2014年08月01日

●「世界経済を変える3つの国際会議」(EJ第3845号)

 三極委員会についてさらに述べることにします。米国の政治思
想や対日戦略に詳しい中田安彦氏──副島国家戦略研究所(SN
SI)研究員は、三極委員会について、ブログで次のように書い
ています。
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 私が知る限り、この会合(三極委員会)についていちはやく記
 事にしたのは、あのジャーナリストの田原総一朗氏で、『日本
 のパワーエリート』(光文社・カッパ)である。この本のなか
 では当時若手ジャーナリストだった田原氏は、「世界を動かす
 経済マフィアの組織」として、この三極委員会を取り上げてい
 る。時は大平内閣の時代、現在のTPP(環太平洋経済連携協
 定)のひな形とも言われる「環太平洋経済構想」が打ち出され
 オイルショック後の新しい世界秩序に日本が主体的に関与して
 いくべきという声も上がっていた時代だ。田原氏は、三極委員
 会(当時は日米欧委員会と呼ばれていた)と並び、「ビルダー
 バーグ会議」を経済・金融マフィアの集う2大会合と呼んでい
 る。今ではこれに、スイスで開催される「世界経済フォーラム
 (ダヴォス会議)」を加えてもいいだろう。世界のパワーエリ
 ートたちは、ダヴォス会議、三極委員会、ビルダーバーグ会議
 と3つの会合を日米欧のいずれかの都市にあるホテルや避暑地
 で繰り返し、「世界経営」のブレインストーミングを行なって
 きた。これが1945年から2000年くらいまでの世界の動
 きをある程度実質的に決めていたと言っていい。
                   http://bit.ly/1nSYVIi
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 中田安彦氏は、世界を動かす経済マフィア会議として3つを上
げていますが、その創設が歴史的に古い順に並べると、ビルダー
バーグ会議(1954年)、ダヴォス会議/世界経済フォーラム
(1971年)、三極委員会(1973年)の順になります。
 D・ロックフェラーは日本をビルダーバーグ会議に参加させよ
うとしたのですが、戦争のわだかまわりがあって欧州側が難色を
示したので、D・ロックフェラーが、欧州の有志と日本の政財界
を抱き込んで新しく始めたのが三極委員会なのです。D・ロック
フェラーは、終戦直後から、日本抜きの世界戦略は意味がないと
考えていたのです。凄い慧眼です。これがヒントになって、19
75年に先進国サミットが開始され、ビルダーバーグ会議は後に
EU(欧州共同体)をつくり出すことになります。
 三極委員会の日本での事務局は、日本国際交流センター(JC
IE)であり、ここを三極委員会の理事長として仕切っていたの
が山本正です。彼の役割は人材の発掘です。英語が堪能で、強い
影響力を持つ人材を数多く発掘しています。
 全貌は把握できていませんが、宮沢喜一氏をはじめ、明石康、
小和田恒、緒方貞子、田中均、川口順子などの各氏、全般的に外
務省系の人材が圧倒的に多いようです。これは小和田恒氏の影響
と思われます。
 ところで、直近の三極委員会は日本で開催されています。19
12年4月21日と22日の2日間、ホテルオークラ別館で開催
されているのです。民主党の野田政権のときです。マスコミは意
識しているのか、この会議についてあまり報道しないのです。
 このときは、古川元久国家戦略担当大臣(当時)と林芳正自民
党参議院議員(当時)が日本の政治について論議するセッション
に参加しています。司会は、ジェラルド・カーティス・コロンビ
ア大学教授です。なお、会議は非公開であり、その内容は一切わ
かりません。ちなみに、このときの参加者は総勢120人です。
 カーティス教授といえば、あの小泉進次郎政務官がコロンビア
大学に留学したさいの指導教官がカーティス教授なのです。将来
日本において大きな影響力を発揮すると思われる人材には、この
ように早くから囲い込んでいるのです。
 三極委員会は、米国の大統領選には非常に強い力を発揮するの
です。その典型は第39代大統領ジミー・カーターが出馬した大
統領選挙です。カーターは出馬のさいは全くの無名であり、当選
は到底おぼつかなかったのですが、ブレジンスキーとD・ロック
フェラーによって三極委員会のメンバーに推挙されたとたん、
またたく間に逆転して大統領選に勝利したのです。
 しかし、その結果、カーター政権の閣僚には、D・ロックフェ
ラー関係者や三極委員会のメンバーらが多数入ったのです。具体
的には12人の閣僚と19人の補佐官が入っています。これでは
大統領は自分の思うようには何もできないことになります。
 もうひとつの例が現オバマ政権です。第1期目の大統領選挙で
オバマ氏はツイッターなどSNSを駆使して当選したとされてい
ますが、それは表向きのことであって、オバマ陣営にはビルダー
バーク会議の米国メンバーがバックアップして当選させているの
です。さらにオバマ氏は、コロンビア大学時代にブレジンスキー
の指導を受けており、選挙の遊説中にもブレジンスキーの姿がよ
く見られたといわれています。そのため、オバマ大統領は、「ビ
ルダーバーク・プレジデント」と呼ばれているのです。
 添付ファイルをご覧ください。三極委員会のロゴマークです。
何と「3本の矢」なのです。日本、米国、欧州のそれぞれをあら
わしているのです。しかし、その矢印を3つ横に並べてみると、
「666」があらわれます。安倍政権の3本の矢はここからきて
いるのでしょうか。
 「666」は、新約聖書の最後に登場する「ヨハネの黙示録」
に関係のある数字です。三極委員会があたかも陰謀機関のように
いわれる原因はここにあるのです。
 「黙示録」は恐怖に満ちた内容が記述されているため、長い間
「異端の書」として扱われてきたのです。ローマ・カトリック教
会が正典として認めたのは2世紀中頃ですが、それ以後も「偽預
言書」といわれ、なかなか完全には受け入れられなかったようで
す。しかし、三極委員会は「世界を変える」パワーのある機関で
あることは確かです。     ──[新自由主義の正体/59]

