懺悔書の論評が出ていますが、リベラル派政治家の元自民党幹事
長・加藤紘一氏について、興味深いことが書かれています。
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加藤紘一などが典型的だが、文章の中では新自由主義が悪いと
いう書き方をして、新自由主義を批判対象に措定する。だが、
テレビに出演したときは、「新自由主義」とは言わずに「市場
原理主義」と言い換える。「新自由主義」という言葉を使うの
を慎重に避けている。「新自由主義」と「市場原理主義」は似
ているが同じものではない。意味もニュアンスも異なる。本人
がどこまで自覚しているかは別として、この巧妙な使い分けに
加藤紘一の政治家としての賢さと狡さがある。
http://bit.ly/1sPqr9a
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加藤紘一氏については、書籍などでは「新自由主義は悪い」と
明確に批判するのに、テレビなどの討論では「市場原理主義」と
いい換えてぼかしているのです。
このブログの著者は、典型的な新自由主義者であるといわれて
いる竹中平蔵氏についても「竹中氏はテレビなどで新自由主義者
といわれると逆ギレする」として、次のように述べています。
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竹中平蔵がテレビで誰かに批判される場面を見ても感づくと思
うが、「市場原理主義」の言葉で批判されているときは、打撃
を感じずに反駁の詭弁を滑らかに繰り出す。だが、「新自由主
義」の言葉で直截的に責められたときは狼狽して卓袱台をひっ
くり返す挙に出る。心理的に痛撃が効いているのである。
http://bit.ly/1sPqr9a
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市場原理主義と新自由主義──ともに定義が曖昧であり、とき
には同義語のように使われることが多いのです。『そして、日本
の富は略奪される/アメリカが仕掛けた新自由主義の正体』の著
者である菊池英博氏は、本の中では次のように2つを並べて表記
しているのです。
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新自由主義・市場原理主義
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市場原理主義とは何でしょうか。
市場原理主義とは、市場への不要な政府の介入を排除し、市場
原理を極力活用した経済運営を行うことが国民に最大の公平と繁
栄をもたらすと信ずる思想的立場のことです。具体的には、規制
改革を行うとともに、国営事業や公営事業の民営化を図り、小さ
な政府を推進することをいうのです。
この市場原理主義の思想を政府の経済政策や社会政策に使うの
が新自由主義であるといえます。そのように考えると、小泉政権
のやったことは、まさに新自由主義そのものであるといえます。
レーガン政権をはじめとする歴代の米国の共和党政権や、英国の
サッチャー首相が採用したことは有名です。
経済学者の宇沢弘文氏は、小泉政権の新自由主義的政策に関し
て、次のように酷評しています。
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小泉政権の5年半ほどの間に、市場原理主義が「聖域なき構造
改革」の名の下に全面的に導入され、日本は社会のすべての分
野で格差が拡大し、殺伐とした陰惨な国になってしまった。
──宇沢弘文氏/ウィキペディア
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「世に倦む日日」のブログの著者の指摘する「新自由主義者」
と名指しされたときの竹中平蔵氏の反応──狼狽して卓袱台返し
をするのは本当のことです。
EJでこのことを取り上げたことがあります。田原総一朗氏と
竹中平蔵氏の対談です。興味があれば参照してください。
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2014年1月30日/EJ第3720号
「竹中平蔵氏は新自由主義者か否か」 http://bit.ly/1byTwLG
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竹中氏はすり替えの名人です。問われているテーマを巧みに外
して、話題をすり替えて自分に有利な状況を作って反論するので
す。これも一種の「卓袱台返し」です。
竹中氏は「小さな政府」に関しては、単に政府の規模を大きく
しなかったに過ぎないといい、小泉内閣は小さな政府になってい
ないじゃないかと強弁しています。規制改革については、自分は
不良債権を処理したとき、規制改革どころか「規制強化」してい
るとここでも話をすり替えています。それでいて、労働規制を大
幅に緩和し、派遣法を改正して大量の不正規雇用を生み出し、日
本の雇用制度を崩壊させたのです。
理解できないのは、竹中氏が人材派遣業のパソナグループの取
締役会長であることを承知しながら、安倍首相が竹中氏を「産業
競争力会議」のメンバーに任命していることです。実際に竹中氏
は、またしてもアベノミクスの第3の矢として、労働規制をさら
に緩和させようとしています。竹中氏はこの問題の利害関係者で
あり、それをすることによって、パソナグループの業績に影響す
るのです。こんな人物をメンバーにしてはなりません。
あまり知られていませんが、竹中氏は2008年に韓国政府の
アドバイザーとして顧問団に迎え入れられているのです。そのと
き李明博前大統領の物事に対応する姿勢や前向きな政策論などを
絶賛しているのです。そのせいか、今や韓国は典型的な新自由主
義国家になってしまっています。
このままでは、日本も新自由主義国家になってしまいます。そ
れを防ぐには、国民が新自由主義がどのような思想であるか、そ
の狙いは何かについて知ることが大切なのです。
──[新自由主義の正体/05]
≪画像および関連情報≫
●竹中平蔵氏の進める構造改革の正体
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竹中平蔵・慶大教授(63)が、今や完全復権だ。小泉構造
改革で日本をダメにした張本人が再び権力を思うままに操り
つつある。大宅賞ジャーナリストの佐々木実氏は、「竹中氏
は自分の考えを政策や法律に落とし込む環境づくりが非常に
長(た)けています」と、こう続けた。「麻生副首相らの反
対で、『経済財政諮問会議』のメンバーにこそなれませんで
したが、より法的権限の弱い『産業競争力会議』の民間議員
として特区構想に邁進。国家戦略特区法を制定する段階で、
特区諮問会議を経財諮問会議と同格である首相直轄の『重要
政策会議』に位置づけ、自分もメンバーに収まった。産業競
争力会議だって、いつの間にか、経財諮問会議と合同開催に
なっています。竹中氏は安倍政権の1年余りで、自分に権限
が集中する『器』をつくり上げたのです」。恐ろしいのは、
昨年12月に秘密保護法のドサクサに紛れて成立した特区法
の中身だ。諮問会議のメンバーの条件として「構造改革の推
進による産業の国際競争力の強化に関し優れた識見を有する
者」という一文が盛り込まれた。「つまり竹中氏のような急
進的な構造改革派しかメンバーになれません。規制緩和の旗
振り役がすさまじい規制を設けたのです。しかも、安倍首相
は国会答弁で『会議の意思決定には“抵抗大臣”となり得る
大臣は外す』とまで言い切った。政権内で再浮上した『残業
代ゼロ制度』には厚労省も難色を示していますが、厚労相が
抵抗すれば政府の意思決定に関与できないのである。国民の
大勢は『ノー』でも反対派の声はことごとく無視され、ごく
少数の急進派の意見だけがまかり通っていくのです。まさに
『1%が99%を支配する政治装置』と言うべきです」。
http://bit.ly/1suqpBj
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竹中 平蔵氏