2014年11月28日

●「赤字国債発行額にかさ上げがある」(EJ第3925号)

 財務省の発表している数値には、いろいろな疑惑があります。
財務省の狙いは、国の負債総額を実際よりも大きく見せることに
あり、結果として日本国民に「消費税の増税やむなし」と思わせ
るのが目的です。増税で得た資金は、高級官僚たちが自分たちの
老後生活を華やかなものにするための財源になるのです。
 現在、多くの日本人が「消費税増税やむなし」と考えている根
拠は、税収が毎年約50兆円しかないのに、その倍近い予算を組
まざるを得ない現実です。こんなことをしていたのでは、近い将
来日本の財政は破綻してしまうからです。
 確かにその通りですが、これにも実はからくりがあるのです。
こういうことがいわれ出したのは、民主党が政権を奪取した20
10年度予算からであり、自民党政権のときは、それほど問題に
なっていないことです。
 2013年度の数字を例にとります。自民党が民主党から政権
を奪った最初の予算です。その2013年度の予算と赤字国債の
発行額は次のようになっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
     2013年度予算額 ・・・・ 92.6 兆円
       赤字国債発行額 ・・・・ 42.9 兆円
―――――――――――――――――――――――――――――
 これを見ると、税収は49.7 兆円、赤字国債は42.9 兆円
で、税収の方が上回っています。これは、2012年から景気は
少し回復していることを示しています。それまでは税収より、赤
字国債の方が多かったからです。
 この時点で「42.9 兆円」の中身を疑う人はいないと思いま
す。しかし、かなり数字のかさ上げが行われているのです。海外
諸国のやり方で計算すると、この数字は「30.6 兆円」に減少
してしまうのです。約12兆円の差があります。
 2013年度の予算の歳出では「国債費」の名目で22.2 兆
円が計上されています。「国債費」という言葉から、ほとんどの
人は利払い分だろうと思い、おかしいとは考えないと思います。
しかし、からくりはここにあります。これについて、高橋洋一氏
は次のようにからくりを暴いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 国債費の内訳をみると、利払費が9.9 兆円に対し、「債務償
 還費」なる項目が12.3 兆円ある。くせ者はこれだ。債務償
 還費のほとんどは、「特別会計に関する法律第42条第2項」
 に基づく「定率繰入」といわれるものである。前年度期首にお
 ける国債残高の1.6 %が一般会計から国債整理基金に繰り入
 れられるという仕組みだ。国債整理基金で国債償還のために資
 金を積み立てているのだ。この仕組みを「減債制度」という。
 「借金返済のためにおカネを積み立てるのは当然だ」と思うか
 もしれない。しかし、よく考えてみてほしい。予算では、減債
 制度の運営のために国債発行額を増やしているのだ。
                 ──高橋洋一著/東洋経済
     『財務省の逆襲/誰のための消費税増税だったのか』
―――――――――――――――――――――――――――――
 何のことはない。利払費は9.9 兆円なのです。12.3 兆円
は、借金を返すおカネのプールを作るために、新たに借金をする
ことを意味しています。高橋氏は「まるで多重債務者みたい」と
いっていますが、その通りです。財務省はこのようなからくりで
積む必要のないプール金を多く持っているのです。これが埋蔵金
と呼ばれるものです。したがって、42.9 兆円から12.3 兆
円を引くと、30.6 兆円になるのです。
 このような「減債制度」を墨守している国は、先進国では日本
だけです。当然経済学者や日本のマスコミは、このことを知って
いますが、財務省に睨まれるのが怖くて報道しようとしないので
す。知らないのは国民だけです。
 2012年の民主党政権当時のことです。次のような報道が繰
り返し、行われていたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
  3年連続で、租税等収入が国債発行額を下回る異常事態
―――――――――――――――――――――――――――――
 現在、財政収支が黒字である国は、先進国ではドイツ(201
3年度/35位)ぐらいのもので、他の先進国はいずれも赤字で
すが、赤字国債発行額が税収を上回るのは、異常事態であること
は確かです。しかも、2010年〜2012年の3年連続である
ということは、民主党政権当時の予算であるということです。
 これは、何を意味しているのかというと、この3年間は財務省
が各省庁がやりたい放題の予算を組むことを黙認したからです。
その目的は、民主党政権を早く潰すことにあり、あわせて消費税
増税を仕掛けるためです。
 添付ファイルのグラフを見ていただきたいのです。2001年
〜2012年度の「予算の歳出総額」を表しています。2001
年から2009年までは自民党が政権を担っていたのですが、リ
ーマンショックへの対応が必要であった2009年を除いて歳出
は平均で83兆円に対し、平均税収は53.5 兆円あり、国債発
行額は30兆円以内に収まっていたのです。赤字は問題ですが、
この程度であれば、なんとか対応策がとれるのです。
 しかし、民主党への政権交代後の歳出の平均は94.3 兆円で
自民党政権時よりも10.7 兆円も上回っているのです。しかも
2010年の税収は37.4 兆円、2011年度は40.9 兆円
しかなく、そのため、税収が国債発行額を下回るという異常事態
になったのです。
 これは、民主党が政権交代時に主導権争いしている間に、財務
省は民主党幹部がシーリングをかけずに各省庁の要求をそのまま
認めることを黙認したのです。そのため予算は水ぶくれになり、
税収が赤字国債発行額を下回る原因になったのです。すべては、
消費税を増税するための財務省の策略であり、それはまんまと成
功したのです。    ──── [検証!アベノミクス/07]

≪画像および関連情報≫
 ●「64年ぶり借金が税収を上回る予算」/海江田万里氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  2010年度の予算では、92兆円の歳出規模に対して、税
  収は37兆3960億円で、埋蔵金を10兆6000億円取
  り崩しても、残りの44兆3000億円余りを国債の新規発
  行に頼らざるを得ない状況です。これによって2010年度
  末の国債の残高は約637兆円になり、GDP比で134%
  になります。国の借金を表すには国債の他のいわゆる長期債
  務残高があります。このケースでは地方の債務残高も結局は
  国が面倒をみなければならないために、合計して国と地方の
  長期債務残高という形で表しますが、これは2010年度末
  で、862兆円に膨れ上がって、GDP比181%にもなり
  ます。わが国の国債の発行額が急激に増えたのは1998年
  の橋本内閣の時代からです。ちょうどアジアの経済危機があ
  った直後で、この頃から毎年の国債発行額30兆円超過が当
  たり前の事態になりました(安部内閣の時期に一時的に30
  兆円以下に抑えることができたことがあります)。2010
  年度の予算では、国債が税収を上回っており、最初からこう
  した借金過多の予算は日本が太平洋戦争に敗れた翌年以来、
  実に64年ぶりのことです。その意味では、わが国の財政事
  情はまさに破たん寸前で、財務省は機会あるごとに日本の財
  政状況が危機的であることを強調し、消費税の増税を示唆し
  ています。            http://bit.ly/1uQ5uOr
  ―――――――――――――――――――――――――――
 ●グラフ出典/高橋洋一著の前掲書より

予算歳出総額/2001〜2012.jpg
予算歳出総額/2001〜2012
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アベノミクス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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