≪画像および関連情報≫
 ●安倍首相とブレジンスキー
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  アメリカの支配層を一枚岩だと考えてはならない。ひとりの
  独裁者を頂点に、その下にピラミッド状の支配システムがで
  きあがっているという単純な構造ではなく、いくつかの勢力
  が対立、ある場合には協力しながら圧倒的多数の庶民を支配
  しているのが実態だろう。支配層内部の戦いが激化すれば相
  対的に庶民の力が強まるため、利害の調整機関もあるが、そ
  れで対立をなくすことはできない。安倍晋三首相たちが、リ
  チャード・チェイニーの一派とつながっている可能性が強い
  ことはすでに書いたが、では、小泉純一郎はどうだろうか?
  首相時代、小泉がウォール街の意向に沿う政策を打ち出して
  日本を破壊へと導いたことは間違いない。興味深いのはその
  息子、進次郎の経歴だ。2004年に関東学院大学を卒業し
  2006年にコロンビア大学大学院で修士課程を修了、すぐ
  にCSISの非常勤研究員になっている。ところでCSIS
  はCIAと関係の深いシンクタンク。このシンクタンクが、
  1996年に設置した「日米21世紀委員会」は2年後、日
  本の進むべき方向を報告書としてまとめている。それによる
  と、(1)小さく権力が集中しない政府(巨大資本に権力が集
  中する国)、(2)均一タイプの税金導入(累進課税を否定
  消費税の依存度を高めることになる)、そして(3)教育の
  全面的な規制緩和と自由化(公教育の破壊)だ。
                   http://bit.ly/1qpNKnH
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日米欧三極委員会.jpg
日米欧三極委員会
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 新自由主義の正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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