補者、比例代表でも日本未来の党に投票した人がいたのです。ど
うしてそういう投票行動をしたかというと、日本未来の党が唯一
政党として「卒原発」を訴えていたことと、他党が消費税増税を
容認するなかで、この党だけは「消費税増税反対」を公約に掲げ
る一番大きな党だったからです。その人を仮にAさんと名付ける
ことにします。
しかし、日本未来の党は予想に反して惨敗し、自民党が政権党
になったのです。Aさんは、多くの日本人は民主党に失望し、自
民党の返り咲きを許したのだと思ったのです。消費税の増税にし
ても、もちろん反対ではあるものの、大部分の国民は社会保障の
充実のためなら仕方がないと考えて、受け入れた人が多いのだな
と思ったといいます。
しかし、ひとつ腑に落ちないのは、実際に原発の被害を受けて
いる東北地区においても、今後の原発再稼働を容認するような票
の出方をしていることです。自民党を勝たせれば、原発の再稼働
を進めるのは目に見えていたのにです。
ところがです。Aさんのように考えた人は実は意外に多いので
す。日本未来の党は、根っこの部分でかなり多くの人に支持され
ていたのです。しかし、メディアにおける日本未来の党のイメー
ジはけっしてよくなかったのです。日本未来の党の惨敗の原因に
ついては、多くの政治評論家は次のように述べています。
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1.日本未来の党は、小沢・亀井というダーティーなイメージ
の政治家がクリーンなイメージの嘉田知事を担いで急遽立
ち上げた年末駆け込み政党である
2.大部分の候補者が国民の生活が第一であるのに、選挙の直
前から、幹事長の飯田哲也氏と国民の生活が第一側が比例
順位などをめぐりもめていたこと
3.嘉田知事と飯田幹事長がイメージの悪化を恐れ、小沢氏を
無役にして前面に立たせず、選挙を仕切らせなかったため
多くの票を集められなかったこと
―――――――――――――――――――――――――――――
上記3つの指摘はいずれも真実ですが、惨敗の原因は「準備不
足」そのものです。何しろ、結党が野田首相による解散宣言後の
2012年11月28日であり、衆院選はその18日後に行われ
ているからです。これでは、有権者に党名を認知させることすら
不可能に近いです。すべては、野田首相による信じられない抜き
打ち解散にあったのです。
さすがの小沢氏もこれは予測ができなかったといっています。
野田首相が民主党を壊滅させることを承知のうえで、小沢氏が復
権するのを恐れて「自爆解散」に打って出たからです。もっとも
「自爆」といっても、自分だけは当選できるメドはしっかりつけ
ていたのです。このメドについては改めて説明します。
選挙結果はまさに「惨敗」です。なぜなら、小選挙区で当選し
たのは亀井静香氏と小沢一郎氏の2人だけだったからです。しか
し、この選挙結果には大きな疑問符がつくのです。本当はこんな
に負けるはずがないからです。
上記の評論家による日本未来の党の3つの指摘において大きな
間違いがひとつあります。それは「小沢と亀井両氏はイメージが
悪い」という指摘です。まず、亀井静香氏のイメージはけっして
悪くないことです。もしそうだったら、小選挙区で当選できない
でしょう。亀井氏に失礼です。
小沢氏のイメージを故意に落しているのはメディアとテレビに
よく出る政治評論家たちです。小沢氏には今でも国民の強い支持
があります。ましてやあの理不尽な検察審査会による強制起訴裁
判で「無罪判決」を勝ち取っているのです。
2013年12月7日付の日本経済新聞に小さく次の記事が出
ています。
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国会議員の資金管理団体と政党支部の収入合計で、生活の党の
小沢一郎代表が3億5908万円を集め、2年ぶりの首位に返
り咲いたことが6日、共同通信の集計で分かった。2011年
分で1位だった徳田毅衆院議員は2億5657万円で4位だっ
た。上位30人のうち、自民党が23人で7割以上を占めた。
──2013年12月7日付、日本経済新聞より
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「巨額の資金を集める政治家=悪徳政治家」というイメージが
あります。それは、新聞やテレビなどのマスメディアのつくり上
げたものです。合法的に多くの政治資金が集まる政治家は過去の
実績があるからであり、期待が大きく、人気があるからです。ま
して、2012年という年は、小沢氏にとって大変苦難の年だっ
たはずです。だからこそ、いつもよりも多くの人が献金したので
しょう。それは期待されていることの何よりの証明です。
この日経の記事には悪意を感じます。小沢氏のダントツの1位
を強調しながら、2011年度トップの徳田毅議員が12年度は
4位になったことを伝えている点です。現在の徳田議員のイメー
ジはよくないでしょう。それに小沢氏をからませているのです。
そして、自民党議員が上位30人の7割を占めていることを伝え
ながら、2位が安倍晋三氏であることを伝えていないのです。
日本未来の党は、準備不足などで失敗しましたが、俄かづくり
にしては、東北を中心に支持が広がっており、もっと勝っていて
もおかしくはないのです。
日本未来の党は複数政党の集合体ですが、その実体は小沢氏が
率いる国民の生活が第一の議員たちが中心の政党です。この党は
短い期間ではあったのですが、それなりの準備をしてきているの
です。本来小選挙区で2人当選だけという惨敗に終わるはずがな
いのです。ネットでは約1000万票の日本未来の党への票が消
えているとの指摘がなされています。来週のEJでこの問題を取
り上げます。 ─── [自民党でいいのか/115]
≪画像および関連情報≫
●日本未来の党の選挙後のゴタゴタ/2012年12月26日
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「日本未来の党」のゴタゴタに関して、現在判っている事実
をもとに検証すると、どうも嘉田代表の敗北のようである。
両院議員総会を招集したのは嘉田代表だし、代表として、嘉
田・阿部共同代表、飯田代表代行、幹事長鈴木と云う党人事
案を提示、出席議員の同意を取り付けようとして、拒否され
た。しかし、森参議院議員らが、党内に何の打診もなく、独
断専行で党人事を記者クラブにリークし、既成事実化を図っ
た暴挙に反対の意思表示をし、逆に動議を提出、その場で決
をとり、小沢一郎の共同代表案を賛成多数で議決した。動議
は議決されたのである。以上が、ことの顛末なので、党内手
続きでは、既に「日本未来の党」の共同代表に小沢一郎は就
任したことになる。まだ、小沢一郎の意思確認は行われてい
ない。小沢が、「そか〜、皆さんがそのように言うなら、受
けざるを得ないね〜」と答えれば一件落着の処まで事は進ん
でいる。嘉田が出したと云う声明文では「幹事会が主催する
両院議員との懇談会」となっているが、嘉田が事務方に人事
を固めようと“両院議員総会”の開催を告げているので、嘉
田の提案は正式に非了承となったのである。嘉田が発信した
ように伝えられる同声明文は未来の党事務方からの発信では
なく、嘉田「なりすまし」の手口で、発信履歴の痕跡を意図
的に消している。嘉田の人事案を強行したい勢力又は人物の
工作なのだろう。 http://bit.ly/19ADu2Z
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小沢 一郎氏と嘉田 由紀子氏