです。それに対し
て小沢氏は次のように返しています。
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いろいろな無駄があるが、権力もカネもすべてが官僚機構に握
られている現状を変えない限り、真の改革は行われない。政治を
官僚から国民の手に取り戻すことが何よりも必要である。
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古館キャスターは、小沢代表にこのようにいわせておいて、次
の質問を小沢氏にぶつけたのです。
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それならば、2009年の政権交代のときにあなたはなぜそれ
をやらなかったのか。 ──古館キャスター
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この質問に対し、小沢氏は苦笑いをし、「あなたもご存知のよ
うに、あのとき身に覚えのない容疑で訴追されるという旧体制派
からの迫害を受け、政治力を発揮できる状況ではなかった」と述
べたのです。
つまり、古館キャスターは、どの党首も口にしない「諸悪は官
僚機構にあり」と小沢氏にいわせ、その改革が官僚機構による迫
害によって頓挫したことをあえて強調したかったと私は感じたの
です。そのとき、私はそれをツイートに書いたところ、930回
(12月7日現在)を超えるリツイートにつながったのです。
おそらく党首の誰もがそのように感じているのに、官僚機構に
遠慮してか、公開の席で口に出さないので、古館キャスターはそ
れをいわせるために小沢氏に振ったのです。
ところが、これとほぼ同じやり取りが、『週刊ポスト』12月
12日号に出ているのです。この号は、「小沢一郎独占激白」と
して、ジャーナリストの武富馨氏が、小沢一郎氏に迫る大特集を
6ページにわたって組んでいるのです。この内容のエッセンスに
ついては、明日のEJでご紹介します。
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自民党独裁による「新55年体制」を止めなければ国民生活は
永久に立ち直れない/「俺は一人でいい。野党結集で日本再生
を進めよ」 ──『週刊ポスト』12月12月号
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─── [検証!アベノミクス/13]
≪画像および関連情報≫
●異分子を抹殺する検察、メディア、日本というシステム
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民主党政権を誕生させるにいたった最大の立役者・小沢一郎
という政治家に対して、検察と新聞がなにをなしてきたかは
日本の人々なら当然よく知っているだろう。しかし、我々が
目撃している状況に、どれほど大きな意味が秘められている
かを理解している人というのは、はとんどいないのではない
だろうか。メディアと検察の行動を奇妙でうさんくさい、と
感じている人々はもちろん大勢いる。またそんなメディアや
検察に対して公然と異議を唱えての抗議デモも、日本各地で
繰り広げられている。それなのに小沢氏の問題は、これまで
この国のメディアを長年にわたって賑わせてきたお馴染みの
政治スキャンダルとして、まるでエンターテインメントさな
がらの扱いしか受けていない。だが小沢氏をめぐる問題が、
民主党政権の命運にかかわるという事実が持つ意味はきわめ
て重い。それは日本が将来、国際社会のなかで意義ある地位
を占めることができるかどうか、そして日本の経済的な繁栄
さらには近隣諸国との秩序ある政治関係を築けるかどうかに
もかかわる重大事である。ところが大多数の日本人にはそれ
が見えていないと、私には感じられる。
──カルフ・ヴァン・ウォルフレン著/井上実訳
『誰が小沢一郎を殺すのか/画策者なき陰謀』/角川書店
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報道ステーションでの古館対小沢




簡潔、明解、腑に落ちました
私たちは誘導された報道の中で、事実とも真実ともつかない閉塞空間に居るようです
EJさんの見識に賛同致します
有難うございます
60代男
共犯者に成ってしまい、加担・利用されてしまい、「大本営発表」時と全く同じ体質のメディア、「事件」を主導権争いに利用した議員の醜悪さ、証拠捏造の検事・裁判官など、この国が法治国家ではない事も思い知らされ絶望しました。
民主国家を標榜しているだけ、独裁国家よりも質が悪く、近くの独裁国家を笑えません。
かくなる上でも、市民としての賢明な一票で反撃するしかないのが腹立たしい思いですが、抗議の為にも、選挙には必ず行きましょう。