2014年01月22日

●「細川小泉連合は舛添氏に勝てるか」(EJ第3714号)

 報道によれば、本日夕刻に元首相の細川護煕氏が、2014年
度東京都知事選への正式出馬表明と公約を発表することになって
います。そこで、本日と明日のEJは、消費税のテーマから離れ
て、細川出馬による政治動向について書くことにします。間接的
には、消費税増税問題にも関係してくると思うからです。
 1月14日に小泉元首相と一緒に細川氏は出馬会見をしました
が、その後メディアからはこの件に関して多くの情報が流れてい
るものの、いずれも真実を伝えていない情報ばかりであるので、
あえて特集を組むことにしたのです。メインの情報は、1月20
日発売の「週刊ポスト」1月31日号の記事に基づいています。
 現在、メディアは「細川氏出馬でも舛添要一氏圧勝」という情
報をしきりと流しています。それは、次の2つの世論調査の数字
に基づいているようです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   ◎東京新聞の世論調査/1月10日〜12日に実施
   ◎「新報道2001」世論調査/14日以前に実施
―――――――――――――――――――――――――――――
 これらの調査はいずれも報道されておらず、正確なことはわか
りませんが、東京新聞の調査では「舛添19ポイント/細川9ポ
イント」で、舛添氏がダブルスコアで勝利するとしています。
 「新報道2001」の世論調査の実施期日は、はっきりしてい
ないのです。東国原氏も含めて調査していることからして、14
日以前の調査である可能性もあります。調査結果については、次
の通りとなっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
        舛添要一 ・・・・・ 38%
       東国原英夫 ・・・・・ 16%
        細川護煕 ・・・・・ 15%
       宇都宮健児 ・・・・・ 10%
       田母神俊雄 ・・・・・  7%
         ──『週刊ポスト』2014年1月31日号
―――――――――――――――――――――――――――――
 いずれも舛添氏の圧勝です。「新報道2001」の調査では、
たとえ細川陣営が宇都宮陣営と一本化しても、舛添氏に勝てない
という結果になっています。しかし、これらの調査は、小泉元首
相がどの程度細川氏を支援するかが、見えていない時期の調査で
あり、結果を予測する調査としては不十分です。
 『週刊ポスト』によると、自民党幹部が大手紙ベテラン政治部
記者と都知事選を情報分析し、票読みした数字があるです。有権
者総数を約1080万人とし、投票率55%を前提とした予想数
値です。細川・小泉両氏が連携して戦った場合の結果です。
―――――――――――――――――――――――――――――
       細川護煕 ・・・・・ 250万票
       舛添要一 ・・・・・ 230万票
      宇都宮健児 ・・・・・  60万票
      田母神俊雄 ・・・・・  40万票
         ──『週刊ポスト』2014年1月31日号
―――――――――――――――――――――――――――――
 この数字に自民党は驚愕したのです。なぜなら、投票率55%
でも勝てないからです。過去2回の都知事選の投票率は、11年
は58%、12年は62%であって、前提の55%よりも高いか
らです。しかも、東京新聞の調査によると、今回の選挙は「必ず
行く」と「多分行く」とあわせると、93%に達しており、投票
率が高くなるほど、細川氏に有利と考えられるのです。
 この数字を小泉・細川陣営も掴んでおり、財界、労組、既成政
党の支援はすべて断るという方針が決まったといわれます。徹底
的に無党派層に訴える戦略を取るものと思われます。
 そこで自民党陣営は、細川氏の佐川急便からの借金問題や政権
を8ヶ月で投げ出したことを蒸し返し、メディアを巻き込んで、
細川陣営の足を引っ張る作戦に出ているのです。
 1月19日のフジテレビ「新報道2001」のときの話です。
このとき、平井文夫フジテレビ解説副委員長は、おおよそ次のよ
うに細川氏を批判しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 細川氏は佐川急便からの1億円の借金という政治とカネの問題
 について、何の説明責任を果たさないまま、突然政権を投げ出
 したのです。今度はこれについて、しっかりと説明責任を果た
 してもらいたいものです。  ──平井文夫フジ解説副委員長
―――――――――――――――――――――――――――――
 この人は小沢一郎氏のときと同じです。自民党は、「猪瀬5千
万円/細川1億円」のキャンペーンを展開するそうですが、細川
氏が佐川急便から1億円の借金をしたのは、首相のときでも熊本
県知事のときでもなく、31年前のことです。
 しかも、猪瀬氏の場合と違って、きちんとした借用書があり、
保証人も担保もついており、もちろん利息の記載もあります。使
途も自宅の山門の修理費となっており、既に完済されています。
細川氏は国会の求めに応じ、それらの資料を提出し、きちんと説
明責任を済ませています。しかし、騒ぎが大きくなるだけであっ
たので、細川氏は自ら身を引いたのです。
 あのとき、この問題を厳しく追及した元自民党の白川勝彦氏は
次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 あの問題はそもそも闇献金問題ではない。借入金をマンション
 や自宅修復にあてたのは所得税法上問題がなかったかというこ
 とだったが、総理を辞職したことで政治責任は果たしている。
 私は都知事選で細川さんを応援します。
         ──『週刊ポスト』2014年1月31日号
―――――――――――――――――――――――――――――
 このように、細川氏の借金問題は、ためにする疑惑そのもので
あったのです。      ── [消費税増税を考える/12]

≪画像および関連情報≫
 ●細川・小泉連合の圧勝は加速する/天木直人氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  あとから振り返れば2014年1月14日が日本の政治が大
  きく変わる始まりの日であったということになるだろう。な
  にしろ小泉元首相があそこまではっきりと細川氏の東京都知
  事立候補を応援すると国民の前で明言したのだ。日本は原発
  なしでやっていけると考える者たちと原発維持を唱える者た
  ちとの戦いであると断じたのだ。そして東京都知事選では脱
  原発を唱える細川氏を全面的に応援すると言い切ったのだ。
  小泉さん、あんたは偉い。それだけで安倍自民党政権に与え
  る衝撃は十分であるのについに小泉進次郎が宣言した。安倍
  自民党が支持する舛添候補を認めないと。これで決まりだ。
  街頭で進次郎が応援演説をすることで細川・小泉連合圧勝の
  流れがダメ押しとなった。いっそのこと進次郎は名護市長選
  挙でくだらない自民党候補者を応援するような馬鹿なマネを
  止めて、いまから東京都知事選における細川候補支援を宣言
  したらどうか。父子で自民党をぶっ壊し、分裂させ、東京都
  知事選のあとに間違いなく起きる解散・総選挙に向けた細川
  ・小泉新党結成に加わるんだ、と表明したらどうか。舛添や
  宇都宮は候補を取り止めるしかない。とりやめて細川・小泉
  の応援にまわるべきだ。細川・小泉連合と安倍の代理人であ
  る田母神との一騎打ちにさせるべきだ。そうすれば安倍自民
  党のおろかさが浮き彫りになる。安倍自民党政権のあらゆる
  いかさまがはっきりしてくる。   http://bit.ly/1hF0mEr
  ―――――――――――――――――――――――――――

都知事選に出馬表明する細川氏と小泉氏.jpg
都知事選に出馬表明する細川氏と小泉氏
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税増税を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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